唯一無二の存在「ドーバー ストリート マーケット」
vol.2 エイドリアン・ジョフィ社長にインタビュー
デザイナー川久保玲がディレクションし、伝統と大胆さが入り混じるカオスなコンセプトストア「ドーバー ストリート マーケット(Dover Street Market/略称DSM)」。進化し続ける、その魅力をさまざまな角度から徹底検証!(「ヌメロ・トウキョウ」2017年11月号掲載)
魅力をあらためて知る!
ドーバー ストリート マーケット社長のエイドリアン・ジョフィが語る「DSM」とは?
〈左〉コート¥203,000/Roberts I Wood ドレス¥215,500/Cecilie Bahnsen 下にはいたスカート¥92,500/Simone Rocha スニーカー¥18,000/Nike
〈右〉ジャケット¥140,000/Undercover シャツ¥78,000/Simone Rocha スカート¥145,000/Roberts I Wood スニーカー¥18,000/Nike(すべてドーバー ストリート マーケット ギンザ)
──ドーバー ストリート マーケット(以下DSM)を作った理由を教えてください。
「常に新しいことを探しているから、私たちは単に新しいリテールのカタチというものを表現したかったんだ」
──ラグジュアリー、ストリート、アートなど、多様性を表現するその“カオス”に惹かれてDSMに人々がやって来るのだと思いますが、その唯一無二な多様性を大事にすることを通して人々に伝えたいことはなんですか?
「人々がインスパイアを受け、新しい経験ができるような新しいタイプのショップを作りたかった。『誰もが自由で、自分らしくいる』というのがメッセージじゃないかな。世の中はカオスだし、多様性がある。だったらそんなコンセプトを反映させたショップがあってもいいと思うんだ」
──店舗の空間設計で最も重要なことは?
「人を惹きつける魅力があること。目を引きつけたり、退屈じゃないデザインが重要だと思う」
──アジアのマーケットに関してどう思いますか?
「アジアはポテンシャルが高くて、いろいろな可能性がある。新店舗もオープンしたいね」
──将来、DSMをどのようにしていきたいと思っていますか?
「とにかく変化していくこと、成長すること、より良いものにしていくこと」
──DSMを一言で表現するなら?
「“LOVE”」
──あなたにとってファッションとは?
「僕の仕事でもあるし、自分自身を表現する言葉だよ!」
──日本にドーバー ストリート マーケット(DSM)をオープンしてから5年。オープンするときに描いていたドーバー ストリート マーケット ギンザ(DSMG)のあり方と実際のDSMGの今では、どんな違いがありますか?
「とにかくDSMGは素晴らしい。正直、こんなにも早く成功するとは思っていなかったし、とてもハッピーだよ。多くの人がDSMGが好きだと言ってくれるしね」
──日本の店舗はどちらかというと百貨店に近いような見せ方にしたのでしょうか?
「そうかな? 僕はそうは思わないし、僕の知っている百貨店とDSMGは全く違うと思う」
──現在のファッション業界は昔と違って何が最も変わったと思いますか?
「何が最も変わったというよりも、常にファッションは変わり続けているよね。それがファッションなんだと思う
──ピックアップするブランドを決めるときの基準は?
「とにかくいいもの! 例えば、何か新しいヴィジョンを持っていたり、ストーリーがあったり、クリエイティブであることだね」
──新しいデザイナー、ストリートブランド、アーティスト、そういった他では取り上げない人たちをピックアップし続ける。そのスタイルを貫くDSMが今、注目している人物はいますか?
「Marine Serre(マリーン・セル)」
若干25歳のフランス生まれのデザイナーで、今年6月に「LVMHプライズ」を受賞。「バレンシアガ(Balenciaga)」でデザインアシスタントを務めた経歴を持つ。巧みな色使いとパターン、デザイン、ディテールが繊細ながらもダイナミックで、ドーバー ストリート マーケット限定でコレクションを展開する。
Text:Kurumi Fukutsu
Edit:Fumika Oi