【西オーストラリア旅vol.1】“世界で最も住みたい美しい街”パースで自然と最新グルメを満喫 |Numero TOKYO
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【西オーストラリア旅vol.1】“世界で最も住みたい美しい街”パースで自然と最新グルメを満喫

“世界で最も住みたい美しい街”と称えられる州都のパースをはじめ、コロニアル建築が美しい港町や、世界一幸福な動物に出会える島、プレミアムワインの生産地や美しいビーチなど多彩な魅力にあふれる西オーストラリア州。地中海性気候の州都パースはオーストラリアの州都の中で最も晴天が多く、夏も湿度が低いためカラッとした暑さで、冬の寒さも厳しくなく、一年を通して過ごしやすい。しかも、2023年10月末に日本=パースの直航便の運航が再開したとあり、アクセスも格段に良くなった。

今回はパースを拠点にした、西オーストラリア州の旅を3回に分けてレポート。初回は都市と自然の調和が取れたパースシティの魅力、最新グルメシーンを紹介する。

目次
1. 旅の拠点は5つ星+ホテル「ザ・リッツ・カールトン・バース」
2. 先住民の食文化も反映したパース随一のファインダイニング「ワイルドフラワー」
3. ベルタワー、エリザベスキー、スターリングガーデンズなどパースの名所巡り
4. ウォーターフロントの「ザ・アイランド」で明るいうちから乾杯
5. オーストラリア最優秀植物園賞を受賞した「キングスパーク」で癒しのひととき
6. シティビーチに位置する 「オディッシー」でサンセットディナー
7. 直行便で、美食と絶景にあふれた夢の都市パースへ

5つ星+ホテル「ザ・リッツ・カールトン・バース」を旅の拠点に

パースの旅の拠点におすすめなのが、再開発が進むスワン川のウォーターフロント・エリザベスキーに 2019年11月にオープンした「ザ・リッツ・カール トン・パース」。アクセスと眺望の良さ、ホスピタリティの高さを兼ね備えた5つ星+ランクのホテルだ。

客室はシティビューとスワンリバービューに分かれており、シティビューでは街の中心部が、スワンリバービューではエリザベスキーの夜景やキングスパーク、ベルタワーやラングレーパークなどの名所を大パノラマで眺められる。

客室は全て50平米以上と広々としており、旅の疲れを癒すバスタブ、バスローブ、スリッパ付きなどオーストラリアでは珍しくアメニティが充実しているのは、さすがリッツ・カールトンブランド。

ホテル内には地元の食材にこだわった料理が味わえるオールデイダイニングの「HEARTH」やラウンジの「HEARTH LOUNGE」をはじめ、シグネチャージンを使ったカクテルが魅力の「Songbird」、リバービューのインフィニティプールやフィットネスセンター、ラグジュアリースパなど充実の施設が揃う。

ザ・リッツ・カール トン・パース
住所/1 Barrack St, Perth WA 6000
TEL/+61-8-6559-6888
URL/www.ritzcarlton.com/en/hotels/perrz-the-ritz-carlton-perth/overview/

先住民の食文化も反映したパース随一のファインダイニング「ワイルドフラワー」へ

グルマンな旅人に真っ先におすすめしたいのが、歴史的建造物をリノベーションした複合施設「ステート・ビルディング」内に位置し、ラグジュアリーホテル「コモ・ザ・トレジャリー」のメインダイニングである「ワイルドフラワー」だ。エグゼクティブシェフのキム・ブレナン氏は、イーストパースの「Lamont’s」でキャリアをスタートさせ、ロンドンの「Notting Hill Brasserie」や、オーストラリアのレストラン業界を牽引したシドニーの「Becasse」など各地で活躍。2015年に彼のルーツである西オーストラリアのパースで「ワイルドフラワー」をはじめ、「コモ・ザ・トレジャリー」の複数のレストランとバーを統括するようになった。

料理にはローカルの農家や漁師から仕入れた食材だけでなく、西オーストラリア固有のワイルドフラワーや、ブッシュ・タッカーと呼ばれる先住民アボリジナルが食してきた固有のハーブや木の実などを使用する。そしてアボリジナルに伝わる6つの季節をテーマに、コンテンポラリーなコース料理に仕立てるのがこのお店の特長だ。

例えば訪れた12月の「4コーステイスティング」(140オーストラリアドル、以下AUD)では、スライスしたアルバニー産のアスパラガス、アヒルの卵で仕立てた軽やかな酸味のマヨネーズに、この時期に咲くクリスマスツリーとジェラルトンワックスと呼ばれる2種類のワイルドフラワーをトッピングした前菜が振る舞われた。魚料理では、シャークベイ産のピンクスナッパーと呼ばれるふっくらとした天然鯛がお目見え。海老とフェンネルの清涼感のあるタルタル、コクのある海老のビスク、根セロリのペーストの優しくクリーミーな味わいが寄り添う。

