北海道・富良野の夏を遊ぶデジタルデトックスの旅 | Numero TOKYO
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北海道・富良野の夏を遊ぶデジタルデトックスの旅


まさに夏真っ盛りの北海道・富良野の地を、6月下旬、ひと足お先に訪問。2023年12月にオープンした「NOZO HOTEL(ノゾホテル)」を拠点に、美しい絶景と夏の富良野ならではの自然を体感するアクティビティをご紹介します。

定番だけどやっぱり感動の富良野・美瑛 絶景スポット

富良野といえば、真っ先に思い浮かべるのが、個人的には、倉本聰の感動ドラマシリーズ『北の国から』の故郷であり、純くん、螢ちゃんを育てた雄大な自然。旭川空港から富良野まで、絶景スポットをめぐりながらのドライブから旅は始まりました。

まず立ち寄ったのは、白金青い池。太陽の光と水中のコロイド粒子の衝突により散乱された光によってエメラルドグリーンのようなブルーに見える池と、枯れて白くなったカラマツとのコントラストが神秘的で、現実とは思えぬ不思議な光景。生憎の曇り空でしたが、それがかえって幻想的な雰囲気でした。

すぐ近くの、ブルーリバーと呼ばれる美瑛川とそこに落ちる落差30メートル、幅40メートルの白ひげの滝とセットで訪れたい観光スポットです。

続いて、カラフルな花のストライプパッチワークが広がる丘として有名な、四季彩の丘へ。少し時期が早かったせいか、あの満開の一面の花畑とはいきませんでしたが、奥にも連なる畑の緑のパッチワークも絵本の世界のようで可愛いパノラマは圧巻。きっと今頃はカラフルなストライプ絨毯が楽しめるはず。

6月下旬から8月中旬まで品種の違うラベンダーが入れ替わり見頃を迎える。
6月下旬から8月中旬まで品種の違うラベンダーが入れ替わり見頃を迎える。

さらに、夏の富良野の代名詞でもあるラベンダー畑を見に、国内最大級規模を誇る「ファーム富田」へ。15万ヘクタールもの敷地に、約9万株ものラベンダーが植えられ、辺り一帯がラベンダーの香りに包まれ、鎮静作用があるとされるだけになんだか心安らぎます。元々香りの原料として栽培がスタートした富良野のラベンダーですが、70年代以降は、農業としては衰退の一途を辿るものの、当時の国鉄のカレンダーに広大なラベンダー畑の景色が掲載されたのを機に、観光資源として広く知れ渡り、今に至るのだそうです。

旅先と道の駅では、ご当地ソフトクリームを食べることにしてますが、ファーム富田では、ラベンダーとメロンのミックスをチョイス。
旅先と道の駅では、ご当地ソフトクリームを食べることにしてますが、ファーム富田では、ラベンダーとメロンのミックスをチョイス。

と、美瑛・富良野観光の定番コースは押さえつつも、旅のメインの目的は、ホテルを拠点に、自然に癒されるべくデジタルデトックス。

アクティブにサイクリングで、雄大のパノラマを間近に体感

今回のステイ先は、富良野初のインターナショナルホテルとして2023年12月に誕生したばかりの「ノゾホテル」。東に十勝岳連峰、西には夕張山地をのぞみ、富良野盆地を見下ろす自然豊かな北の峰エリアの麓に位置し、ホテルから歩いてすぐ富良野スキー場という好立地。世界屈指の良質なパウダースノーに包まれる冬はもちろんですが、夏の壮大なランドスケープを体感するアクティビティも盛りだくさんです。

