表参道・ケリングビルにて。展示とゲームで考える「これからのファッションと生物多様性」
「Fashion & Biodiversity:ケリングと共に考えるファッションと生物多様性」展
明日11/26(金)から28(日)までの3日間、表参道・ケリングビルにてサステナビリティについての展覧会とワークショップが開催されるということで、一足お先に参加してきました。
ケリングは「ラグジュアリーとサステナビリティは同一である」という信念のもと、ビジネス戦略の中核にサステナビリティを据え、Corporate Knights社が毎年発表する「世界で最も持続可能な100社」で2021年は7位となっているファッション業界のトップランナー(詳しくはオフィシャルサイトを参照のこと)。今回の展示では、いま私たちが直面している危機について、また2025年に向けてケリングがどんな取り組みを行っているのかなどを知ることができます。
展示は6つのセクションに分かれていて、最初のセクションでは1枚のカシミアセーターを手がかりに、ファッションと生物多様性について考える旅をスタート。今日、1ヶ月前、6ヶ月前……と過去にさかのぼるようにファッションのルーツを辿っていきます。
データや文字を追っていくだけでなく、実際に使われているマテリアルや映像とともに、ファッション産業の自然への依存と影響、そしてケリングが挑戦している生物多様性戦略とさまざまな取り組みがとてもわかりやすく示されていました。
ボードゲームで体感! ファッションの未来と環境問題
そしてワークショップでは環境課題に関するレクチャーを受けた後、4人1組でボードゲームをプレイします。プレイヤーがファッションブランドの経営者となって、トレンドを考慮した製品の製造と自然環境の修復・再生活動の両立を目指す「サステナパレル」というボードゲームです(現在は開発途中でまだ商品化されていないとのこと)。
すごくシンプルにいうと例えば、トレンドアイテムを製造すると「いいね!」がブランドにつく一方で、その製造工程において多くのCO2を排出すると温暖化が進んでいきます。面白いのは、たくさんの利益を上げるブランドが生産者から優先的に素材を調達できるという市場原理がゲーム性を増していること。そして同時に利益の多いブランドが社会への還元として自然再生プロジェクトに投資したり、新素材開発に投資したりしながら、2010年代から2050年代までのラウンドをプレイしていきます。
綿栽培用の農地をつくったり、牛や山羊、羊を増やすという(原材料を育てるための)開発を進めると森や草が減るので、盤上の見た目の変化が明らか。経営者としてゲームを進めていく中で、ファッション産業と気候危機の関係性が端的に可視化されるのがリアルで、展示からワークショップを通じて、作り手が自然環境の修復・再生活動を行うことがなぜ重要か、すごく感覚的に(しかも楽しみながら)理解できます。
2025年まであと4年(もうすぐあと3年)……。もっと学んで、もっともっと今日からでもできるアクションにつなげていきたい、そんな気持ちがいっそう強まったのでした。
展覧会とワークショップはそれぞれ入場予約制です。お申し込みはこちらから。
「Fashion & Biodiversity:ケリングと共に考えるファッションと生物多様性」展
会期/2021年11月 26日(金)〜28日(日)
開館時間/10:30〜18:00(17:00最終入場)
会場/東京都渋谷区神宮前5-1-5 ケリングビル6F
URL/www.kering.com/