堀内太郎に聞いた“私の90年代カルチャー” | Numero TOKYO
Culture / Feature

堀内太郎に聞いた“私の90年代カルチャー”

現在、各分野で活躍中のクリエイターが影響を受けた、自身のルーツとなった90年代とは?(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2018年3月号掲載)

cinema

『マグノリア』 「当時ロンドンでは月額2,500円ほど払えば映画が見放題のチケットがあり、それを使って好きな映画を何度も繰り返し見ていました。『マグノリア』と『アメリカンビューティー』はその中でも何回も見た作品で、アメリカ映画が放つ独特の憂鬱な雰囲気はとても好きです」 99年公開作。ポール・トーマス・アンダーソンが監督した、LAを舞台にした群像劇。トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジュリアン・ムーアらが出演。

magazines

『Purple』

「ストリート以外のファッションの世界に初めて触れたのはこの頃。美術学校に通っていた時にパープルマガジンを見て知ったヘルムート ラングやラフ シモンズ、コズミックワンダー、メゾン マルジェラなど、写真もホンマタカシやウォルフガング・ティルマンスなどの素晴らしいカメラマンによって手がけられていて、アートとファッションを行き来するものだったように思います」
92年にオリヴィエ・ザームとエレン・フライスが創刊したフランスのインディペンデント・ファッションマガジン。ヴィジュアルのクオリティの高さで注目され、ファッションとカルチャーに大きな影響を与えた。

magazines

『relax』

「当時は10代後半。ロンドンにいながらも雑誌を通して日本のカルチャーを学んでいて、毎月楽しみにしていました。友人に頼まれて、夏休み帰国時にはA PEのTシャツを買ってきたことも。海外で日本のブランドに人気が出てきた時期で、SOHOにあったショップideout(現在は閉店)などで、友人たちとAPEやGOODENOUGHなどをウロウロ探していました」
96年に創刊し、00年代のカルチャーを牽引した『relax』(マガジンハウス)。休刊から10年後にあたる16年には特別復刊した。

OTHERS

ANTWERP FASHION
「90年代、アントワープのファッションは非常に盛り上がっていて、ロンドンの大学の教授もラフやマルジェラに強い関心を持っていたのを記憶しています。まさに90年代にファッションに興味を持ったからこそ、その後アントワープに行くことになり、現在の自分につながったのだと思います。90年代は僕にとっての始まりです」

Edit:Sayaka Ito

Profile

堀内太郎(Taro Horiuchi)
「TARO HORIUCHI」デザイナー

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