ミヤケマイ × 華雪 美術家と書家の二人展 | Numero TOKYO
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ミヤケマイ × 華雪 美術家と書家の二人展

ミヤケマイ 『天の配剤』 (2020年) ©JUN YAMAMOTO
ミヤケマイ 『天の配剤』 (2020年) ©JUN YAMAMOTO

美術家・ミヤケマイと書家・華雪(かせつ)による二人展「ミヤケマイ×華雪 ことばのかたち かたちのことば」が、神奈川県民ホールギャラリーにて開催中。会期は、2021年12月20日(月)〜2022年1月29日(土)まで。

華雪 『木』 (2021年) ©KABO
華雪 『木』 (2021年) ©KABO

本展は、「ことば」の力と「ことば」にならない「かたち」を探りながら、「本当に大切なことって何だろう」という問いについて、二人のアーティストそれぞれが応える試みだ。

ミヤケマイは、伝統的な日本の美意識や工芸的手法を現代につなぎ、書画という日本美術のフォーマットに則りながら、「ことばにできることとできないこと」を一つの世界として構築。作品が置かれる場所の歴史や文化などの声なき声を拾い上げ、コンセプトや展示に組み込む“サイト・スペシフィックアート”を各地で展開してきた。

本展では、会場である神奈川県民ホールギャラリーの立地にふさわしく、舟や水を使った大規模なインスタレーションに挑んでいる。

華雪 「みえないものたちー『气』雲の流れる様子を書く」 (2021年) ©KABO
華雪 「みえないものたちー『气』雲の流れる様子を書く」 (2021年) ©KABO

一方の華雪は、古代の人間が生み出した漢字の成り立ちから自然と人間との関係性をすくい出し、それを漢字一文字の書で表現する作風で知られる。また同時に、その文字が現代に生きる自身とどうつながっているのかについて思索した内容を文章で綴り、書とテキストによるインスタレーションとして発表している。

本展では、人の根源にある自然への畏れを「木」という文字を糸口に再考。人が精神の奥底から「ことば」を取り出す、「書く」という行為そのものとあわせて作品化した。

ミヤケマイ 『呉越同舟』 (2021年) ©JUN YAMAMOTO
ミヤケマイ 『呉越同舟』 (2021年) ©JUN YAMAMOTO

「ことば」とことばにならない「かたち」をテーマに、コロナ禍の今だからこそ、立ち止まって考えてみる展覧会。ぜひ会場で体感してみよう。

※掲載情報は1月19日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

「ミヤケマイ×華雪 ことばのかたち かたちのことば」
会期/2021年12月20日(月)〜2022年1月29日(土)
会場/神奈川県民ホールギャラリー
住所/神奈川県横浜市中区山下町3-1
開館時間/10:00〜18:00
※入場は17:30まで
休館日/木
料金/一般 ¥800、学生・65歳以上 ¥500
※高校生以下および障がい者手帳をお持ちの方と付き添い1名は無料
URL/https://www.kanagawa-kenminhall.com/kotobanokatachi/index.html

Text : Akiko Kinoshita

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