ミュージックラバー3人が伝授
ツアーTシャツはこう着こなす!
日本を代表するミュージックラバーである平子理沙、エリーローズ、マドモアゼル・ユリアが、これぞという自慢のツアーTシャツを今の気分でセルフスタイリング。どんなTシャツを選び、どんなアイテムと組み合わせるのか、コーディネートは必見。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOYKO)」2017年4月号掲載記事より)
RISA HIRAKO
「女性のなかで日本一ロックTを持っているかも(笑)」
所有するツアーTシャツは100を優に超えるという大のヴィンテージロックTシャツマニア、平子理沙。「自分の中で何度かブームの波があって、16、7年前からかなりよく着ていました。さんざん着たからもういいだろうとお蔵入りにしていたら、最近のヴィンテージブームも相まってまた再燃してしまって(笑)。ロックTの魅力は、ロックが好きだからというのもあるけど、私の場合は洋書や写真集を購入するのと同じ感覚。昔のデザインってイラストはもちろん、フォントや色使いなどすごく手が込んでいてアーティスティック。また、ツアーTシャツには当時の日付が入っていたりして、そこにちょっとしたロマンを感じて。着ていくうちにさらに色が褪せてクタクタになってきますが、その感じも好きなので、どれも大切に着ています。今日みたいにレザーパンツに合わせたり、スキニーデニムと合わせて着ることが多いです。私にとって音楽はなくてはならないものだから、スタイルにも音楽を感じるファッションが好き。好きなアーティストのライブに行くときもツアーTシャツを着ていくほうが何倍もテンションが上がります!」。
Point
ストリートなアメカジにフェミニンさをプラス!
「カレント エリオット(Current/Elliott)」のレザーパンツにLAで購入した「R.H. ヴィンテージ(R.H. Vintage)」のカーズのTシャツ、ネルシャツをウエストに巻いてアクセントを。「オフホワイト(Off-White)」のM65でストリート感を出しつつも、足元は「クリスチャン ルブタン(Christian Louboutin)」のピンヒールで女らしく。
「ヴァン・ヘイレンは私にぴったりのサイズで特にお気に入りの一枚。やっぱりヴィンテージにはレプリカにない味がありますよね」
「友達からのプレゼント。サイズもちょうどいいし、かすれ感も◎。薄めの素材感や着古して穴が空いた感じも好き」
「大好きなマイケルのジャクソンズ時代のもの。当時の人はこれを着て盛り上がっていたと思うと感慨深いです」
「カーズのフォントのかわいさに一目ぼれして購入。ラグランTシャツはあまり見かけないので即決でした」
「迫力満点のマリリン・マンソンのTシャツ」
「大好きなジャスティン・ビーバーのツアーTシャツはLAで購入。大きいのでワンピっぽく着ることも」
Profile
平子理沙(Risa Hirako)
2月14日、東京都生まれ。高校・大学時代を米ロサンゼルスで過ごしたのち帰国。多くの女性ファッション誌のモデルとして活躍する傍ら、ファッションブランド「three unicorns」をプロデュースするなど、さまざまな分野で活躍中。
ELLI-ROSE
「わが家の家宝といえるくらい(笑)、大切なTシャツです」
モデルとして、またDJとして一段とその存在感に磨きがかかるエリーローズ。彼女選んだロックTシャツはローリングストーンズの1989年のツアーのもので、なんとミック・ジャガーご本人の直筆サイン入り!「スタイリストとして活動していた母は、海外アーティストが来日公演をするたびにアテンドすることが多く、たくさんのミュージシャンと交流してきました。ミックとも昔からの仲で、このTシャツはライブの際、母がもらったもの。母からも『大事に扱ってね』と念押しされるほど、わが家のお宝アイテムなんです(笑)」。貴重すぎるTシャツにコーディネートしたのは、デザイナーが友人でもある東京ブランドの「ジョン ローレンス サリバン(John Lawrence Sullivan)」のワイドパンツにエナメルのブーツ。チョーカーは「アンブッシュ(Ambush®)」。
Point
変化球のきれいめスタイル
「ありきたりな着こなしはつまらないから、変化をつけたいと思ってユニークなシルエットが印象的なパンツをチョイス。あえてきれいめに着こなすのが今の気分なんです」。
Profile
エリーローズ(Elli-Rose)
12歳のときに篠山紀信氏の写真集でデビュー。イギリス人の母(スタイリスト)と日本人の父(フォトグラファー)を持つバイリンガル。女性誌でのモデルとしての活動はもちろん、DJとしても国内外のイベントで活躍中。
MADEMOISELLE YULIA
「私以外にプログレ系を着る女子がいたら気になっちゃう!」
DJや自身でファッションブランドを手掛けるなど、マルチに活躍するマドモアゼル・ユリア。彼女がピックアップしたのは、キング・クリムゾンが一昨年東京のオーチャードホールで行った際のツアーTシャツ。「ダークな中にもポップさが感じられるデザインなので『グッチ(Gucci)』のハートモチーフのヒールとも合うかなと。スペインの友達が手掛けるブランドのフレアスカートと私のブランド『グローイングペインズ(Growing Pains)』のライダースを合わせ、ダークロマンティックなスタイリングに仕上げました。差し色として、バッグや靴のハートマークの赤をアクセントにしています」
Point
他の人とかぶらないセレクトを!
ツアーTシャツ選びのポイントは、他の人とかぶらないことという。「プログレ系のバンドのTシャツやCDジャケットって、イラストがカッコイイものが多いんです。インテリジェンスも感じられるし。ヴィンテージものでも、ライブ会場の物販でも、気に入ったものは迷わず買います」
「マッドネスは友達から買ったもの。アルバムのジャケットが落とし込まれたデザインで、幅広い着こなしができる。タイトなロングスカートなどと合わせることが多いですね」
「AC/DCは貴重な日本公演の記念に妹が買ってくれました」
「ディセンデンツはLAのヴィンテージショップで。デニムなどで王道スタイルを楽しみます」
Profile
Mademoiselle Yulia(マドモアゼル・ユリア)
10代からDJを始める。ジャンルにとらわれないオリジナルな選曲やパフォーマンス、ファッションセンスにより活動の幅はDJ、シンガー、デザイナー、モデル、コラム執筆、アワードの審査員など多岐にわたる。
Photos:Takashi Yoshida, Koki Hayashi(Cut Out)
Hair & Make:George(P.1), Kie Kiyohara(P.2)
Interview & Text:Mari Higure(P.1), Etsuko Soeda(P.2)