茶の湯をテーマにしたトム・サックス個展「ティーセレモニー」@ 東京オペラシティ
日本オリジナルの深遠なる文化体系――茶の湯。その道に魅せられたアーティストが作り上げたのは、現代の日用品による摩訶不思議な茶会(ティーセレモニー)空間だった...! 日本の美術館で初となる個展、そのお点前(てまえ)やいかに。(「ヌメロ・トウキョウ」2019年6月号掲載)
2012年から本格的に茶道を学ぶなか、古き伝統の真なる発展に取り組むべく、日用品や工業用素材で茶道具を自作。500個以上もの“不完全な美”を体現した手製の茶碗をはじめ、電動の茶筅(ちゃせん)や電子式の火鉢などの茶道具、合板の茶室と露地、ボーイング747型機の設備をもとにしたトイレユニット「雪隠(せっちん)」まで、トータルな世界観をつくり上げた。
その堂々たるお披露目の展覧会が、米国3館での巡回を経て、アーティスト念願の日本上陸を果たした。茶道の型や思想を尊重しつつ、独自の解釈で再構築に挑む破格の異才。欧米を頂点とする現代アートの文脈ゲームと、深遠なる茶の宇宙との一服の融合――そのお点前をとくとご堪能あれ。
「トム・サックス ティーセレモニー」
会期/開催中〜2019年6月23日(日)
場所/東京オペラシティ アートギャラリー
住所/東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL/03-5353-0756
URL/www.operacity.jp/ag/
以下3カ所でも連動企画を同時期開催、全4会場を巡るスタンプラリーも実施(詳細は上記サイト参照)。
「Smutshow」
会期/〜5月25日(土)
場所/小山登美夫ギャラリー
「Indoctrination Center」
会期/〜5月14日(火)
場所/KOMAGOME 1-14cas
「トム・サックス ポップアップストア」
会期/〜5月6日(月)
場所/ビームス 原宿
Edit & Text : Keita Fukasawa