ベッキー、妹ジェシカと共演! 姉妹の絆、家族の愛を語る
2018年12月3日(月)、デビュー20周年を迎えたベッキー。それを記念して、「ヌメロ・トウキョウ」2017年3月号に妹ジェシカとともに登場した、二人の仲睦まじいビジュアル&インタビューを振り返る。騒動を乗り越え、芸能活動を再開した当時のベッキーが語った胸の内とは?
ベッキーが1歳年下の妹、ジェシカとモードに初挑戦。騒動を振り返るインタビューでは、姉妹で時折涙を見せながら語ってくれた。家族という強い絆で結ばれた二人が、私たちに教えてくれたのは尊敬と愛情に満ちた“無償の愛”について。ともすれば当たり前すぎて忘れがちな真実を、二人が再確認させてくれた。
姉妹が語った、無償の愛について
──二人の子ども時代はどういう感じだったのですか?
ジェシカ(以下J):「両親に『これをやっちゃダメだよ』って言われたことはキッチリと守るのが姉で、私は『熱い』と言われると、実際に触って確認しないと信じないタイプ。危ないというならどれだけ危ないのか試してみたくなる。そういう違いは幼い頃からありましたね」
ベッキー(以下B):「私は物心ついた頃から『怒られない生き方』をしていたんだと思う。家庭内優等生で、反抗期が来た時も勇気がなくて、結局反抗しませんでした(笑)」
──イライラはしていた?
B:「もちろん! 言いたいことはたくさんあったけど、その勇気もなく、波風を立てたくないから我慢して我慢して――。そうしたら、反抗する人(妹)が出てきたからビックリしちゃって。こうやって反抗するんだ! 思春期って、こうして過ごすんだって衝撃でしたね(笑)」
──ベッキーさんは中学3年から仕事を始めたのですよね?
J:「当時、私が中1で反抗期に突入した頃だったんですけど、芸能界に入って一気に大人になっていく姉に初めて差を感じたのを覚えてる」
──お姉さんを見て、私も後に続こうと思いましたか?
J:「その頃はモデル志望で、高校に入ってから少しやったんですが、続かず。でもダンスと出合って私はこっちだなって。それに16、17歳の時に、あるオーディションで話し方と名前と顔でベッキーの妹だとすぐにバレて『ベッキーは二人いらない』って言われたんです。そこですごく納得したの。ホントだな!って。結果、ダンスに打ち込めた。あれは必要なナイスな気づきだったと思う」
──ベッキーさんは今年で芸能活動19年目。ジェシカさんはダンスに目覚め21歳で渡米し、今もLAが拠点。
J:「最近は日本での振り付けの仕事も少しずつ始めていて、年に数回行き来してる感じなんです」
──渡米を決めたきっかけは?
J:「最初は数カ月のつもりが、LAに行ってみたら2週間くらいで「住もう!」と決めて、勝手に家も探し出して――」
B:「わが家は『人生一度きり』というのがテーマなんです。なので、最初は『あれ? ジェシカが帰ってこないな?』って思いましたけど、住むと聞いた時は「じゃ、頑張って!」って。誰も止めなかった。そもそも、わが家はルームメイトというかシェアハウスみたいな生活環境というか。私が仕事を始めたあたりから、各々の人生を楽しもうって変わっていった気がしますね」
──ベッキーさんは仕事とプライベートを両立させながら、どんな10代を過ごしてたのですか?
B:「高校時代もハードスケジュールだったので、あまり遊ぶ時間もなく」
J:「真面目だったよね。すでにプロ意識があったというか」
B:「誰に言われるでもなく、現場では誰も疲れた顔をしていないのを見て「そういうことか」って学ぶというよりもマネしただけなんですけど」
──現場や事務所の人に怒られたことってありますか?
