UKの実力派フィメール・ラッパー、リトル・シムズ
ジャンルを往来するサウンドと真摯なリリックで、ケンドリック・ラマー、ゴリラズ、アンダーソン・パーク、ローリン・ヒルら錚々たるアーティストたちを魅了する次世代ラッパー、リトル・シムズ(Little Simz)のニューアルバム『GREY Area』が2019年3月1日にリリースされた。
いま、最も影響力のあるミュージシャンの一人であるケンドリック・ラマーをして、“彼女は現行シーンで最もイルなラッパーだ”と言わしめた、リトル・シムズ(Little Simz)ことシンビアツ・アジカウォ。9歳からラップをはじめて以来、ゴリラズやローリン・ヒルのオープニングアクトを務めるなどその実力を認められてきた24歳の彼女が、3作目となる『グレイ・エリア(Grey Area)』を発表。
“白黒で分けられるものはない、分かりやすいストレートなものもない、すべては混乱に満ちている”。20代まっただ中、その葛藤や混乱を包み隠さず等身大に表現した今作では、“グレー”な心情を余すことなくマイクにぶつけている。
また、フルート、ギターやピアノを取り入れたバンドサウンドを軸に、強烈なパンチラインを効かせた「Offence」や「Boss」、ソウルフルで心地よい「Selfish」、サンダーキャットとモノポリーが参加したダークな「Venom」、ジャジーなトラックとコーラスが印象的な「Sherbet Sunset」など、ジャンルを自在に行き来する自由な感性もリトル・シムズの魅力だ。今作を“セラピー”と称する彼女のさらなる飛躍に期待したい。
Text:Minami Mihama Edit:Masumi Sasaki