パン野ゆりのぶらりパン歩き パンの概念を覆す!?「BAKER Aoyagi」@東北沢
おいしいパンを求めて世界中どこまでも! パン愛にあふれたモデル山野ゆり改め“パン野ゆり”が、話題の新店から知る人ぞ知る逸品まで、津々浦々パンの世界を独自の視点でお届け。今回は、この春、東北沢にオープンしたBAKER Aoyagiをレポートします。
こんにちは! 憂鬱な梅雨もパンを食べて元気に過ごそう。パン野ゆりです。
今回は♡パン好きさんに朗報♡
昨年、大人気の中惜しまれつつクローズになった原宿の「なんすかぱんすか」。
そちらでシェフを務めていた青柳吉紀さんが東北沢にパン屋さんをオープンしたんですって!
東北沢駅から徒歩6分ほど。
池ノ上駅や駒場東大前駅からもアクセス可能なBAKER Aoyagi。
11時オープンと共に所狭しと美味しそうなパンたちがズラリとラインナップ。全部で50種類ほどあるパンは、お昼の12時頃にはほとんどの種類が並ぶようです。
原宿「なんすかぱんすか」の他にも、麻布十番「テコールジャンティ」などでパンの監修も担当している青柳さん(テコールに至ってはすべてヴィーガンのパンなのですが、何を食べても美味美味美味美味)。
私も数年に渡り青柳さんのパンを追い続けていますが……「なぜ青柳さんのパンにこんなに虜になるんだろうか?」という自問自答の答えが今回の取材で見つかった気がしました。
「自分はパンの作り手として、どれだけオリジナルが出せるかっていうことをずっと意識的に思っていて。自分のパンって自分の表現じゃないですか。例えば、修行先のものをなぞってしまうだけでは個性ではないと感じますし」
朗らかに話してくれる青柳シェフ。
青柳シェフのパンには、はっきりとした個性がある。食べた時に、他所のパンと差別化出来る何かがある。
それってなぜだろう?
青柳シェフはパンに対してどんな「こだわり」が?ストレートに質問をぶつけてみました。
「一つのパンを自分なりに再解釈していったんです。そのパンの元々の歴史とかその辺も深掘りして、分解して、再構築して……その繰り返しで。自分の解釈、自分のエッセンスで自分のパンを作り上げていきました」
例えば今のクロワッサンは第5世代目。日々パンと向き合いながら、時には大きくひっくり返しながら、今のクロワッサンに辿り着いているんだそう!
「食パンはこうです」
「バゲットはこうです」
「クロワッサンはこうです」
昔から当たり前にあるパンへの価値観を自分なりに模索し、研究し、時にはひっくり返し、自分らしさをパンに投影していく。
「食べてもそこまでよくわからないことが多いとは思うんですけどね(笑)」と微笑みながら
お話ししてくれた青柳シェフ。
いや、わかります!
(いや、わからないのかな?)
恐らく、すごく繊細で些細な部分では気づかないことも多いと思うのですが‥
青柳シェフのパンが個性的だということだけはわかります!
「メロンパンって広島だとラグビーボール型だったりするんですが、関東では馴染みがないですよね。メロンパンの定義を考えた時に“クッキー生地とパン生地”だなーと思い、そこから再構築して今のメロンパンになりました」
青柳シェフのパンが個性的だと感じる所以は、一つのパンに対して真摯に向き合い、自分なりの解釈を見つけているからなんですね……!
従来のメロンパンはクッキー生地がカリコリッとして、パン生地は歯切れの良いパサっとした食感ですが……こちらのメロンパンはクッキー生地がサクッと入りパン生地はしっとりモチっとしていてコントラストが楽しい最高なおやつパン♡
フランクは見るからに美味しそうなビジュアルで、見てるとお腹減ってきません? デニッシュ生地がバリッパリッでソーセージがプリップリでジューシィーー‼︎ 優勝‼︎
あんバターは塩パンに挟まれたボリューミィなあんこと対比してホイップバターは軽やか♡ パンの塩っ気がバランサーになり、ずっと食べ続けたい心地良いムードに仕上がっています。
ビスケットは個人的にどタイプ(毎日齧りたい)。エアリーでホロホロしつつ、まとまりがありしっとり。もちろん、このままで食べても、ジャムや蜂蜜をつけて食べても◎
クリームパンも絶品。
見て見て!このペールイエローのカスタード!
綺麗〜♡こちら、クリームとパン生地の一体感がすごいんです。プリプリなクリームに馴染むパン生地。これ飲めるクリームパンですかね。
他にも語りきれない絶品パンのオンパレード。正直全部オススメなので、何を食べようか迷ってしまうあなたに……せっかくなので青柳シェフのオススメも伺ってみました。
「食パンをうちは3種類やっているんですが、それぞれ食べてみてもらえたら嬉しいです。その中でもどれか1つと言ったらヴィーガンの全粒粉のパンですかね。これは今の時代背景とかも考えながら作っているので。後は先ほども話した第5世代のクロワッサン。ある程度完成に近づいてきているのでオススメしやすいです」
私も食パンの「べべ」は昔から大ファン! まるで赤ちゃんの肌のようなプルプルでしっとりとしたパン生地には、思わず顔を埋めたくなってしまう程ですし、「あの、あん食ぱん」も言わずと知れた名品。
※ヴィーガン全粒粉は次回必ず食べると今ここに誓いました。
青柳シェフのお話を聞けて、作り手の姿勢や気持ちはパンに映り、パンに投影されるんだなぁと改めて感じました。
既存のものに対して自分なりの解釈見つけ、ブラッシュアップされていくパンたちは何を食べてもグッときちゃうので皆様もぜひ。
全力で推します♡
BAKER Aoyagi
住所/東京都目黒区駒場4丁目6−1 Y-5yamagatayaビル 1F
営業日/Instagram @baker_aoyagiをチェック
Photos: Ayako Masunaga Text: Yuri Panno Edit: Yukiko Shinto