バービーに聞く! 生理や性との向き合い方
「もうみんな、生理で悩むのやめよう!」と自身のYouTubeで発信したことで話題のバービー。体の悩みとどのように向き合っているのか伺った。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年12月号より抜粋)
生理についての発信が話題に
──各メディアで生理や性の情報を発信されていますが、特にYouTubeの「バービーちゃんねる」で生理について取り上げようと思ったきっかけは?
「生理の情報が少なくて困っている人がいるのに、メディアがそれをピックアップしないことがシンプルに不思議だったんです。それなら私がやってみようと思ったんですが、お笑いをやっている私がいきなり性について語り始めるってどうなんだろうと少し悩んだりもして。だから、先頭を切って『時代を切り開く!』というより、一人の生理経験者として、これから生理を迎える子たちに向けて、語れる範囲のことで何かできたらという気持ちでした」
──「これから生理を迎える君へ『初めての生理』」の回は、視聴回数が283万回を超えました。(※2020年9月時点)
「コメントも1万件以上いただいて、やっぱりみんな悩んでるんだなと思いました。あの動画の反響もあって、ソフィの#NoBagForMe PROJECTや、テレビ東京の番組『生理キャンプ2020』に呼んでいただいたり。この番組は深夜帯の放映でしたが『地上波でここまでやってくれるなんて』『子どもに見せたい』と言ってくださる方も多かったですね」
トライ&エラーで掴んだ、自分にとっての“快適な生理”
──ちょっと過去にさかのぼって。これまでご自身は生理にどう向き合ってきたんでしょうか。
「昔から生理は我慢すべきものとか、恥ずかしいものという感覚はなく、できるだけ快適に過ごせるようにいろんなアイテムを試したり、情報収集したりしていたんです。ホルモンに自分が支配されるのも嫌なので、ピルは20代前半から飲んでいました。そうやってトライすることが当たり前だと思っていたんですが、周りの子に聞いてみると必ずしもそうではなくて。生理に関して、自分から積極的に選択してはいけない風潮があるのかなと感じていました」
──性に対しては受け身でいたほうが「おしとやか」というイメージが長く続いていましたよね。
「思春期の頃にお母さんから教えてもらったことを大人になっても続けている方が多くて、『生理痛があっても痛み止めを飲まずに耐えている』とか『初めてお母さんから渡されたナプキンをずっと使っている』という話も聞きました。今は技術が進化しているし、新しい情報を得たら快適になるはずなんですよね。私は美容でも性のことでも、どんなことでも自分の体で検証したいという好奇心が強いから、ちょっと意外でした」
──美容クリニックで最新の施術も体験されていますよね。
「きれいになりたければ毎日ケアに励んだほうがいいけれど、それは面倒だから、科学技術で一気にどこまでいけるのか試してみたくて。まるで人体実験のようなんですけど、トライ&エラーを繰り返して自分に合うものを探すのが好きなんです。もちろん失敗も山のようにするけど、そこから自分なりの傾向と対策を深めています」
──これまで試したなかで、画期的に生理が楽になったものは?
「ピルです。最初に試したのは、20代前半の頃。スキンケアだけで治らないニキビがあって、これはホルモンが原因なんじゃないかと、婦人科のお医者さんに相談してピルを処方してもらいました。当時は医師の間でも賛否があるようでしたが、まずは試してみようと思って。そしたらニキビも治ったし、生理も楽になりました。今は時期によって止めたり飲んだりしています。あとは、ソフィの『シンクロフィット』。紙ナプキンにプラスして使うんですけど、肌に密着して安心感が増します。そのまま水にも流せて便利です」
ジェンダーに関係なく一つのテーブルについて話し合える社会に
──ちなみに、セクシュアルウェルネスまで話を広げると?
「バイブは『ぜひ試して!』といろんなところから送っていただける、ありがたい状態なんですけども(笑)。番組でいただいてすごいと思ったのは、スウェーデンの『LELO ORA2』というトイです。価格は2万円ほどで少しお高めなんですが、美顔器のような高級感のある見た目で、オーラルセックスが再現できるんです」
──今後、性に関してどのような情報発信をしていく予定でしょうか。
「私がこんなふうに発信し始めたのは、昨年ラジオ番組に呼んでいただいて、周囲の方々が、以前から考えていたことを話してもいいよという道筋をつくってくださったから。だから、私が旗を振ってどうこうというより、まずは男性も女性も一つのテーブルについて話し合いながら、理不尽なことをなくしていけたらと思っています。生理についても、これまで言えなかったことを男性にも知ってほしいし、男性側も男らしくあらねばという鎧を脱いでもらいたい。そうやって心地よい社会にするために、お互いに歩み寄るお手伝いができたらと思っています」
Photo:Melon Styling:Natsuki Taniguchi Text:Miho Matsuda Edit:Naho Sasaki, Mariko Kimbara