【祝・カンヌ女優賞受賞】岡本多緒にインタビュー。「原作の“魂の邂逅”を表現しようと思った」 | Numero TOKYO
Interview / Post

日本人初! カンヌ女優賞を受賞した岡本多緒に佐久間裕美子がインタビュー。「原作にあった“魂の邂逅”を表現しようと思いました」

日本人で初めてカンヌ国際映画祭の女優賞に輝いた岡本多緒に、文筆家の佐久間裕美子が本誌連載『女性表現者たちの闘い』でインタビュー。2026年5月28日発売予定の『ヌメロ・トウキョウ(Numéro TOKYO)2026年7・8月合併号)』に掲載となる。受賞を記念して、その一部を先行公開。

佐久間裕美子(以下、佐久間):「『急に具合が悪くなる』との出合いを教えてください」

岡本多緒(以下、岡本):「濱口竜介監督の新作の話をいただき、脚本をもらって読みました。主人公が考えていることが自分に近く、この役は巡ってきたものなのかもしれない、という感覚がありました。濱口監督はどこか遠い存在だと思っていたけれど、会ってお話をして盛り上がり、その後、フランス語の台詞の練習した末に、出演が決まりました」

佐久間 :「私もがんを経験したことがあり、作中、泣きっ放しでした。末期がんの患者を演じるのはどういう体験でした?」

岡本:「がんセンターに取材にも行ったりしたんですが、私の演じた役(真理)のモデルである、原作者の宮野さんに実際にお話しをきくことは残念ながら叶わない。その気持ちを想像することしかできないという難しさはあったけれど、原作の魂は、彼女ががん患者である、という点ではなく、二人の女性が急激に引き寄せ合う『魂の邂逅』にあって、それを表現しようと思いました」

佐久間 :「命が終わる日までは生きている、という当たり前のことが描かれているけれど、がんが恐ろしすぎて、がんとともに生きる人を腫れ物のように扱ってしまうこともあると思うんです」

岡本:「実際の介護現場の理想と現実、構造やお金の問題なども現実的に描かれているから、自分や家族が直面した時を想像しながら、多くの人に観てほしい」

『急に具合が悪くなる』

フランス・パリ郊外の介護施設「自由の庭」で施設長を務めるマリー=ルー·フォンテーヌ(ヴィルジニー·エフィラ)は、入居者を人間らしくケアすることを理想としながらも、人手不足やスタッフとの価値観の違いに悩まされていた。あるとき、日本人の舞台演出家·森崎真理(岡本多緒)と出会い、彼女の演劇に心を動かされたことをきっかけに交流を始める。ところが、がん闘病中の真理はあるとき急に具合が悪くなって……。第79回カンヌ国際映画祭にて、ヴィルジニー・エフィラと岡本多緒が女優賞を受賞した。

監督/濱口竜介
出演/ヴィルジニー·エフィラ、岡本多緒、長塚京三、黒崎煌代
原作/宮野真生子、磯野真穂/著『急に具合が悪くなる』(晶文社)
6月19日(金)全国ロードショー
© 2026 Cinéfrance Studios – Arte France Cinéma – Office Shirous – Bitters End – Heimatfilm – Tarantula – Gapbusters – Same Player – Soudain JPN Partners
URL/www.bitters.co.jp/soudain

岡本多緒へのインタビューの続きは、2026年5月28日発売予定の『ヌメロ・トウキョウ(Numéro TOKYO)2026年7・8月合併号)』の佐久間裕美子の連載「女性表現者たちの闘い」に掲載。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

アイナ・ジ・エンドが表紙の「通常版」のご予約はこちら

永瀬廉が表紙の「特装版」のご予約はこちら

 

 

Interview & Text:Yumiko Sakuma Edit : Michie Mito

Profile

岡本多緒 Tao Okamoto トップモデルとして活躍したのち、2013年に『ウルヴァリン:SAMURAI』で映画デビュー。23年に日本に拠点を移して以来、監督業も。
佐久間裕美子 Yumiko Sakuma 夏に刊行予定のMy Little New York Times第2弾と、ニューヨークについてのルポを執筆中。Substackでニューヨーク日記を配信する
 

Magazine

June 2026 N°197

2026.4.28 発売

Color for Color

色いろの愉しみ

オンライン書店で購入する