メインの肉料理ではリンリーバレー産のポークロインに、キャラメリゼしたオニオンピュレ、西オーストラリアネイティブなほうれん草、ゴールデンビーツのピクルスを付け合わせとし、マカダミアオイル、マスタード、赤ワインと豚肉のジュを添えている。多彩でワイルドな西オーストラリア原産の食材を使いながらも、親しみやすくしっかりと印象に残るおいしさに仕上げていることに感動を覚えるはずだ。

また、プレミアムワインの生産地が多い西オーストラリアだからこそ、ワインペアリング(95AUD)もここでは楽しんでほしい。「Si Vintners」のきれいでクリアな果実味のロゼや、クリーミィーなバター感と酸味が魚料理に合うスモールワイナリー「EVOI」のシャルドネを使った白ワインなど、料理をより一層おいしく彩ってくれる。人気店なので予約をお忘れなく。

ワイルドフラワー
住所/1 Cathedral Ave, (cnr St Georges Tce & Barrack St), Perth WA 6000
TEL/+61-8-6168-7855
URL/wildflowerperth.com.au/

ベルタワー、エリザベスキー、スターリングガーデンズなどパースの名所巡りへ

最高裁判所を有するスターリングガーデンズ
最高裁判所を有するスターリングガーデンズ

パースの街はコンパクトに名所が集約されており、歩いて街巡りができる。自由気ままに散歩をするのもいいが、地元民におすすめスポットをガイドしてもらえば、より深くパースの街や文化を学べるはずだ。パースを拠点とする「Two Feet & a Heartbeat Walking Tours」(1人2時間50AUD〜)では、要望に合わせテーマ別のウォーキング・ツアーを行ってくれる。

「Little Angel」のフラットホワイト
「Little Angel」のフラットホワイト

今回我々はホテルをスタート地点として、まずは西オーストラリアの州鳥であるブラックスワンをイメージした建物のベルタワーへ足を運んだ。その名の通り、タワー内に17の音色の異なるベルが存在し、1日1回美しい音色を響かせるタワーで、展望室からのスワンリバーの眺めも素晴らしい。

ウォーターフロントエリアのエリザベスキー、パース最古のアパートメント跡地「Lowson Flats」を散策したら、カフェでひとやすみ。多様な人種が暮らすパースだが、実はメルボルンと同様イタリア移民が多いことから、ローカルなコーヒー文化が盛んで驚くことにスターバックスは一軒もない。エスプレッソが主流なのだがカフェラテやカプチーノだけでなく、お湯にエスプレッソを注いだロングブラックや、エスプレッソの上にスチームミルクを注いだフラットホワイトなどメニューも細分化されている。

休憩したら、最高裁判所を有する英国調の庭園が美しいスターリングガーデンズへ。ジャラという西オーストラリア州にしか生息しないユーカリの木で柱が作られている、ゴシックリバイバル建築様式が美しい「聖ジョージ大聖堂」にも足を運ぼう。大聖堂の並びには、「ワイルドフラワー」も入居する「ステート・ビルディング」があるのだが、こちらはかつての郵便局、土地管理局、財務省、議事堂をリノベーションした建物だ。「ワイルドフラワー」以外にもカフェやワインバーなど、ヒップな飲食店が軒を連ねるので、胃袋に余裕があればぜひハシゴしてほしい。

パースの繁華街は、マレー・ストリート、ヘイ・ストリート、ウィリアム・ストリート、バラック・ストリートの4つの通りに挟まれた一画だ。ストリートにショップが立ち並ぶほか、モールやアーケードにもアパレルショップや雑貨店、飲食店やリラクゼーション施設などさまざまな店が立ち並ぶ。

パース駅へと続くフォレストプレイスという広場には「PERTH」サインもあり、人気の撮影スポットだ。

西オーストラリア州の多彩な鉱物資源をビジュアルで表した展示
西オーストラリア州の多彩な鉱物資源をビジュアルで表した展示

さらに駅を通り抜けた先にあるのが、2020年11月21日に大改装を終えた西オーストラリア州立博物館 「ブーラ・バルディップ」。西オーストラリア州随一の文化施設で、8つのカテゴリに分かれた常設展示室では先住民アボリジナルの文化や、タスマニアンタイガーの遺骨やシロナガスクジラの骨格の世界初展示をはじめとした動植物コレクションを子どもでも楽しめるように展示している。敷地内にある19世紀半ばに建てられた刑務所のOld Goalも要チェックだ。

