桜島を見渡す新ラグジュアリーホテルで、鹿児島・九州の文化を体感する旅へ | Numero TOKYO
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桜島を見渡す新ラグジュアリーホテルで、鹿児島・九州の文化を体感する旅へ

日本の近代化のはじまりの地であり、屋久島や奄美諸島など世界的に有名な自然遺産や文化遺産、指宿、霧島などのユニークな観光地、独自の食文化などを持つ鹿児島。そんな鹿児島に2023年5月16日(火)、初となる外資系ホテル「シェラトン鹿児島」がオープンした。

シェラトンは現在、世界中のホテルで次世代の旅行を愛する人々と、地元の人々両者へ向けた有意義なコミュニティ体験を創造するべく、大きなブランド転換を図っている。「シェラトン鹿児島」は、日本においてシェラトンのグローバルでモダンなデザインコンセプトと、ブランドビジョンを体現する初のホテルとしてオープンした。鹿児島をはじめ、九州の魅力に満ちたホテル、そしてローカル文化に触れる旅をご紹介しよう。

鹿児島の伝統的な美と、西洋の美を融合したホテルデザイン

新幹線・高速バスなどが発着するJR鹿児島中央駅から無料のシャトルバスで約10分、南九州随一の繁華街・天文館からは市電で約7分、市内と桜島を結ぶ鹿児島港等へのアクセスが良好な鹿児島市電「武之橋電停」前の複合施設「キラメキテラス」内に位置する「シェラトン鹿児島」。“Where the world comes together(世界が出会う場所)”のブランドコンセプトのもと、ホテル館内と壮大な景観の境界をなくし、鹿児島の伝統的な美と西洋の美を融合したホテルとデザインが特徴だ。

現在ブランド転換を進めるシェラトンでは新たに、パブリックスペースやレストラン、ミーティングスペースに至るまでのあらゆるアップグレードを施している。このシェラトンのリブランディングを大きく感じられるのが、宿泊者だけでなくビジターも気軽に利用できる1階のパブリックスクエアだろう。吹き抜けの天井、緑に覆われた壁、そして暖かい自然光でゲストを迎える。

ロビー、パブリックスクエア、カフェ「&More」のデザインを手掛けたのは、ニューヨーク、ブルックリンを拠点に活動するデザインスタジオ「CRÈME(クレム)」の建築家・相崎準氏だ。鹿児島湾と桜島を望むホテルの立地にインスパイアされたデザインや、鹿児島を中心とした日本の慣習や伝統と、現代的な西洋スタイルの融合したデザインを各所に散りばめた。

例えば「&More」の壁面には、薩摩焼や薩摩切子、屋久杉や奄美の芭蕉布、香箱やくろもん茶器、竹細工など、舶来品から伝統工芸品に至るまで、鹿児島や南九州にまつわる作品がディスプレイされている。デザインする上で、宿泊するゲストだけでなくホテルを訪れる地元の人々の記憶にも残るよう心がけたという。地域の文化や郷土の歴史からインスピレーションを得た伝統的な要素を取り入れ、工芸、自然、コミュニティを体験できる空間に仕上げた。

誰でも気軽にホテルの雰囲気を楽しむことができる「&More」は、ミーティングスペースとしても利用できる電源完備のテーブル席や、オンラインMTGや通話が可能なブース席などもある。

大パノラマで桜島を望む10タイプの客室やクラブラウンジ

桜島ルーム キングの客室
桜島ルーム キングの客室

明るい木目調で統一された客室は、三菱地所グループのメック・デザイン・インターナショナルがデザインを手掛けた。客室の細かなデザインは鹿児島の地形からインスピレーションを得ており、霧島の山々をイメージしたアートワークなどがディスプレイされている。

6〜18階に位置する客室は全228室あり、35〜109平米の10タイプを展開。鹿児島市街を一望できる客室のほか、客室名に「桜島」がついた部屋からは、鹿児島ならではの壮大な桜島の景観を楽しめる。

バスアメニティには「GILCHRIST&SOAMES」を採用しているほか、客室にはBluetoothスピーカーや動画配信サービスも利用できるテレビも備え、知覧茶や知覧紅茶など鹿児島にちなんだアメニティも完備。館内にスパや温泉を引いた大浴場もあるため、専用のスリッパや部屋着も用意されている。

クラブルーム、スイートルーム宿泊者やMarriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)のプラチナエリート会員以上が利用できる「シェラトンクラブ」も必見だ。泥染めや屋久杉など鹿児島ならではのアートを取り入れたラウンジは、二面ガラス張りでより一層ダイナミックに桜島の景観を楽しめる。

チェックイン・チェックアウトの手続きだけでなく、7:00〜23:30の間ドリンクや軽食を味わえるほか、電源やWi-Fi環境も整っているので、鹿児島の美しい景色を眺めながらくつろいだり、仕事をするのもいいだろう。