日本語が堪能なガイド、「サイクルジャパン」のエバンス・ギャレスさん。
日本語が堪能なガイド、「サイクルジャパン」のエバンス・ギャレスさん。

車の免許のない私にとって、旅先での移動手段として自転車を活用していますが、マウンテンバイクタイプのeバイクでのサイクリングは最高でした。

電動アシストのおかげでアップダウンのある丘陵を楽々越えながら、美しいパッチワークの田園風景、ぶどう園を走り抜け、途中、近隣にあるファームに立ち寄ったり、午前中の気持ちいい空気の中、爽快感と解放感に満たされます。他にも、ラフティング、カヌーのツアー、十勝岳や富良野岳などのハイキングなども希望に合わせて、ホテルでアレンジしてくれます。

ヤギと作る!? サステナブルなワイナリー「ドメーヌ・レゾン」見学


遠くに放牧されているのが親ヤギさん
遠くに放牧されているのが親ヤギさん

そして、北海道はワインも美味しい。ドメーヌ・タカヒコといった入手困難なワインを筆頭に特に余市が有名ではありますが、以前、飲んだワインが美味しかったので、ぜひ立ち寄りたいと思っていたのが富良野のワイナリー「ドメーヌレゾン」。ドメーヌレゾンでは、人間と自然が共存できる環境でのワイン造りを目指し、なんとヤギを飼育しているんです。


ヤギが草を食べ、その排泄物を発酵させ堆肥にし、ワイン発酵後の澱や搾りかすと共に土に入れることで微生物の活性化を促すといった、自然の力を生かしたサスティナブルな取り組みを行っています。醸造所見学後は、小ヤギたちにミルクをあげ、ひと通り試飲しまくり、お目当てのワインをゲットしました。

モダンとナチュラルが共存。「ノゾホテル」のちょうどいい空間

ファミリールーム。キングサイズベッドを備えたマスターベッドルーム横のリビングルームには、ワークスペース、寛げるスペースに、ソファベッドも。37㎡の広さで家族がゆったりくつろげます。
ファミリールーム。キングサイズベッドを備えたマスターベッドルーム横のリビングルームには、ワークスペース、寛げるスペースに、ソファベッドも。37㎡の広さで家族がゆったりくつろげます。

デラックスツイン。自然光が気持ちいい32㎡のデラックス ツインルームには、セミダブルベッド 2 台をとリビングルームが。
デラックスツイン。自然光が気持ちいい32㎡のデラックス ツインルームには、セミダブルベッド 2 台をとリビングルームが。

たっぷり遊びまくった後は、早めに戻ってホテルでのんびり過ごすのも旅の醍醐味の一つ。ノゾホテルは、北海道の自然と共存するかのように、館内全体に随所に木が使われ、モダンな中にも心地良さがあります。


北海道、富良野にちなんでセレクトされた蔵書には、もちろん『北の国から』も。
北海道、富良野にちなんでセレクトされた蔵書には、もちろん『北の国から』も。

エントランス入ってすぐにゆったりしたブナバーも落ち着いたトーンの木の家具が配され、中央にはバイオエタノールのエコな暖炉も。夏はあまり出番がありませんが、揺らぐ炎を眺めながらのんびり赤ワインでも飲みたいものです。各部屋もナチュラルな素材を大切にしたインテリアがリラックスさせてくれます。

何より嬉しいのは、スパ(大浴場)。やはり日本人たるや1日の終わりには、湯船にゆったり浸かって疲れを癒し、リラックスしたいもの。私的にはホテル選びの重要ポイントでもあります。こちらのスパは、天然温泉ではないものの、この地のミネラルを存分に含んだ湧水を沸かし、ラドンや高純度ゲルマニウムなど様々な鉱石や各種ミネラルやセラミックスを組み合わせた温泉エネルギーを再現した人工温泉で、新陳代謝を促し、肌に優しく、温浴効果もある。露天風呂もドライサウナに水風呂も備わっていてゆっくり入浴タイムを過ごせる。

