21世紀少女 vol.3ハードボイルドな砂糖菓子作家超越KUNIKA | Numero TOKYO - Part 3
Culture / Post

21世紀少女 vol.3
ハードボイルドな砂糖菓子作家超越
KUNIKA

フォトグラファー田口まき&小誌エディトリアルディレクター軍地彩弓がお送りする「21世紀少女」。クリエイターやアーティストなど、21世紀的な感覚を持つ新世代女子を一人ずつ紹介する新連載。vol.3のゲストは、スイーツアーティストのKUNIKA。彼女の作品に囲まれた“KUNIKAワールド”で行われた撮影・取材では、終始、彼女の真面目さと謙虚さ、それに表現に対する熱さが伝わってきた。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2015年5月号掲載)

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KUNIKAの年表 2001年 12歳 職業体験でお菓子屋さんに。ケーキに興味を持つ。 2007年 18歳 製菓の専門学校へ入学。お菓子作りの基礎を学ぶ。 2009年 20歳 マンダリンオリエンタル東京で修業を積む。 2011年 22歳 古着店「Grimoire」で働きつつ自分の世界観を追求。 2013年 24歳 スイーツアーティストとして独立。 KUNIKAへの5つの質問 ──今の日本をどう思いますか?(政治・経済・文化など総合的な意味で) 「新しいことにどんどん挑戦できる環境になってきていると思います。私よりも若い人たち、学生とかでも、今は表現できる場がたくさんありますよね。SNSで発信したり。私もそれを意識して、この1年はSNS上でどんどん作品や情報を公開するようにしていたら、海外の方々からも反応があって、FacebookやInstagramにコメントをしてくださったり。すごい時代ですよね。私もまだ25歳なので、昔の日本がどうとかは言えないですが、そこは違ってきていますよね」 ──尊敬している人や憧れの人は誰ですか? 「蜷川実花さんです。生き方もすごいし、本の言葉にもすごく感銘を受けて“私も格好よく生きたい!”と強く思うようになりました。蜷川さんの生き方や作品を拝見すると“私ももっと表現していいんだ”と思うんです。これだけの世界観をつくり上げられて、写真だけでなく映像も洋服も作って、海外にもたくさん行ってインスピレーションを受けて、お子さんもいて…。すごく格好いい生き方ですよね。私も蜷川実花さんのような女性になりたいです」 ──今後の目標、挑戦したいことは何ですか? 「まだスイーツアーティストとして活動し始めて1年ほどですが、いろんなチャンスを頂いているので、地道に積み上げていきたいです。今こんなに自由に好きな仕事をさせていただいていること自体、私にとっては奇跡なんです。もっと違うジャンルにも挑戦したいし、私の中の可能性を探っていきたい。求められたことにしっかり応えられるアーティストになりたい。それに自分で納得がいったら、自分の世界観を表現できるお店をやりたいなと思っています」 ──今一番興味があること、今一番怖いと思うことは、何ですか? 「興味があることは、海外で仕事をしてみたいです。海外の人がどんな反応をするのか見てみたい。ヨーロッパ各国かな。あとはモルディブみたいな島。自然からインスピレーションを受けているので。怖いことは、自分の発想が止まること。ちゃんとベースがあって薄っぺらくない、意味のある作品を作っていきたい。でも常に新しいことをしていたいので。一度、この作風を全部壊したいと思ったことがあって、そのとき初めて怖いと思いました」 ──10年後の日本はどうなっていると思いますか? 「10年前って、iPhoneもないですよね…? そう考えると、人が空を飛んでるんじゃないかと思っちゃいます(笑)。“人が想像し得ることは全て現実になる”という言葉がすごく好きで、私も作品を作るときに、逆の意味で“想像できたんだから全部現実にしよう”と思っているのですが、学者さんとかだともっと規模の大きな世界ですよね。海の深くまで行って生活ができるとか。10年後どうなってるのか、今からすごくワクワクします!」

Photo:Maki Taguchi
Director:Sayumi Gunji
Text:Rie Hayashi

Profile

KUNIKA(クニカ) マンダリンオリエンタル東京でパティシエとして修業したのち、スイーツアーティストとして独立、多方面にわたり活動中。自身の感性を通してスイーツをアートに落とし込み、新たなジャンルを広げている。

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