Art / Feature
耽美にして幻想的。1960年代のアヴァンギャルドなアングラ演劇ポスターから少女の肖像まで、時代を超えて輝くイラストレーションの巨星、宇野亞喜良(あきら)。数々の伝説に彩られたその軌跡、AQUIRAXワールドに酔いしれる展覧会。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年6月号掲載)
日本を代表するイラストレーター、宇野亞喜良(1934年生まれ)。日本デザインセンターを経て、1964年に横尾忠則らとスタジオ・イルフイルを設立。「イラストレーションをやりたい」。まだその言葉が世に知られる前のこと、早すぎる旗揚げだった。解散を経て、寺山修司の劇団「天井棧敷(さじき)」の公演ポスターや、モデルとイラストレーションを合成した化粧品広告など、アヴァンギャルドかつファッショナブルな作風で時代を席巻。
その後もエロスやリアリティあふれる雑誌や新聞の仕事から、愛らしさに輝く絵本・児童書、舞台美術に立体作品、近年では椎名林檎や資生堂「マジョリカ マジョルカ」とのコラボレーションまで、様式やジャンルを超越した唯一無二の世界観を打ち立ててきた。そもそもイラストレーションとはメディアを通じた図像表現であり、単なる挿絵カットのことではない。
宇野亞喜良の耽美な世界に浸る、過去最大規模の個展 @東京オペラシティ アートギャラリー
演劇実験室◎天井棧敷公演『星の王子さま』ポスター 1968年 ©AQUIRAX
耽美にして幻想的。1960年代のアヴァンギャルドなアングラ演劇ポスターから少女の肖像まで、時代を超えて輝くイラストレーションの巨星、宇野亞喜良(あきら)。数々の伝説に彩られたその軌跡、AQUIRAXワールドに酔いしれる展覧会。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年6月号掲載)
「三井信託銀行」ポスター 1971年 ©AQUIRAX
日本を代表するイラストレーター、宇野亞喜良(1934年生まれ)。日本デザインセンターを経て、1964年に横尾忠則らとスタジオ・イルフイルを設立。「イラストレーションをやりたい」。まだその言葉が世に知られる前のこと、早すぎる旗揚げだった。解散を経て、寺山修司の劇団「天井棧敷(さじき)」の公演ポスターや、モデルとイラストレーションを合成した化粧品広告など、アヴァンギャルドかつファッショナブルな作風で時代を席巻。
『餃子姫』2013年 ©AQUIRAX
その後もエロスやリアリティあふれる雑誌や新聞の仕事から、愛らしさに輝く絵本・児童書、舞台美術に立体作品、近年では椎名林檎や資生堂「マジョリカ マジョルカ」とのコラボレーションまで、様式やジャンルを超越した唯一無二の世界観を打ち立ててきた。そもそもイラストレーションとはメディアを通じた図像表現であり、単なる挿絵カットのことではない。
「ミケランジェロの言葉」ポスター 1968年 ©AQUIRAX
『きんのおの』原画 2017年 ©AQUIRAX
デザインや印刷に精通し、他領域にはない幻想性などイラストレーション独自の価値を切り開いてきた功績こそ、まさにレジェンドたる所以(ゆえん)だろう。50年代の企業広告から、俳句や少女をテーマにした近作まで、作品点数900点超、史上最大規模で開催される宇野亞喜良展。時代を超えて輝く耽美な筆致に、必ずや心奪われるはずだ。
宇野亞喜良近影 Photo: 大童鉄平
「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」
日本を代表するイラストレーター、グラフィックデザイナー。美しい原画やデッサン、アングラ演劇などのポスター作品、舞台美術の人形に衣装と、デビュー初期から最新作までの全仕事を網羅する過去最大規模の展覧会。
会期/2024年4月11日(木)〜6月16日(日)
会場/東京オペラシティ アートギャラリー
住所/東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/www.operacity.jp/ag/
※最新情報は上記サイトを参照のこと。
Edit & Text : Keita Fukasawa