愛情も手間も惜しまず。名品コスメカタログ【part 1】
あらゆるものがデジタル化し、大量生産が当たり前の現代。手間ひまかけたものに宿る贅沢さを見直そうという、新たな時代の価値観が生まれるなか、注目したいのは妥協なき技術と職人技を尽くして生み出されたコスメたち。機械化されないクリエイション、究極の美を追求する匠の技……。そこには科学では解明できない美の神髄が宿る。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年7・8月合併号掲載)
クチュールのようにプレミアムな逸品
まるでオートクチュールを手がけるように、豊かなインスピレーション源と精緻な作業から生まれたコスメは、手にする女性を特別な存在にしてくれるもの。原料や香り、卓越したコンセプトメイキング……美のマスターピースから、かつてない美しさの領域へ踏み出して。
新たに誕生した「ラ コレクション パルティキュリエ」は、クチュールメゾンならではのプレミアムなフレグランス。天然香料を惜しげもなく使って、纏う人の個性を引き出すように調香されたクチュール精神が息づく香水だ。アコール パルティキュリエは、すべてのドレスに似合う黒のジャケットのように、レイヤリングも楽しめる設計。ローズやパチュリの心地よさが肌で優しく香り立つ。
ラグジュアリーを極める、エイジングケアの新たな可能性を追求してきたラ・プレリー。建築家ル・コルビュジエからインスピレーションを得たアイクリームは、まぶたの美しいフォルムと質感に着目。光のサイエンスと先端技術で、一人一人の造形美と透明感を最大限に引き出す技術を開発。独自のキャビアエキスも配合し、ハリと明るさに満ちた肌を叶える。付属のセラミックパールで優しくマッサージするようになじませると、さらなる効果が。
その“一瞬”の美を逃さない。バイオテクノロジーの結晶
自然という神聖なる領域に、植物へのリスペクトをもって先進技術で向き合うバイオテクノロジー。各ブランドの最高峰ラインには、植物への繊細なアプローチが生きている。植物からパワフルな効果効能を引き出した成分で、美を享受できる――幸福な体験を肌で。
漆黒がシンボリックなソワン ノワールは、太古から生き抜いてきた藻の生命力が宿るスキンケア。シリーズ誕生からの主要成分である漆黒色の珪藻、スケルトネマ・コスタツムは、その生命力がピークの瞬間に有効成分を抽出。さらに新成分ブルー・マイクロ・アルゲも配合し、潤いにあふれた美の最高潮を叶えるローションが完成した。
フランス国立保健医学研究所博士との共同研究から、細胞の“リプログラミング”に着目。過酷な環境で生息する高山植物、エーデルワイスの始原細胞の効果を最大化すべく、数カ月にわたり細胞にストレスを与えながら培養。抽出されたパワフルな成分は抗酸化力やコラーゲン生成に優れ、引き締まったハリ感を翌朝に実感できるほど。
ブラン フローラリクシール デュウは、錬金術ともいえる緻密な研究から生まれた独自成分。2つの白い花のエキスがもつ美白力を最大限に引き出すべく、独自のイオン水を開発。誕生したのは、輝きと透明感を肌にもたらすパワフルな効果だ。今あるシミにも未来のシミにも着実に効果を発揮する、頼もしいスポッツ用美白美容液。
五感に響くテクスチャーと香りは、もはや“神業”
日本人は世界でもっとも“テクスチャー”にこだわる人種と言っていい。私たちの欲望を満たすべく、徹底的に“求められているテクスチャー”を研究し、時間と手間をかけて実現したコスメは神レベル。感性に響く新しいスキンケア体験、目を閉じて静かに肌で堪能したい。
肌は身にまとう、最高のオートクチュール。そんなコンセプトが宿るザ・ギンザのスキンケアは、女性に官能を呼び覚ますテクスチャーや香りが秀逸。ボディにも顔にも使えるこちらは、肌にのせるとオイルがジェルのように広がり、セイヨウ菩提樹の香りとともに肌と心に至福のリラクゼーションをもたらす。女性なら一度は必ず試してみたいセンシュアルな体験をお約束。
再生医療のメカニズムに着目した最高峰のアンチエイジングラインは、感性に響くテクスチャーづくりを徹底。感触に深みを出すために乳化は複数回行われ、少量ずつ丹精こめて製品化。肌でとろけていくようなコクのあるクリームは、選ばれし素材や香り、すべてが織りなす芸術のテクスチャー。喜びにあふれた肌は、かつてなく柔らかで弾む極上肌へと昇華。
Cutout Photos : John Chan Edit & Text : Naho Sasaki