usagi bon ごはん recipe.40 白身魚の南蛮漬け
アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「L’Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。
白身魚の南蛮漬け
夏場でもつけ汁に入れておけば冷蔵庫で5日は日持ちをするので刺身で食べきれないときなどにおすすめです!
【材料】4人前
白身魚 1匹 約750g
長ネギ1本
酢 200ml
きび砂糖 25g
醤油 72g
揚げ油 適量
【作り方】
1. 白身魚は食べやすい大きさにカットし、小麦粉を付けて揚げ油でゆっくりと揚げる。
2. 酢、きび砂糖、醤油を混ぜ合わせ、1の白身魚の油を切って温かいうちに唐辛子と一緒に漬ける。
3. 長ネギは青い部分を細切りにして冷水にさらして水気をきる。
4. お皿に2の白身魚を盛り3の長ネギをのせる。
*今回はスティックセニョールと紫玉ねぎを添えました。白身魚はなんでも、鮭や鯵などでも◎。長ネギの白い部分を4cmくらいに切り弱火で焦げ目をつけて焼いたものやパプリカや豆類も一緒に漬け込んでもおいしいです。
夢の渡来物エキゾチックフィーバー
南蛮という単語を聴くとエキゾチックなイメージが付きまとう。
事典で調べると「蛮」とは、元来漢民族により始まる中華思想で、南西方面の異民族に対する呼称となり、粗野であるという意味が込めて用いられている。それは日本にも入り「日本書紀」にも登場する。その後、16世紀にポルトガルとスペインが東南アジア交易圏を日本にまで伸ばし貿易が始まると、中国本来での辺境の未開人に対する蔑称だった「南蛮」はどちらかというと「珍しい物」「渡来物」の意味で使われるようになり、同時に南蛮人は主に南欧系の西洋人を指す語に転じたようだ。
子供の頃から、「今日は南蛮漬けよ!」って母に言われるとなんだかお洒落な気がした。長崎で確立した「しっぽく料理」は南蛮料理からのインスピレーション。オペラ「蝶々夫人」も当時のエキゾチックさが、和洋折衷の恋愛、悲恋舞台として観られる。南蛮漬けの他に、カレー南蛮も今では、日本の日常食。もっとエキゾチックを噛み締めて、さあ南蛮を頂くとしようか。
Art Work & Text: Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction: Shintaro Imahira Edit: Chiho Inoue