B:「小さい頃から怒られないように生きてきたので――」
J:「先読みして、先読みしてっていう空気の読める子だったんだと思うよ。『こういう自分でいなきゃいけない』じゃないけど」
B:「でも高校生の時に好きな男の子ができて、公園でキスしたんですね。それを番組の放送作家さんに話したら『外で何してるんだ! 意識が低すぎる!』と怒られたことがあって。その時から「玄関を開けたらベッキーなんだ」って――。プロ意識というよりも、自覚したのかな」
──事務所の方からも「大人に頼らない。若い頃からちゃんとして、手のかからない子だった」と聞きました。
B:「プライベートの疲れは仕事に持ち込んじゃいけないって、自分でルールを作っていたんです。なので、たまに夜更かしをしても、元気なふりして怒られないように――。それが=人に迷惑をかけないことだと。
J:常に仕事に対しては一生懸命な人っていうイメージしかないですね。遊んでハジけるみたいなのは私ですかね(笑)。真逆の生き方というか。私から見てもすごくいい子だった」
──私、実は7、8年くらい前に雑誌の取材でベッキーさんにお会いしていて。その時の印象が、元気で背後にキラキラと星が飛んでるような人だなと(笑)。
B:「わかります。ちょっと前のベッキー感ですよね。でもあれも嘘じゃないんです。本当にそういう人だったと思うし」
──悪い意味じゃないんです。冗談で言ったことに真面目に返答してくださり、私が反省したくらいで(笑)。
B:「わかります。昔の私は、お仕事が終わったらすぐ帰宅。休息を取って、いかに翌日の仕事のクオリティを上げるかを最優先していて。そういう冗談のノリとかも意外とわからなくて――。これだけバラエティをやってきて、変な話なんですけど」
J:「2013年からだよね、変わったの」
B:「新しい友人が増えた影響ですね。初対面の人とはあまり遊ばないようにしてたし、遊ぶ=夜ご飯を食べるくらいで。それも1カ月前から約束をして、食べたら解散。それが気軽に『今日どう?』みたいなノリに順応できるようになって、冗談も通じるようになりました(笑)」
J:「私は年に数回帰国して、遊んでもらう立場だから気にならなかったけど、一緒に住んでいたら、たぶんつまらなかったでしょうね(笑)」
B:「お互い基本のリズムが違うしね(笑)。私がたまにLAへ行って一緒に生活すると、妹はせっかちで私はのんびりだから、お互いにイライラしだして、一度はぶつかるっていう」
J:「イラつきますね、マジで(笑)」
──他人はスルーできても、身内は許しがたいっていう(笑)。
B:「ジェシカは白か黒しかないんです。でも私は、その時のテンションで決めたいから『グレーがあってもいいじゃない』っていうタイプで」
J:「時間を無駄にするのが嫌なの。緻密に組み立てた自分のスケジュールを壊されるのがホント無理(笑)」
B:「頑固だよね。今から彼女の旦那になる人がかわいそうでしょうがない(笑)。私もそれが仕事となると、なんでもキッチリやりたい派だけど、オフの時は流れに身を任せたい。そこで柔軟性を持たないと逆に疲れちゃうし」
J:「私、友達にはすごくいいママになるねって言われてるんですけどね」
──昨年は大きな騒動がありましたね。妹であるジェシカさんは、あの状況をどう見ていたのですか?
J:「LAにいて、写真を撮られた時に姉から連絡が来たんです。でも実感がなかったかな。アメリカにいると日本のネットニュースも見ないですし、すごく近い存在だけど遠い世界の話のようで、あまりよくわかってなかった。でも、実際に記事が出て、知り合いからも大丈夫って連絡が来だして、これは大ごとなんだなと」
──それまで恋愛相談とかはお互いによくしてたのですか?
J:「全部してきました。姉って恋愛に対しては可愛いというか乙女なんです。逆に私は若い頃から、恋愛経験が多いほうだったから、すぐにキュンとしちゃう姉を見ると『幼いな』って。『これって良くない?』っていうエピソードも、ちょっとズレてるというか大丈夫かなと(笑)。恋愛に関しては、昔から些細なことでアップダウンして。私に言わせれば、姉は“恋愛レベル1”なの」
──そういうバックボーンがあるなかで、あの報道が出て妹としてはかなり心配だったのでは?
J:「報道後、姉の誕生日があって、きっと人生で一番悲しい誕生日になるだろうと想定はしていたので。家族としては何としても日本にいなきゃと仕事を調整して帰国しましたね」
──どんな話をしたのですか?
J:「『どうしよう』とかでもなく。ただ私としては、姉の抱えた痛みを少しでも緩和できたらと――。やっぱり毎日、朝から晩までつらいのが手に取るようにわかるし。夢の中でいいことがあっても目覚めた瞬間に現実が襲ってくる。日々痛みが和らいでいくのではなく、毎朝、再確認してる感じだったの。それが身内として見ていてすごく苦しかった」
──“見ていた”とは?
J:「毎日、テレビ電話で繋がっていたので。特に会話もなくお互い別のことをしながら、だけどオンタイムで相手の画像は常に見られる状態で」
B:「私から頼んだんです。繋いでおいてって。誰かにいて欲しくて――」
J:「部屋に一緒にいる感じになるんだよね。パッと見ればそこにいて、話したければ声も聞けるし。最初の頃は睡眠もとれず、寝たと思っても5分くらいで起きちゃって、そのたびに「大丈夫だよ」って声かけて」
──家族としては苦しいところですよね。たとえ当然の結果だとしても。
J:「姉をジャッジするのは後でできること――。瀕死の状態みたいなものだったし、家族としては、まずは傷の回復の努力をしなきゃなと。でも、どれだけポジティブなことを言って、一瞬響いたとしても、持って10分みたいなもので…。正直、時間が早く流れてくれないかなって思ってた。1カ月前よりはきっと少しは楽になってるだろうしって。そのためにも『今日をどう生き延びてもらうか』と、延命処置みたいな感じですよね。その一方で、芸能界に残る、残らないといういろんな葛藤に関しては『最悪どこにも居場所がなくなったらアメリカに来て! 私がいるから! ここはベッキーが来ても大丈夫だから。それだけは覚えておいて』って」
──そんな言葉を聞きながら、どう思っていましたか?
