週末1泊2日で行く、 金沢のアートと工芸、食を満喫する旅 | Numero TOKYO
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週末1泊2日で行く、 金沢のアートと工芸、食を満喫する旅

週末を使った1泊2日の旅でリフレッシュしたい。そんな時はホテルでの滞在を楽しみながら、ホテル周辺の街歩きを楽しむコンパクトな旅がおすすめ。金沢城公園からほど近い「ザ ホテル山楽 金沢」は、兼六園や近江市場など金沢ならではの観光を楽しみつつ、ホテルの中で、金沢ならではのアーティな雰囲気と、加賀の味を堪能することができる。ホテルステイを中心にした1泊2日で、おすすめのショップ&スポットをご紹介。震災復興の祈りを込めて、この春はぜひ金沢へ。

旅の拠点は「ザ ホテル山楽 金沢」



「ザ ホテル山楽 金沢」は、日本郵政金沢ビルの跡地に2022年12月末に開業。「古都 金沢の美をまとう」をコンセプトに、ホテル内のいたるところに金沢や北陸の伝統を感じさせる意匠を配している。レセプションでは、万葉の文字を描いた金箔のアートや、加賀友禅の花柄を施したガラス壁、北陸地方の伝統工芸である組木細工を使ったメタルアートなどがお出迎え。館内のいたるところに展示された、地元の作家によるアート作品を眺めるだけでも楽しい。

エントランスやホテルの部屋からも眺めることができる中庭は、昼間は天然石の小滝のせせらぎや自然の樹木が心を癒してくれ、夜には季節によって変わる繊細な光の演出で、華やかな金沢の雰囲気を感じることができる。

(左)12平米の開放的なバルコニー付きの客室「クラブバルコニーツイン」
(右)中庭に面したガーデンツイン

全215室の客室は全てが、32平米以上のゆったりとした空間。黒をベースにしたスタイリッシュなインテリアに、屏風をモチーフにしたヘッドボードや、九谷焼の茶器や加賀棒茶など、部屋の中でも金沢の伝統を感じることができる。全室、シモンズ製のベッド完備。快適な睡眠は、日々の疲れを癒してくれる。

(左)全ての客室には九谷焼茶器とコーヒーマシン、加賀棒茶などのティーバッグが。
(右)スーペリアルームのバスルーム。

(左)スイートおよびクラブルームには香り高い「BVLGARI au the blanc」のアメニティ。
(右)南フランスの「ARGAN」のアメニティは保湿性の高いアルガンオイルがベース。

ザ ホテル山楽 金沢は、クラブ・スイートに宿泊すると、専用のクラブラウンジが利用可能だ。14時からのカフェタイムではホテルメイドのスイーツを、17時からはカクテルタイムには、治部煮や金沢おでん、笹寿司を始め、アペタイザー、シャルキュトリーに合わせて、石川県の地酒やスパークリングワインをテイスティングしたり、プレシャスな時間を過ごすことができる。

ディナーと朝食は、舌が肥えている地元の人にも人気のオールデイダイニング「金沢ダイニング きざはし」で。ディナーは事前にコースを予約しておくのがおすすめ。その時の旬の食材を使った金沢ならではの料理を楽しめる。この日は「近江町市場から“刺身、握り寿司”」「能登牛金塊スタイル マデラソース」「アーモンドパルフェ」などに舌鼓。

「金沢ダイニング きざはし」では、人気の朝食ビュッフェも見逃せない。ライブキッチンで作りたての天ぷらや日替わりの焼き魚、トーストやおかゆなどの朝食の定番メニューのほかに、てまり寿司、金沢おでん、治部煮、ハントンライス、焼きたてのパン、人気のフレンチトーストなど、とにかくメニューが豊富。さらに、スパークリングワインもあり、ゆったりとした朝の時間を過ごすことができる。

ザ ホテル山楽 金沢
住所/石川県金沢市尾張町1-1-1
TEL/076-222-8077
sanraku.kenhotels.com/kanazawa/

ホテルから歩いて行ける、金沢の8つのスポット

1. 金沢城公園と兼六園

1580年に織田信長の命を受けた佐久間盛政が築城を始め、1583年に前田利家が入城。明治2(1869)年まで加賀藩前田家14代の居城だった金沢城。現在は、重要文化財の石川門、三十間長屋、土蔵(鶴丸倉庫)を始め、周辺の豊かな自然は市民の憩いの場になっている。金沢城公園に隣接する兼六園は、節ごとの見どころがある美しい大名庭園であり、日本三大名園のひとつ。開園は夕方ごろまでだが、ホテルからも近いので、周辺を散歩して夜に浮かび上がる白い金沢城の美しさを堪能しよう。
※能登半島地震の影響で、園内の一部エリアは立ち入り禁止。

