アニエスベーがサポートする探査船タラ号をめぐるアート展
東京・青山のアニエスベー ギャラリー ブティックにて、Tara Océan財団協力のもと4組のアーティストが参加する「TARA OCEAN展 - 科学探査船とアーティスト -」が開催中。会期は、2020年8月30日(日)まで。
Tara Océan財団は、2003年にアニエスベーが息子のエティエンヌ・ブルゴワと共同で創設した、フランスで初めての海に特化した公益財団法人。海洋科学探査船タラ号で世界中の科学者や研究所と協力して調査を行い、気候変動や環境破壊が海洋にもたらす影響を研究している。
そのタラ号にはアーティストも乗船。同財団のミッションである、科学探査の結果を多くの人に共有するために、科学者が調査・解明した成果を発信するとともに、アーティストが実際に海上で感じ、体験したことを作品にして発表。
本展では、Nicolas Floc’h(二コラ・フロック)、大小島真木、Elsa Guillaume(エルザ・ギヨーム)、K-NARF&SHOKO(ケーナーフ&ショウコ)の4組がタラ号に関わりながら制作した作品を展示する。
二コラ・フロックは、「タラ号太平洋プロジェクト(2016-2018年)」で撮影した写真作品、および「瀬戸内国際芸術祭2019」で発表された、瀬戸内の海で撮影した作品を中心に展示。17年に世界公募により選出され、グアムから日本を目指してタラ号に乗船した大小島真木は、2カ月半の乗船中に制作したドローイング11点のうち9点を展示。(この経験がのちに発表された、より大胆で大がかりな「鯨の目」シリーズとし結実した。)
環境問題に関連するアートプロジェクトに贈られる「Coal Prize」を15年に受賞したエルザ・ギヨーム。彼女は、翌16年にイースター島〜タヒチ島間で乗船し、のちにタラ号レジデンスアーティストとともに展示される水中マップ『コーラルコスモグラフィー』の基礎となった、海上体験の記録を綴った旅ノートや水彩画を展示。
ケーナーフ&ショウコは、日本における彼らのアートプロジェクト「HATARAKIMONO PROJECT(2019年)」のサイドプロジェクトとして制作した、タラ号に乗船するクルーのポートレートを展示する。
また、アニエスベー(agnès b.)青山店のB1Fでは、「ラ ファミーユ アニエスベー:家族でアニエスベー メンバーシップを楽しむ」プロジェクトの一環として、「タラ号ポスターコンクール」の作品展も開催。今年3〜6月にオンラインで投稿された全作品を公開予定。現代美術家でタラ号のサポーターでもある日比野克彦が優秀賞を選考する。子どもたちにも、地球環境や海洋環境問題へより関心を持ってもらうことを目指した企画だという。
かけがえのない海にいま起きていること、そこから生まれたアートを体感しに、この機会にぜひ訪れてみては?
※掲載情報は7月13日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「TARA OCEAN展 – 科学探査船とアーティスト -」
会期/2020年7月1日(水)〜8月30日(日)
会場/アニエスベー ギャラリー ブティック
住所/東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山 2F
URL/agnesb.co.jp
Text : Akiko Kinoshita