甘いものが苦手な人にも、酒席の手土産にも。いま注目したいのは、素材の旨味や香り、スパイスの風味を生かした「甘くないクッキー缶」。山椒や味噌、チーズ、魚介など、日本ならではの素材を取り入れたものから、ワインや日本酒とのペアリングを楽しめるものまで、その味わいは実に多彩。ひと口ごとに新しい発見がある、大人のための逸品を選びたい。オンラインでお取り寄せもできる、個性豊かな8つのクッキー缶をセレクト。
御菓子丸|山椒、舞茸、玉ねぎ。素材の旨みを味わう

京都を拠点に、和菓子の枠にとらわれない菓子を生み出す「御菓子丸」。飛行機の窓から見下ろす日本の田園風景をイメージした「空の窓」は、雲のような緩衝材の下に、アースカラーの焼き菓子が整然と並ぶ。バターを使用せず米粉と太白胡麻油の軽やかな生地に、山椒、舞茸、玉ねぎ、味噌柚子胡椒、カシューナッツチーズなどを練り込み、甘さだけではない奥行きのある味わいに仕上げている。ひと口ごとに素材の香りや旨みが広がり、ひとつずつ異なる風味を味わうのも楽しい。旅の途中で目にした景色まで思い起こさせるような、記憶に残る味わいだ。
ラトリエ ド ナチュール|濃厚なチーズに、七味の刺激をひとさじ

ワインエキスパートやチーズプロフェッショナルの資格を持つ小笠原由貴さんが、上質な素材をシンプルな配合で焼き上げた「和のクッキー缶」。なかでも注目したいのが、パルミジャーノ・レッジャーノをたっぷり練り込んだ「チーズ七味」。濃厚なチーズの旨味と香ばしさに、七味唐辛子の辛味と香りが重なり後を引く味わいに。和三盆のやさしい甘み、黒ごまカカオの香ばしさとほろ苦さも加わり、ひと缶で異なる表情を楽しめる。甘くない焼き菓子の奥深さを、あらためて感じさせてくれる。ワインとチーズの魅力を知る作り手だからこそ生まれた逸品。
住所/東京都武蔵野市桜堤2-6-19 hocco 01S
URL/https://latelierdenature.com/
Laboratoire L’aube SHOKO HIRASE|金沢の食文化を映した、9種の味わい

フランスの名店で研鑽を積み、ミシュラン一つ星「Restaurant L’aube」でデセールを手がけ、2020年にはゴ・エ・ミヨのベストパティシエ賞を受賞した平瀬祥子さんがつくる、金沢の食文化を映したクッキー缶。魚の形が愛らしい「のどぐろ」と「いしる」は、噛むほどに魚介の旨味が広がる。金沢味噌や酒粕、ポルチーニ、棒茶、黒オリーブ、チーズ、柚子などを使った9種が揃い、ひと口ごとに味わいが変わる。日本酒なら魚介系、ワインならチーズやオリーブ系と合わせるのもおすすめ。酒席の手土産や、甘いものが苦手な人への贈り物にも選びたい。
住所/石川県金沢市香林坊1-1-1 B1F
TEL/076-220-1156
Instagram/@patisserie_laube
オークラ東京|山椒メレンゲを添えた、6種の塩味

日本を代表するホテルのひとつ「オークラ東京」が手がける「塩味サブレ 露地」。厳選した素材を使い、香ばしく焼き上げた6種類の塩味サブレに、清々しい香りが広がる山椒メレンゲを加えている。スパイシーなカレー味や、飴色になるまで炒めた玉ねぎとエダムチーズを合わせたもの、トマトとバジルの生地にアンチョビを隠し味にしたものなど、旨味を重ねた味わいが揃う。サクッと軽やかな食感のあとに素材の風味が広がり、甘い菓子とはひと味違う奥行きを感じさせる。ビールやワインにも合わせたい、老舗ホテルならではの洗練がただようギフトだ。
住所/東京都港区虎ノ門2-10-4 オーキッド スイーツ&デリ(シェフズガーデン)
TEL/03-3582-0111
URL/https://theokuratokyo.jp/ja/dining/sweets-deli/
COFFRET et COFFRET TOKYO|極薄に焼き上げた、長ねぎと胡椒

