女性がつくる、女性に優しい靴|vol.1 佐藤葉子
おしゃれのために足の痛みを我慢することなく、スタイリッシュな足元を実現したい。 女性の悩みを理解し、解決してくれるのは、同じ思いを共有する女性デザイナー。 それぞれの考え方で生み出される女性に優しい靴とは? vol.1はPIPPICHICのデザイナー佐藤葉子さんにフォーカス。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年9月号掲載)
PIPPICHIC(ピッピシック)
佐藤葉子さん
デザインも生き方も、美しく快適でありたい
セレクトショップを中心に展開するピッピシックは来年20周年。デザイナーの佐藤さんは、ルブタンやマノロを扱っていた新宿のバーニーズの靴売り場に出かけては、ファンタジーあふれる世界観にうっとりしていたという。とはいえインポート靴は簡単に買える価格ではなく、かといって日本の現実的な靴は高揚感を与えてくれない。それなら自分でつくろう! と工場のサポートを得ながら独学で靴づくりを始めた。頑固な職人が多い現場での意思疎通にはエネルギーを要したが、初の展示会で800足ものオーダーが入り、31社と取引が成立。そこから職人とのコミュニケーションもスムーズに。“服ありきの靴”という思いは変わらないが、経験とともに素敵さの概念も成熟し、今は快適さに美しさをどう共存させるか、木型にこだわっている。
快適な一足が生まれるのはフィットと開放のバランスがハマったとき。また在庫を持たない受注生産で売り逃しはあるが在庫破棄もないのだとか。「お客様目線なんです。毎日こそ大切。幸せはそこにあると思っています。靴づくりにシンプルに向き合い、責任を持てる範疇で身軽に仕事をしたい。そこは一貫しています」
PIPPICHICのシューズをご紹介
「ランジェリーと同じように、センシュアルなアイテムだから靴が好き」と佐藤さん。ミリ単位で計算した靴を、自身はもとより仕事仲間にもフィッティングしてもらい、履き心地を吟味。
01. LINDA FLAT
02. ANNA shallow JEWELRY
03. PPP LONG BOOTS
04. LINDA FLAT cute
05. LINDA deeply
06. Pina colobokle
Edit &Text : Hiroko Koizumi