知れば知るほど楽しい! 教養として覚えておきたい超有名ワイン9選
知っておきたいワインとは
こんにちは、ワインブロガーのヒマワインです。
さて、この記事にたどりついたということは、みなさんはワインに興味があるか、これからワインについて知りたいと思っているのではないでしょうか。
生産国や品種による味わいの違いなど、ワインについて知るべきことは実に多くあり、知れば知るほど楽しくなりますが、知っておいて損がないのが「超有名ワイン」の数々です。
私もほんの5年前まで、ワインといえばドンペリ(正式にはドン・ペリニヨン)とモエ・シャンドン(正式にはモエ・エ・シャンドン)、赤玉ポートワインくらいしか知りませんでした。それからワインを知るにつれ、絶対に避けて通れない有名ワインがいくつかあることに気がつきました。
それらの名前を知っておくと、「いつか飲みたい!」という憧れが生まれ、それが日々のワイン活動のモチベーションとなりますし、ワイン好きの方々との会話にも頻出するので「なに話してるのかさっぱりわかんない」という状態を回避することもできます。
というわけで、本記事では教養として知っておきたい超有名ワインを9種に絞ってご紹介したいと思います。いわばワインの世界の有名人、セレブ的存在のワインたちだけに価格も総じてお高めですが、話のタネに“雲上ワイン”の世界を覗いてみましょう!
【index】
1. Dom Pérignon|ドン・ペリニヨン
2. KRUG|クリュッグ
3. Romanée-conti|ロマネ・コンティ
4. Leflaive Chevalier Montrachet|ドメーヌ・ルフレーヴ シュヴァリエ・モンラッシェ
5. 五大シャトー
6. Château Petrus|シャトー・ペトリュス
7. Chateau D’Yquem|シャトー・ディケム
8. Opus One|オーパス・ワン
9. Screaming Eagle|スクリーミング・イーグル
1. Dom Pérignon|ドン・ペリニヨン
まずはドン・ペリニヨンから。ワインのことは知らなくても、「ドンペリ」の名前は知っているという人がほとんどではないでしょうか。なんとなく“夜の世界”のイメージがあるかもしれませんが、ワイン界隈でめちゃくちゃリスペクトされる、シャンパンの代名詞とも言えるワインです。
ドン・ペリニヨンはもともととある修道院でワイン造りを担っていた修道士の名前。発酵中のワインを瓶詰めしたところ、偶然発泡性のワイン=シャンパンが生まれたという伝説が残っています。「私は今、星を飲んでいる!」と言ったとか言わないとか。
現代のドン・ペリニヨンは作柄の良い年にしか造られない「ヴィンテージ・シャンパーニュ」と呼ばれるシャンパンで、長期熟成を経て味わいがより良くなることもで知られています。造っているのは修道士……ではなく、これまた超有名なモエ・エ・シャンドン社です。
一度は飲みたいシャンパンですが、年々価格が高騰しており、現在はスタンダードな「ドン・ペリニヨン」でも3万円前後の値札が付けられている場合が多い高級ワイン。ただ、恐ろしいことに今回ご紹介するワインのなかでは、ドン・ペリニヨンが最安値です。
2. KRUG|クリュッグ
本当はシャンパンの名前を挙げるだけで「有名ワイン10選」が埋まってしまうレベルなのですが、涙をこらえてもうひとつだけ紹介するならば、それはクリュッグで異論は少ないのではないでしょうか。
世界中に熱狂的なファン「クリュギスト」を持つことでも知られるシャンパンメゾン・クリュッグ。ココ・シャネル、エリザベス女王、アーネスト・ヘミングウェイなどがその愛好家として知られています。
シャネルの香水といえばの「NO.5」はクリュッグが持つ香りをイメージしている……という噂もあるほど。他のシャンパンとは一線を画すリッチな味わいは、ぜひ味わっておきたいものです。
もっとも入手しやすいのは「クリュッグ グランド・キュヴェ」で、市場価格は4万円前後といったところでしょうか。
3. Romanée-conti|ロマネ・コンティ
続いて、シャンパーニュ地方から少し南下したフランス・ブルゴーニュ地方から、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの「ロマネ・コンティ」をご紹介します。世界で一番高いワイン、なんて言われるワインですね。
いま、さくっとGoogleのショッピング検索をしてみたところ、1512万円という価格が出てきました。打ち間違いではありません。1512万円です。住宅価格ではなく、1本のワインの価格です。
ロマネ・コンティは畑の名前で、その広さはわずか1.8ヘクタール。そのため、年間6000本程度しか生産されないと言われます。それを世界中の愛好家が奪い合うため、価格がひたすら高騰し続けるわけですね。
ちなみに私ももちろん飲んだことはなく、死ぬまでに一度飲みたいものだなあと思い続けているワイン。ちなみに、ブルゴーニュ地方を代表する品種、ピノ・ノワールを使った赤ワインです。
4. Leflaive Chevalier Montrachet|ドメーヌ・ルフレーヴ シュヴァリエ・モンラッシェ
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティが赤の最高峰ならば、白ワインの最高峰と言って過言でないのがドメーヌ・ルフレーヴ。
本拠地はブルゴーニュ地方のなかでも白ワインの名産地として名高いピュリニー・モンラッシェ村で、造り手を代表するワインがグラン・クリュ(特級畑)の「シュヴァリエ・モンラッシェ」という畑から採れたぶどうで造るこの1本です。
