東信「今月のフラワー」静なる動の一輪
東信が手がける「Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)」本誌の連載企画「今月のフラワー」。強さやエネルギーを秘めた、花本来の本質的な美しさをアートで表現する。vol.82は、しなやかに伸びゆく静なる動の一輪。
ウツボカズラ
赤道付近の東南アジアを中心として分布する食虫植物。樹木などに絡まりながら成長する。
リキュウソウ
和名を百部。原産は中国。江戸時代享保年間に日本に輸入され、殺虫作用があることから、シラミ除けとして肌着に結びつける習慣もあった。
デンドロキラム(カンザシ)
花茎が細長く垂れ下がる姿が稲穂のように見えるため原産地フィリピンではライスオーキッドとも呼ばれる。香りがよいことも特徴。
東信(あずま・まこと)
1976年福岡県生まれ。2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。また、フラワーアーティストとして国内外で精力的な活動を展開。05年からニューヨーク、パリ、ドイツなど海外を中心に個展を開催。09年、植物の可能性をさらに追求する実験的植物集団「東信、花樹研究所」を立ち上げ、植物をキーワードにさまざまな分野で幅広く活動。東のすべてにおける活動は花・植物のみが有している最も神秘的な形を見つけ、それを美的なレベルに変換し表現することで、植物の価値を高めることに一貫している。
Artwork:Makoto Azuma
Photo:Shunsuke Shiinoki