舘鼻則孝の最新個展 @KOSAKU KANECHIKA
『ヒールレスシューズ』などの作品で知られるアーティスト・舘鼻則孝による最新個展「Descending Painting」が、東京・天王洲のギャラリー「KOSAKU KANECHIKA」にて開催される。会期は、2021年9月4日(土)〜10月9日(土)まで。
東京の歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ、鎌倉で育った舘鼻則孝。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業し、遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄を制作した。
なかでも、花魁(おいらん)の高下駄に着想を得た『ヒールレスシューズ』は彼の代表作に。小誌『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』9月号の「アートとシューズの不思議な関係」でも、そのうち1点を紹介している(※1)。
(※1)Numero.jp/アートとシューズの不思議な関係 【4】舘鼻則孝
国内外で注目される彼の作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館など、世界各地に収蔵。今春には、東京の伝統産業に焦点を当てた「江戸東京リシンク展」にて展覧会ディレクターを務め、大きな話題を呼んだ(※2)。
本展では、仏教の「来迎図」に着想を得て制作された『Descending Painting』シリーズなど、新作約35点を展示。幾層にも重なるレイヤー状の表現を用いた作品には、舘鼻が向き合ってきた「視点」への強い関心が表れている。
「作品を通して自分と向き合うための視点の探究を行ってきた。生と死、記憶と現実。そして、自分と他人。対岸にある新たな価値観が一対の視点を結び付けるだろう」(展覧会ステートメントより)
舘鼻の描く来迎図には、神道におけるモチーフの雷が描かれ、日本独自の死生観や、「神仏習合」の思想も表れているという。
日本古来の文化と現代の要素を組み合わせ、新たな視点と世界観を提示する舘鼻則孝。その新作展に、どうぞご注目を!
※掲載情報は9月3日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。
舘鼻則孝「Descending Painting」
会期/2021年9月4日(土)〜10月9日(土)
会場/KOSAKU KANECHIKA
住所/東京都品川区東品川1-33-10
開館時間/11:00〜18:00
休館日/日・月・祝
料金/入場無料
URL/https://kosakukanechika.com/exhibition/descendingpainting/
Text : Akiko Kinoshita