都市と自然の調和を目指す新ランドマーク、麻布台ヒルズが開業。こけら落としはオラファー・エリアソン展
Art / Feature

都市と自然の調和を目指す新ランドマーク、麻布台ヒルズが開業。こけら落としはオラファー・エリアソン展

『蛍の⽣物圏(マグマの流星)』2023年 Photo: Jens Ziehe
『蛍の⽣物圏(マグマの流星)』2023年 Photo: Jens Ziehe

「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街」──麻布台ヒルズ。人間らしい生き方、環境との調和 etc.。人と都市の壮大なビジョンを、自然との関係を問うオラファー・エリアソンの試みとともに展望する。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年1・2月合併号掲載)

麻布台ヒルズ全景 ⒸDBOX for Mori Building Co., Ltd. - Azabudai Hills
麻布台ヒルズ全景 ⒸDBOX for Mori Building Co., Ltd. - Azabudai Hills

2023年11月、東京の中心に新たな街が誕生した。東京メトロ神谷町駅と六本木一丁目駅のほど近く、かつて木造住宅が密集し、我善坊谷(がぜんぼうだに)と呼ばれたエリア。約35年の歳月をかけ、六本木ヒルズに匹敵するスケールで3棟の超高層タワーと広大な緑化スペースが完成した。道路や広場も整備し、150以上の店舗、アマンの姉妹ブランドホテル「ジャヌ東京」、オフィスや住居、インターナショナルスクール、慶應義塾大学予防医療センターなどが順次開業。人々の営みをシームレスにつなげる都市構想は、トーマス・ヘザウィック設計による低層部の曲線形状にも体現されている。

ヘザウィック・スタジオ設計による低層棟のガーデンプラザ
ヘザウィック・スタジオ設計による低層棟のガーデンプラザ

加えて注目すべきは文化発信。その中核を担う麻布台ヒルズギャラリーのこけら落としを、オラファー・エリアソンが飾る。知覚体験を通して自然との関係を問う最前線のアーティスト。新作のパブリックアートと同じ主題のもと、光と水を使った大型インスタレーション『瞬間の家』や、自然の動力で描いたドローイングなどを発表。

『相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』(部分)2023年 展⽰⾵景:⿇布台ヒルズ森JPタワー オフィスロビー、2023年 Photo: ⽊奥恵三
『相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』(部分)2023年 展⽰⾵景:⿇布台ヒルズ森JPタワー オフィスロビー、2023年 Photo: ⽊奥恵三

『瞬間の家』2010年 Photo: Christian Uchtmann
『瞬間の家』2010年 Photo: Christian Uchtmann

併設のカフェでは、ドイツ・ベルリンのスタジオ内キッチンと共同開発したメニューを提供する。

スタジオ・オラファー・エリアソン キッチンでの昼⾷の様⼦ 2017年 Photo: María del Pilar García Ayensa
スタジオ・オラファー・エリアソン キッチンでの昼⾷の様⼦ 2017年 Photo: María del Pilar García Ayensa

また2月には、お台場から「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」も移転オープン予定と、話題は尽きない。私たちの未来を照らす新しい街──その始まりをぜひ、目撃しよう。

麻布台ヒルズギャラリー開業記念
「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」

会期/2023年11月24日(金)〜2024年3月31日(日)
会場/麻布台ヒルズギャラリー(麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)
URL/www.azabudai-hills.com/azabudaihillsgallery/sp/olafureliasson-ex/
※最新情報は上記サイトを参照のこと。

麻布台ヒルズ
11月24日(金)より順次開業。広大な中央広場など豊かな緑と、商業&文化施設、住宅、教育&医療機関を備えた“都市の中の都市”が誕生。
住所/東京都港区虎ノ門5丁目、麻布台1丁目、六本木3丁目の各地内
URL/https://project.azabudai-hills.com/

Edit & Text: Keita Fukasawa

Magazine

JUNE 2024 N°177

2024.4.26 発売

One and Only

私のとっておき

オンライン書店で購入する