また、旅先でも毎日のフィットネスを欠かさないという方には、同エリアで唯一の最新マシンを備えたジムも併設。

コンセプトは“ファーム・トゥ・テーブル”。旬の地元食材を活かした料理に舌鼓

スパでさっぱりしたら、もう一つの醍醐味のディナー。ノゾホテルのディナーは、ファームトゥテーブルをコンセプトに、地元の旬の食材を使用した料理をビュッフェからセットメニューまで時期によって異なるスタイルで提供。

私の滞在時には、ビュッフェスタイルに加え、寿司カウンターでは北海道産の旬の魚介をはじめとした新鮮なネタでお好みに合わせた寿司を目の前で握ってもらいました。ビュッフェの目玉は、焼き立ての北海道産の和牛やポークのステーキ、地元野菜の天ぷら、北海道の郷土料理ザンギ(甘辛タレで漬け込んだ鳥の唐揚げ)といった富良野はもとより北海道の味覚を味わい尽くせる。

ウレシパ+フラノ「季節のお野菜収穫体験&ピザ作り 青空クッキング」1名¥6,600/1名様 ※3名様〜申し込み
ウレシパ+フラノ「季節のお野菜収穫体験&ピザ作り 青空クッキング」1名¥6,600/1名様 ※3名様〜申し込み

また、ファーム・トゥ・テーブルのコンセプトにも通じる、提携農家の畑へ出かけ、トマトやとうもろこしなど、新鮮な野菜を自分たちで収穫するプログラムも用意。その一つ、ウレシパ+フラノでは、「季節のお野菜収穫体験&ピザ作り 青空クッキング」ベースキャンプのウレシパ畑を会場に、旬を迎えた季節の野菜を収穫したのち、その野菜を使ってピザを作るアウトドアクッキングを体験できる。


採れたて野菜もお手製ピザも青空の下、畑の中といった長閑な環境がそう思わせるのか、想像をはるかに超える美味しさ。我ながら上出来。童心にかえって夢中になって収穫する自分に思わずびっくり。

ナイトウォッチングで満点の星空と野生動物に出合う


さらに、せっかくなら晴れた日の夜には、満点の星空を観測するナイトウォッチングツアーもおすすめ。地元のガイドさんに絶好の観測スポットへと案内してもらえます。この日は、『北の国から』の舞台、麓郷の森へ。真っ暗な道路脇の茂みを目を凝らしてよく見てみると、うっすら小さく光るものを発見。野生のキタキツネの登場に思わず、一同テンションアップ。他にも親子で走り去るシカや夜行性の野生動物にも出会えます。肝心な星空は少し曇っていたのと満月前夜で明るすぎなこともあり、くっきりとはいきませんでしたが、自然の音しかない静寂の中、ほんのり星空を観測できました。


ツアー途中に立ち寄った小学校の校庭には、北海道の中心を示す碑が。そう、富良野は北海道の真ん中、ちょうどへそにあたる。これまた『北の国から』にも出てきた、北海へそ祭りのへそはそこからきているのだと知り、なぜへそ?と思っていた謎が今さらながら解けました。ちなみに、へそ祭りとは、お腹を見せ、へその周りに顔を描き、踊りながら街を練り歩く祭りらしく、機会があれば見てみたいと気になる祭り。ドラマの記憶を思い起こしながら見聞きすると、楽しさ倍増です(私だけ)。

普段、がっつり夜中までPCに向き合っていたり、寝る直前までスマホを見続けている自分にとって、まさかPCを開かずに1日を終えるなんてありえない時間の過ごし方で、これぞデジタルデトックスだと実感しました。しかも、星空を眺めてから眠るなんて、まさに『北の国から』の世界そのもの。今度はトレッキングもしたいし、パラグライダーにも気球にも乗りたいと、北の大地で体験したいアクティビティは尽きません。もちろん次こそはロケ地巡りもセットで。

ノゾ ホテル
住所/北海道富良野市北の峰町14-38
TEL/0167-23-1088
URL/https://nozohotel.com/
Instagram/@nozohotel

Photos & Text:Masumi Sasaki

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