B:「ジェシカの言葉はすごく心強かった――。彼女は太陽で、私は月みたいな姉妹なんです。たとえ一瞬だけでも私のことをハッピーにしたくて「大丈夫」って言ってくれてたと思うんですけど、その当時は『大丈夫』って言葉すら痛くて――。でも、ジェシカの「大丈夫」だけは、普段から嘘の一切ない人なので信じられる気がして。本当に彼女が妹でよかったと思った。逆に妹がいなかったらどう乗り越えていたんだろうって」
──家にいた4カ月の間にアメリカに行くことは考えなかった?
B:「私が動くとすべて記事になってしまうので。アメリカに行くことも“旅行”とか“逃げた”と表現されれば、それが事実のようになってしまうし。そもそもバカンスのお休みではないので――」
J:「私は来てほしかった。私の周りは誰もジャッジしないし、アメリカでは『あなたの姉が…』とか言う人もいないから。仮に、一緒に日本で暮らしていたら、捉え方の感覚も違っていたかもしれないですが。それでも姉を守りたかったと思う」
──それが姉妹というものだろうし、家族ですから。
J:「恋愛で落ち込んだ姿は見てきたけど、質も規模も違った。日本全体からジャッジされて責められてる感じでしたし――。ホントにすごいことになっちゃったなって」
──ご両親はどうでした?
J:「『ベッキーがつらいのが一番つらい』って。それは家族全員同じ」
──ずっと実家住まいですよね。
B:「母には『ベッキーがつらいのが、つらかった』って言われました。私が仕事を始めた時は逆に『ベッキーが嬉しいことが嬉しい』って言ってくれてた親なので。記者の方が親を追うことすら止められず、親孝行をする年齢にもなって何やってるんだろうって。もちろん、それだけのことをした自分の未熟さ――。恋愛だけじゃないですよね、レベル1だったのは」
──仕事柄、言えないこともあったり、世に出てしまったことがすべてになる。それを受け止めて生きていくしかない。そういう理不尽さも少なからずありますよね。黙っていたところで、憶測で火種が広がったり。
B:「でも、それも含めて私の未熟さが招いたこと。傷つけてしまった方やご迷惑をおかけした方たちに、本当に申し訳なく思ってます」
──でも、待っていてくださった方たちもいた。
B:「本当にありがたいです。レギュラー番組のスタッフさん、共演者さん、友達、家族、マネージャーさん…『待ってるよ』と言っていただけたから、今の私がいる」
──それはベッキーさんの本質を知っているからですよね。その軸がブレていたら差し伸べてくれる手もなかっただろうし。
B:「こういう騒動の中でも、手を差し伸べてくれる方たちに少しでも恩返しができるように、もう一度ゼロから頑張らせていただきたい。今はそれだけです」
──今回の写真にも表れてますけど、本当に二人とも仲がいいですね。ベッキーさんの変化は、自分の中の優先順位が完全に変わって、地に足が着いたような芯のある佇まいというか。
B:「今までも飾っていたわけではないんですけど、やっぱり完璧を目指していたところはあって――。でも、今回のことで自分のダメなところも痛感した。シンプルになれたかな。ネガティブな部分や毒も多少は出してたけど、もっとありのままでいいんだって、力が抜けた感じがしてます」
J:「何かあったら私は全面サポートするし、今までどおりで最高の姉だから。初心に戻ってゼロからのスタートは大変だろうけど『大変、大変』って進むよりは、楽しんで前向きに進んでほしいと思うよ」
──ベッキーさんに改めて伝えたいことってありますか?
J:「アメリカに行く時に、お金を貯めなきゃと思ったんですけど『その時間がもったいないから、今すぐ行って時間を無駄にせず、やりたいことをやって!』って、援助して送り出してくれたんです。おかげで食事の心配もすることなく、夢に向かって没頭できた。バイトする時間もレッスンに使って『花咲かせて!』っていう姉の想いがあったから、今の私がある。そうやってずっと、現実的にもメンタル的にもサポートしてきてくれた。本当に感謝してます。ありがとね!」
──「家族は選べない」というけど、お互いに積み重ねてきた時間や想いが絆を作り上げていくんですよね。
B:「家族であり、妹でもあり、親友でもあり。お互いにリスペクトできる関係。本当に彼女が妹でいてくれてよかった。どんなに不安な時でも、ジェシカの言葉はすごく確かなものだった。支えてくれてありがとう」
ベッキー&妹ジェシカ、撮影の舞台裏ムービーはこちら
妹や家族、そしてファンからの揺るぎない愛に支えられ、これからも走り続けるベッキー。そんな彼女が「ヌメロ・トウキョウ」2019年1・2月合併号に「Emporio Armani」の2019 Springコレクションを纏って登場! さらに強く大人の女性へと成長した、ベッキーのモードな表情をチェックして。
Photos : Yusuke Miyazaki Hair : Kenichi Makeup : Sada Ito Styling : Yoshiko Kishimoto Fashion Assistant : Fumika Oi Edit & Text : Hisako Yamazaki Interview & Text : Takako Tsuriya