金沢城公園
住所/石川県金沢町丸の内1-1
開園時間/
3月1日~10月15日 7:00~18:00 (最終入園 17:30)
10月16日~2月末日 8:00~17:00 (最終入園 16:30)
www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/

2. 近江町市場

こちらもホテルからすぐ近く。300年以上続く近江町市場は金沢市民の台所。日本海の新鮮な海産物や伝統野菜など、金沢ならではの食材が揃う。お土産の購入もここで。飲食店も軒を連ねており、ピカピカに輝く海鮮丼が看板メニューのお店も多数。お腹を空かせて向かおう。

住所/石川県金沢市上近江町50
ohmicho-ichiba.com/

3. 石黒商店

ホテルからすぐ近くの十間町・上近江町は、古美術商店が点在しているエリア。明治37年から続く金沢屈指の老舗骨董店である石黒商店は、加賀百万石の歴史を感じる美術・工芸を数多く扱う。また、骨董のある生活を提唱し、日常使いにも適した器や道具などもあり、和洋の組み合わせや現代作家のコラボレーションも提案している。築85年の店舗は伝統的な金沢町屋であり、平成27年に国登録有形文化財(建造物)に登録されている。

住所/石川県金沢市十間町53
営業時間/10:00〜17:00
定休日/HPをご確認ください
www.ishiguroshouten.jp/

4. 上林金沢茶舗 金沢本店

ザ ホテル山楽 金沢の客室に常備されている加賀棒茶や紅茶は、上林金沢茶舗のもの。創業した宇治から金沢に移り、加賀藩前田家のお茶と文化を継承する。商品は、加賀棒茶、抹茶、煎茶、玉露のほか、和紅茶「加賀の紅茶」「能登の紅茶」がある。国産茶葉にこだわり、クオリティと安全性を追求している。金沢本店は近江町市場と東茶屋街の中間にあるので、ぜひ立ち寄ってみよう。ほかにも、金沢エムザにも店舗があり、各店舗限定の商品も。

住所/石川県金沢市下新町1-7
営業時間/9:30〜17:30
定休日/年末年始、日曜日(連休の場合は営業)
kanbayashi-chaho.com/

5. Cafe たもん

人気の観光スポットのひとつ、ひがし茶屋街を訪れたら、宇多須神社のすぐ前にある「Cafe たもん」へ。看板メニューの米粉のパンケーキは、循環型環境農法で作られた石川県のお米を使用。食材の多くは石川県産と地産地消にこだわるなど、SDG’sにも取り組んでいる。

看板メニューのパンケーキは、ふわふわの口あたりで、甘さもほどよく、いくらでも食べれそうなほどおいしい。コクのあるコーヒーを合わせれば、旅の疲れも忘れてしまうはず。季節限定メニューもあり、金沢旅行のたびに何度も通いたいお店だ。

住所/石川県金沢町東山1-27-7
営業時間/8:00〜17:30(L.O.16:30)
※4月26日〜5月6日までは8:00〜18:00(L.O. 17:30)
cafetamon.jp/

6. KAIFAN the Parlor

金沢21世紀美術館や国立工芸館近くにある「KAIFAN the Parlor」は、クリエイター集団[kidzfromnowhere」のファウンダーのYuannがプロデュースした、点心レストランとナチュラルワインのバー。武家屋敷だった建物をリノベーションし、まるでギャラリーのような店内でいただくのは、金華ハムで出汁をとった極上スープで仕上げた「金の焼売」など、本格的な味わいの手作り点心。ランチやディナーのほか、飲茶メニューもあるので、金沢の街を歩き疲れたら、おいしい点心と中国茶でひとやすみ。ナチュラルワインも数多く揃えており、フードとのペアリングも楽しめる。

住所/石川県金沢市広坂1-9-20
営業時間/ランチ11:00〜15:00(L.O.14:30)、ティータイム14:00〜16:00(L.O.16:00)、ディナー18:00〜22:00(L.O.21:00)、バー21:00〜24:00
kaifantheparlor.com/

7. Pessoa Coffee Roasters

新竪町は昔ながらの商店街に、ヴィンテージの洋服や雑貨の小さなお店やベーカリーなどが軒を連ねる、新旧が混じる街だ。「Pessoa Coffee Roasters」は、コーヒー豆の焙煎・販売からスタートしたお店。ひとつずつハンドピックしたコーヒー豆を焙煎し、ハンドドリップで淹れたコーヒーを味わうこともできる。もちろん、コーヒー豆も購入可能。金沢在住のアーティストも立ち寄るこのお店で、今の金沢を感じながら香り高いコーヒーを楽しんで。

住所/石川県金沢市新竪町3-120-1
営業時間/10:00〜18:00(平日)、10:00〜19:00(土日)
pessoacoffee.wixsite.com/website

Text: Miho Matsuda

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