「Mame Kurogouchi」がブランド初の旗艦店を表参道にオープン | Numero TOKYO
Fashion / Post

「Mame Kurogouchi」がブランド初の旗艦店を表参道にオープン

Photo: Ichiro Mishima
Photo: Ichiro Mishima

Mame Kurogouchi(マメ クロゴウチ)」がブランド初のフラッグシップストアとなるMame Kurogouchi Aoyamaをオープン。表参道駅からほど近い立地にありながら、喧騒から逃れた裏通りに静かに佇むレンガ造の建物。もともとは住宅だったというその空間を、Mame Kurogouchi Hanegiを手がけたデザイナー柳原照弘がデザインした。

Photo: Ichiro Mishima
Photo: Ichiro Mishima

デザイナー黒河内真衣子自身が、職人との対話を重ねて作り上げていったという店内は、壁から、天井、床、什器にいたるゲストを包み込む空間全体が左官による印象的な黄色みを帯びた白色で表現され、フルラインナップのコレクションからアクセサリー、バッグ、Mame Kurogouchi Basicsまでを取り揃える。「表参道の旗艦店」が象徴するような煌びやかな世界からは少しだけ距離を保ち、自然と街に溶け込みながらも、黒河内が大切にしてきたものづくりへの思いや美意識、ブランドの世界観を堂々と携えた美しい空間に仕上がっている。

Photo: Ichiro Mishima
Photo: Ichiro Mishima

エントランスをくぐるとまず目に入るのが箱庭。「⾮⽇常への招待」として柳原が設計したこの小宇宙に、⽣まれ育った⻑野で⿊河内を包みこんでいた⾵景を想起させる⾵景が広がる。奥はストックルームで、手前の階段を上ると商品が並ぶフロアにたどり着く。

Photo: Ichiro Mishima
Photo: Ichiro Mishima

2階に上がると貝殻の中を進むように回遊するようなつくりになっているので、全貌は見渡すことができない。次々と現れる洋服やアクセサリーを発見して、最後に辿り着くのがフロアの真ん中にある広々としたフィッティングルーム。カーテンを閉めれば、まるで空間を独り占めするようにリラックスしたフィッティングの時間を楽しむことができる。

Photo: Ichiro Mishima
Photo: Ichiro Mishima

Photo: Ichiro Mishima
Photo: Ichiro Mishima

壁や床などはすべて珊瑚などが蓄積した沖縄県産の石灰石をベースに、テクスチャーにこだわってオリジナルで作られた素材を用いた。大分県で採取した竹を粉砕して混ぜ込むことで、よりクリーンなイメージに仕上がっている。また、棚や従業員が使用する引き出しには少しグレーがかったような深みのある色が特徴の神代欅を使用。つい触りたくなる質感に惹かれるこの木材は、海や地中に埋まっていた貴重な欅で縁起がいいのだという。

張り詰めた緊張感ではなく、雪景色を前にしたときのような静けさとワクワク感が共存し、都市にありながら自然で、クラフトだけどモダンで、新しくも懐かしい。ブランドの世界観を凝縮したMame Kurogouchi Aoyamaの空間をぜひ体験して。

Photo: Ichiro Mishima
Photo: Ichiro Mishima

Mame Kurogouchi Aoyama
107-0061 東京都港区北青山3-8-3
営業時間/毎週木曜~日曜日 13:00-20:00
休店日/毎週月曜~水曜日
https://www.mamekurogouchi.com/

Text:Chiho Inoue

Magazine

DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

Gift of Giving

ギフトの悦び

オンライン書店で購入する