東京・高田に店を構え、素材の持ち味を生かした菓子を丁寧に作る「COFFRET et COFFRET TOKYO」。フランス語でねぎを意味する「ポワロー」と、胡椒を意味する「ポワヴル」の2種を詰め合わせた塩味サブレ。ポワローのやさしい甘みと香ばしさを感じ、胡椒のキレを効かせ、極薄く焼き上げパリっと軽快にほどけるような食感が後を引く味わいだ。ワインやシャンパーニュと合わせれば、食前にアペリティフとして楽しめる。毎月数量限定で販売される人気商品で、カートオープンすぐに売り切れ入手が難しいことでも知られているので早めにご予約を。
住所/東京都豊島区高田3-10-19 白井ビル101
TEL/03-6273-8868
URL/https://coffrettokyo.base.shop/
EMMÉ|ワインに寄り添う、舞茸カカオと黒コショウ

塩味の菓子を、ワインとともに楽しむ。そんな新しいペアリングを提案するのが、青山のビストロ「EMMÉ」の「Salé」だ。チーズやハーブ、スパイスなどを組み合わせたサブレは、ひとつずつ異なる香りと風味を備え、口にするたび新鮮な表情を見せる。舞茸カカオは自家製舞茸パウダーを加え、カカオのほろ苦さの中に舞茸の旨味を感じる味わい。愛らしいチーズ形の「サブレフロマージュポワブル」は、ピリリとした黒コショウがアクセント。ワインはもちろん、ビールや食前酒にも好相性。グラスを傾けながら少しずつ味わいたい、大人の時間に寄り添うひと缶だ。
住所/東京都渋谷区渋谷2-3-19 ローゼ青山1F
TEL/03-6452-6167
URL/https://gift.emme-wine.com/
Maison KEI|発酵バターと塩気が引き立てる、厚焼きサブレ

静岡・御殿場の「Maison KEI」は、パリで活躍する小林圭シェフと、和菓子の老舗「とらや」が手を携えて生まれた。フランス菓子の伝統を軸に仕立てた「ビスキュイ ブルトン」は、ブルターニュ地方に伝わる厚焼きサブレを想起したもの。発酵バターの豊かな香りに、カソナードのコクのある甘味と、キリッとした塩気が重なり、ほろりと崩れる食感から濃厚な風味が広がる。シンプルなレシピだからこそ、素材の持ち味と確かな技術が際立つ。紅茶やコーヒーにはもちろん、食後のひとときに味わうのもおすすめ。
住所/静岡県御殿場市東山527-1
TEL/0550-81-2231
URL/https://www.maisonkei.jp/maisonkei/
いったつみとらどう|和の食材を重ねた、料理仕立てのクッキー

神楽坂の日本料理の名店「神楽坂石かわ」から生まれたお取り寄せブランド「いったつみとらどう」。日本料理の技法や素材の組み合わせを菓子にも取り入れ、「神楽坂 石かわのクッキー」にも、味噌、山椒、胡麻、海老、蟹など、ひと筋縄ではいかない素材が並ぶ。白胡麻と白味噌のパイや蟹チーズ、わさびメレンゲ、青さと梅昆布のクッキーなど、ひと口ごとに異なる味わいが現れるのが楽しい。甘みの中に塩気や旨味、香りが重なり、まるで料理を味わうような余韻に。お酒とともに楽しみたい、日本料理店ならではの「和」のクッキーだ。
住所/東京都大田区羽田空港3-3-2 羽田空港第1ターミナル 2F マーケットプレイス「HANEDA STAR & LUXE」内
TEL/050-3138-3106
URL/https://ittatsumitorado.jp/
Photos: Wataru Hoshi Coordination & Text: Minako Shimoi Edit: Naomi Sakai
