金沢の魅力発信!コミュニティ型ホテル「KUMU 金沢」
旅のステイ先には、その土地の伝統や文化、新しい発見に出合える宿を選びたい。石川県金沢市に誕生した「KUMU 金沢」は、まさにそんな体験ができる新しいホテルだ。
築44年のオフィスビルをリノベーションし、2017年8月にホテルとしてオープンした「KUMU 金沢」。その名前には、金沢の伝統を「汲む」場所という意味が込められている。
天井一面にあしらわれた木組みは、茶室の美学である「不完全さ、簡素さ」を表現したもの。元の建物を活かしながら、職人の手仕事を感じさせるディテールを取り入れ、モダンなだけではない趣のある空間に仕上げている。
お茶の心でおもてなし
チェックインすると、抹茶と地元の和菓子店「茶菓工房たろう」の季節の生菓子でおもてなし。なんと、スタッフの全員がお茶を点てられるのだとか。
地元の金工作家、竹俣勇壱がセレクトした茶釜や茶器が置かれたエントランスのカウンターはティーサロンにもなっており、ビジターでも気軽にお茶を楽しむことができる。抹茶や加賀棒茶に加え、抹茶ビールなどのお酒やおつまみも用意。観光客のみならず、地元の人々の憩いの場にもなっている。
THE TEA SALON KISSA & Co.
営業時間/11:00〜23:00(L.O.22:00)
TEL/076-282-9613
金沢ゆかりのアートが随所に
KUMU 金沢を語る上で外せないのが、館内いたるところに飾られたアートや工芸品。アートを通じて、金沢の魅力を発見して欲しいとの願いが込められている。
ロビーには、KUMUのグラフィックデザインを手がけた田中義久と飯田竜太によるアーティストデュオ「Nerhol」の作品が。
各階のフロアには、金沢にゆかりのあるアーティストを中心に作品をディスプレイ。
立派な塔に見えて、実は洗濯バサミで組み立てられているという驚きの作品を作ったのは、金沢出身のアーティスト高本敦基。洗濯バサミはランドリースペースにも目隠し的に使われている。
一輪のスイセンの花は、鹿の骨や角でアート製作をする彫刻家・橋本雅也が手がけた。金沢の特産品である二俣和紙に書かれた、書家の華雪による「牛」という書は、「十牛図」という禅の思想をモチーフにしたもの。いずれの作品も空間に馴染むように置かれ、見る人の心にそっと語りかけてくるようだ。全部で13点展示しているので、館内を巡りながら鑑賞するのもおすすめ。
また、館内2箇所には共有スペースとしてティーテーブルが備えられており、ここで寛ぐこともできる。他の宿泊客とのコミュニケーションも生まれそうだ。
天井高が特徴のスタイリッシュな客室
客室は、天井高を活かした設計になっている。驚くほど高い天井のおかげで、圧迫感を感じない快適な滞在ができる。畳敷きの和室スタイルの部屋は、最大4名まで利用可能。木のぬくもりが落ち着いた空間を演出。
グループにおすすめなのが、洋室タイプ。2段ベットの部屋や、天井高を活かしたロフトベッドの部屋など、ニーズに合わせて選びたい。
さらに、文化の発信地として、音楽イベントや、ルーフトップでのヨガクラス、ゲストを招いたトークショーなども定期的に行なっている。
金沢の伝統や文化を伝えながら、今のライフスタイルに溶け込むモダンなスタイルに昇華し、土地の魅力に気づかせてくれるKUMU 金沢。滞在先のホテルとしてだけでなく、立ち寄れば新たな出合いや発見が待っているはず。
KUMU 金沢
住所/石川県金沢市上堤町2-40
TEL/076-2829600
URL/www.thesharehotels.com/kumu/