その価格は数十万円と超高額ですが、ワインを飲む者なら一度は味わいたいと誰もが願ううちの1本のひとつですね(もちろん私は飲んだことがありません)。
ビオディナミ農法という自然農法を取り入れ、自然酵母のみを用いた“ナチュラルワイン”でもあります。
5. 五大シャトー
フランスの有名生産地、ボルドーには独自の格付けがありますが、中でも有名なのが1級から5級までに分類されるメドック格付けと呼ばれるもの。その1級に分類される5つのシャトー(生産者)を「五大シャトー」と言います。
シャトー・ラフィット、シャトー・ラトゥール、シャトー・マルゴー、シャトー・オー・ブリオン、シャトー・ムートンがその内訳。
「ワインスクールの椅子に座ったら、この5つの名前を覚えるまでは帰らせてもらえない(ほど知っておきたい)」と私の友人のソムリエが言っていましたが、それくらい“定番中の定番”と言える銘柄です。
価格は10万円前後。ギリギリ手が届かないこともないような気がしなくもないので、一生に一度レベルの節目に気合を入れて飲みたいワインです。
6. Château Petrus|シャトー・ペトリュス
五大シャトーが格付け一級ならば、その筆頭と呼ばれるシャトー・ラフィットが最高級なのかといえばそうではないのがボルドーワインの奥深さで、ボルドーで最高値といえば、シャトー・ペトリュスの名前が挙がります。
格付け一級よりも高値にも関わらず、ペトリュスは何の格付けも持ちません。ただただその品質の高さで評価を高め、全世界の愛好家垂涎のワインにまでなったのがペトリュスのすごいところ。著名評論家の激賞によって人気に火がついたこともあって、“シンデレラワイン”という呼ばれ方もしています。
使われているのは「メルロー」という品種で、ペトリュスを評して「世界最高のメルロー」とも呼ばれます。価格は100万円はしないかな、くらい。高級ワインを立て続けに紹介しているだけで金銭感覚が麻痺してきますね。
7. Chateau D’Yquem|シャトー・ディケム
こちらはボルドー地方の甘口ワインで有名なソーテルヌ村の「特別1級」に分類されているワイン。なにを隠そうソーテルヌの「特別1級」に認定されているのはこのシャトー・ディケムただひとつだけ。どれだけ特別かがわかるというものです。
シャトー・ディケムは甘口ワインの世界最高峰とも言われています。それだけに品質管理は徹底されており20世紀を通じて9回求める品質に達してないとして生産されなかった年があるほど。
グッドヴィンテージ(優良年)のワインは100年以上の時を経ても輝きを失わないとされる、宝石のようなワイン。その分、60,000円前後とお高めです。(やや買いやすいハーフサイズも存在します)
8. Opus One|オーパス・ワン
おそらくもっとも有名なアメリカワイン、それがこのオーパス・ワンではないでしょうか。ボルドーの五大シャトーの一角、シャトー・ムートンを所有するロスチャイルド男爵と、カリフォルニアワイン界の大物ロバート・モンダヴィがタッグを組んで世に送り出したワインで、印象的なラベルはこの二人の横顔がモチーフとなっています。
その味わいは、果実味たっぷりで飲みやすいカリフォルニアワインと、エレガントで複雑さに富んだボルドーワインの“いいとこどり”といった印象。私はなぜか「オーパス・ワン運」がいいのですが、いつ、どのヴィンテージを飲んでも抜群においしく、品質の安定度は傑出していると感じます。
ワインバーやビストロなどに、よく空き瓶が飾ってあることからも、人気のほどが窺えます。超人気ワインだけに、意外とグラスワインで飲めるチャンスが多いのがオーパス・ワン。ちょびっとの量で数千円してしまいますが、機会があればぜひ一度味わってみてほしいワインです。
9. Screaming Eagle|スクリーミング・イーグル
カリフォルニアには「カルトワイン」と呼ばれる、希少に入手困難なワインがあり、愛好家垂涎の的となっているのですが、その筆頭ともいえるのがこのスクリーミング・イーグルです。
生産本数は年間6000本ほどと、図らずも先に挙げたロマネ・コンティとほぼ同じ。それだけに需要と供給のバランスはまったくとれておらず、2000年にオークションでマグナムボトルが1本50万ドルというとんでもない価格がついたことでも知られます。
スクリーミング・イーグルを手に入れるためには、公式サイトから「ウェイティングリスト」に登録する必要があります。とはいえ、実際に購入できるようになるのが何年後になるかは誰にもわかりません(公式サイトに『何年後になるかわからない』と書かれているんです)。
存在自体が神秘的。そんなワインです。
以上、「教養として知っておきたいワイン」をご紹介しました。「なんであのワインが入ってないんだ!」というお叱りの声が各方面から聞こえてきそうですが、本当に書き出したらキリがないのが有名ワインの世界でもあります。
これらのワインは、ワイン好きなら人生で一度は飲んでおきたいワインばかりではありますが、ワインは1000円台、2000円台でもおいしいものがあるのもまた事実。「ワインってこんなに高いの!?」と身構えず、手頃な価格のものから楽しんでもらえれば幸いです。
そしていつの日か来るかもしれない、これらのワインを飲む日に備えようではありませんか!
Photos&Text:Hima_Wine
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