Two Feet & a Heartbeat Walking Tours
URL/www.twofeet.com.au/

西オーストラリア州立博物館「ブーラ・バルディップ」
住所/Perth Cultural Centre, Perth Western Australia 6000
TEL/+61-8-9431-8413
URL/www.museum.wa.gov.au

ウォーターフロントの「ザ・アイランド」で明るいうちから乾杯

晴天が多いパースにいると、昼からついつい乾杯したくなってしまうもの。そんな昼飲みにおすすめしたいのが、テラス席併設でエリザベスキーのウォーターフロントを望む「ザ・アイランド」だ。

ビールの醸造所に併設されたレストランで、ローカル素材も使った醸造仕立ての生ビール(ミディアム8AUD〜)7種類を飲み比べできるほか、オーストラリア産のワインも多く揃う。人気は近郊で獲れた新鮮な「シーフードプラッター」(159AUD)や焼きたてのピザだ。周辺には定期的にパフォーマンスが行われる野外音楽ステージや、海賊をテーマにした遊び場、卓球やゲームエリアなどもあり、家族連れでも足を運びやすい。

ザ・アイランド
住所/Elizabeth Quay, Perth WA 6000
TEL/+61-427-463-007
URL/www.theislandeq.com.au/

オーストラリア最優秀植物園賞を受賞した「キングスパーク」で癒しのひととき

パースの魅力を語る上で欠かせないのが、パースの街を一望でき、市民に愛される「キングスパーク」だ。都市にある公園としては世界最大規模で、最も美しい都心の公園とも言われている。

東京ディズニーランドの7倍、東京ドームの26倍にも及ぶ約400ヘクタールもの敷地を持つこの都市型公園内には、約3,000種以上の西オーストラリア固有の自然植物が生育し、中でもワイルドフラワーと呼ばれる野生の花々は見逃せない。

オーストラリア固有の自然植物や約80種類の鳥類も生息し、その多様性あふれる自然環境から、オーストラリアとニュージランドで最もポピュラーなオンライン旅行会社「Wotif」主催の2023年ユニークリー・オージー・アワードにて「オーストラリア最優秀植物園賞」にも選ばれた。「キングスパーク」へはパース中心部から徒歩約15分、無料のCATバスでもアクセスが可能だ。芝生に寝転んだり、ワインとチーズを片手に読書をするなど、オージーにならってゆったりとした時間を過ごしたい。

キングスパーク
住所/Fraser Avenue, Perth WA 6000
TEL/ +61-8-9480-3600
URL/www.bgpa.wa.gov.au

シティビーチに位置する 「オディッシー」でサンセットディナー

パース中心街から車を15分走らせると、サンセットコーストと呼ばれる夕日が美しい海岸線があり、中でもシティビーチは白砂が美しく人気のビーチだ。このビーチにあるモダン・オーストラリアレストランの「オディッシー」ではサンセットを眺めながら、新鮮なシーフードを味わえる。

ぜひ注文していただきたいのが「マーケットフィッシュ」(48AUD)と「ソフトシェルクラブ」のフライ(32AUD)。この日のマーケットフィッシュは、バラマンディと呼ばれる西オーストラリア近郊で獲れる白身魚で、皮目はパリッパリ、中はふっくら柔らかくスズキのような美味。この地ならではの食材を使った、フレッシュでヘルシーな料理たちにはぜひオーストラリアワインを合わせたい。

オディッシー
住所/187 Challenger Parade, City Beach, WA 6015
TEL/+61-8-9385-7979
URL/www.odysseacitybeach.com.au/

直行便で、美食と絶景にあふれた夢の都市パースへ

提供元:ANA
提供元:ANA

先述した通り日本からパースへは、2023年の10月29日に東京・成田空港から週3往復(水・金・日)でANAが直行便の運航を再開した。飛行時間は約9時間半〜10時間で、成田 11:20発→パース20:30着、パース21:55発→成田8:30(翌日)着と使いやすいフライトスケジュールだ。日本のエアラインのため機内はもちろん、現地でのチェックインや搭乗アナウンスも日本語に対応しており、旅の始まりから終わりまで安心して身を任せることができる。ちなみに日本とパースの時差はわずか1時間。ジェットラグの心配も不要なため、到着した日から快適に旅を始められるはずだ。

西オーストラリアの旅レポート第2弾では、プレミアムワインの生産地であるマーガレットリバーを紹介する。

取材協力:西オーストラリア州政府観光局、ANA
nonbiri-perth.com/
www.ana.co.jp/ja/jp/international/theme/new_journey/

 

Photos & Text:Riho Nakamori

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