平成時代をアートで探る展覧会@京都市京セラ美術館
平成年間の美術を振り返る「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019」が、京都市にある京都市京セラ美術館にて開催中だ。揺れ動いた時代を映し出す、平成のアートとは一体なんだったのだろうか。
美術評論家の椹木野衣を企画・監修に迎え、独自の視点で選定したアーティストたちによる、集合的活動にフォーカスした「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989-2019」。
「うたかた」と「瓦礫(デブリ)」をキーワードに展開する本展では、バブル経済崩壊による経済的な停滞と、東日本大震災(福島原発事故)など未曾有の災害に繰り返し見舞われた平成時代を、椹木の視点にもとづき、アーティストたちがどのように時代と状況に応答してきたのかを探る。
会場では平成を3つの時代区分に分け、日本の現代美術を紹介。平成初頭に活動したテクノクラートを皮切りに、Chim↑Pom、東北画は可能か? など、平成の14のアーティストグループおよび集合体を見せる。
厳選された関西のアートシーンにも要注目だ。関西ニューウェーブを担ったComplesso PlasticoやDIVINA COMMEDIA、これらに続くcontact Gonzoに、國府理「水中エンジン」再制作プロジェクトなど、関西ゆかりのアーティストの重要な活動を作品で振り返る。
なお、平成を特徴づけるゆるやかな個人の集まりである「集合的アーティスト」のグループや、プロジェクトによる多様な「作品」のあり方を、映像やインスタレーションで見つめなおす試みも。GEISAIやDOMMUNE、パープルーム、クシノテラスなどが紹介される。
幅約15メートルにおよぶ年表「平成の壁」を参照しながら、アーティストの活動を中心に、揺れ動いた平成を映し出す日本の現代美術の変遷をたどりたい。会期は4月11日(日)まで。
「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019」
会期/2021年1月23日(土)〜4月11日(日)
会場/京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
住所/京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間/10:00〜18:00(最終入館は閉館の30分前まで)
料金/一般2,000円、大学・専門学校生1,500円、高校生1,000円、小・中学生500円、未就学児無料、そのほかペア割チケット3,500円(一般チケット2枚)あり。*期間限定で、「拡大平成割」として平成生まれの方は200円割引。(2月28日以降、一般料金のみ適応)
休館日/月曜(祝日の場合は開館)
URL/kyotocity-kyocera.museum/
Text:Akane Naniwa