ケラリーノ・サンドロヴィッチ、コクーンでの5年ぶりの新作「世界は笑う」 | Numero TOKYO
Culture / Post

ケラリーノ・サンドロヴィッチ、コクーンでの5年ぶりの新作「世界は笑う」

劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、2017年の『陥没』以来、5年ぶりにBunkamuraシアターコクーンで新作公演を行うことが決定した。

待望の新作『世界は笑う』は、ジャズマンだったKERAの父親の交友関係で、幼い頃、沢山の喜劇俳優たちが身近にいた環境で育ったKERAが描く群像悲喜劇だ。

舞台は昭和30年代初頭の東京・新宿。第二次世界大戦の敗戦から10年強の月日が流れ、巷に「もはや戦後ではない」というフレーズが飛び交い、“太陽族”と呼ばれる若者の出現など解放感に活気づく人々の一方で、戦争の傷跡から立ち上がれぬ人間がそこかしこに蠢く…。
そんな殺伐と喧騒を背景にKERAが描くのは、笑いに取り憑かれた人々の決して喜劇とは言い切れない人間ドラマ。戦前から舞台や映画で人気を博しながらも、時代の流れによる世相の変化と自身の衰え、そして若手の台頭に、内心不安を抱えるベテラン喜劇俳優たち。新しい笑いを求めながらもままならぬ若手コメディアンたちなど、混沌とした時代を生きる喜劇人と、彼らを取り巻く人々が、高度経済成長前夜の新宿という街で織りなす、哀しくて可笑しい群像劇を作り上げる。

出演は、KERAとの3度目のタッグとなる瀬戸康史、2度目となる松雪泰子をはじめ、KERA作品初出演の千葉雄大、勝地涼、伊藤沙莉、ラサール石井、銀粉蝶など、勢いのある若手から存在感が目立つベテランまで、幅広いキャストが揃う。KERAの言葉を借りれば「全員がメインキャスト」と言える顔ぶれだ。

ビジネス街や高級ショッピング街と道一本隔てて、猥雑だが魅力的なエリアがある新宿。花園神社境内や紀伊國屋ホール、新宿文化センター、シアターモリエールに末廣亭など、演じる者たちにとってはある種の聖地でもある。だが、そんな場所もどんどん整備が進み、不思議で面白い住人たちも消えつつある。新宿が戦後の面影を残していた時代を知るキャストと、整備されてからの新宿を多く知る世代の間でどのような化学変化が生まれるのか。期待が膨らむ。

舞台 COCOON PRODUCTION 2022+CUBE 25th PRESENTS,2022
『世界は笑う』

作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演/瀬戸康史、千葉雄大、勝地 涼、伊藤沙莉、
大倉孝二、緒川たまき、山内圭哉、マギー、伊勢志摩、廣川三憲、神谷圭介、
犬山イヌコ、温水洋一、山西 惇、ラサール石井、銀粉蝶、松雪泰子

<東京公演>
会場/Bunkamura シアターコクーン
住所/東京都渋谷区道玄坂2丁目24-1
公演日程/2022 年8 月7 日(日)~8 月28 日(日) 全26 回
チケット一般発売日/2022年6月19日(日)10:00~
料金/S 席:11,000 円 A 席:9,000 円 コクーンシート:5,500 円(税込・全席指定)
WEB/オンラインチケットMY Bunkamura https://mybun.jp/sekawara
TEL/Bunkamura チケットセンター(10:00~17:00/オペレーター対応)
03-3477-9912(発売初日)、03-3477-9999(6月20日以降)
窓口/Bunkamura チケットカウンター(Bunkamura1F/10:00~18:00)
東急シアターオーブチケットカウンター(渋谷ヒカリエ2F/11:00~18:00)
※窓口での取扱いは6月20日以降となります。
他チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット
チケットに関するお問合せ/Bunkamura チケットセンター 03-3477-9999(10:00~17:00)

公演に関するお問合せ/
Bunkamura www.bunkamura.co.jp
キューブ www.cubeinc.co.jp
主催、企画・製作/Bunkamura、キューブ

<京都公演>
会場/京都劇場
公演日程/2022年9月3日(土)~9月6日(火)
京都公演主催/サンライズプロモーション大阪
問い合わせ/キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~16:00/日曜・祝日は休業)

Text:Reiko Nakamura

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2025 N°183

2024.11.28 発売

Future Vision

25年未来予報

オンライン書店で購入する