また16:30〜20:40(酒類の提供は16:30〜21:30)のイブニングカクテルタイムには、鹿児島の焼酎をはじめとしたアルコールドリンクとともに、鹿児島牛を使ったローストビーフや黒豚を使った冷しゃぶサラダなど、季節に応じたフードプレゼンテーションが行われるのでお見逃しなく。

源泉かけ流しの温泉や足湯、スパでリフレッシュ

外資系のシティホテルでありながら、館内に温泉施設があるのは特筆すべき点だろう。近くの桜島から湧き出る源泉を利用した温泉を露天風呂、屋内大浴場、足湯で堪能できる。さらにサウナ、水風呂もあるので、滞在中にととのいたい人にもおすすめしたい。

大浴場に隣接する足湯は半露天になっており、心地よい風を感じながら足湯を楽しめるほか、リクライニングチェアも用意されているので湯上がりに外気浴をするのもいいだろう。

温泉施設がある5階にはラグジュアリースパ「リンパの女神」もある。宿泊者だけでなくビジターも、温浴施設の利用も込みでトリートメントを受けることが可能だ。

ユニークな姿勢をとることで、全身の緊張を解き血液やリンパの循環を促す独自のリンパマッサージを受ければ、心身ともにリフレッシュできるはず。時間があれば、貴腐ワインエキスが入ったハンガリーの自然派コスメ「ヘリアディ」を使ったフェイシャルケアもおすすめだ。

割烹居酒屋や薪火レストランなど、鹿児島ならではの5つのダイニングエクスペリエンス

「シェラトン鹿児島」には、それぞれ特徴の異なる5つのレストラン・バーがある。ホテルの総料理長を務める深水政信シェフは、神戸のミシュラン3つ星フレンチで修業後、宮崎にあるフェニックス・シーガイア内に構える「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」で総料理長を長年務めたベテランシェフのため、レベルの高い食体験が叶う。

先述した1階の「&More」は、高島屋や東京駅グランスタに出店するパティスリーの統括シェフや「SHIROYAMA HOTEL Kagoshima」のシェフパティシエを経験し、現在鹿児島県洋菓子協会の理事を務める栄村洋樹氏が手がけている。シェフが目の前で仕上げるクレープや、鹿児島県産や九州産食材を使って毎日手作りされるキッシュ、パン、ケーキなどのペストリーやスイーツは都内のパティスリーと遜色ないほどレベルが高い。

4階に位置する「Daily Social (デイリーソーシャル)」は、朝食からディナーまで、さまざまなシーンで利用できるビュッフェスタイルのオールデイ・ダイニング。朝食では海鮮丼を、ランチやディナーでは職人が目の前で寿司を握ってくれるライブステーションやエッグステーションもあるほか、「シェラトン」のロゴマーク入りのオリジナルさつま揚げや奄美大島名物の鶏飯など、鹿児島ならではのグルメが目白押しだ。ペストリーのレベルがかなり高いので、ぜひ朝食で食べてみてほしい。

「Daily Social (デイリーソーシャル)」の奥にあるのは、外資系ホテルでは珍しい割烹居酒屋の「SATSUMAGMA(さつまぐま)」。

ディナーコースは6,000〜10,000円で、要予約の「さくらじま」では、さつま赤鶏の生ハムの手まり寿司や、きびなごの黒酢南蛮漬け、黒豚のカツサンドなど5種の前菜が特製木箱に盛られて供される。鹿児島食材を使った繊細で奥深い和食を、多彩な地元の焼酎とともに楽しみたい。

ホテルのシグネチャーダイニングは最上階の19階に位置する「FLYING HOG GRILL (フライングホググリル)」だ。店内の薪窯でじっくりと焼き上げた鹿児島県産の食材や、シェフたちの手で丁寧に作り込まれた料理の数々を、ダイナミックな桜島の景観とともに堪能できる。

15,000円のコースでは、鹿児島県産のカンパチやキハダマグロを使い、仕上げに桜島小みかんのパウダーを振りかけた鮮やかな前菜や、中華のシェフが手がける特製北京ダック、屋久杉のおが屑のスモークをまとった鹿児島県産黒毛和牛のステーキなど、五感に訴えかける料理の数々が登場する。薩摩の伝統色である黒を基調にしたラグジュアリーな空間で、プレミアムな体験を楽しみたい。

食前や食後の一杯は、植物園をイメージした最上階の「VIVARIUM(ビバリウム)」で。店内が緑で彩られ、スタイリッシュでありながら自然の豊かさを感じられるバーでは、店内のディスプレイ内で栽培された新鮮なハーブや野菜を使ったオリジナルカクテルを味わえる。

さらに嬉しいのは予約抽選販売で当選するか、もしくはJALの国際線(中距離以上)ビジネスクラスやファーストクラスに搭乗しないと購入できないプレミアム焼酎「森伊蔵」が味わえること。タイミングが良いとさらに希少価値の高い「極上森伊蔵」が飲める日もあるそうなので、見つけたらぜひ飲んでおきたい。

シェラトン鹿児島
住所/鹿児島県鹿児島市高麗町43-15
TEL/099-821-1111
URL/www.marriott.com/ja/hotels/kojsi-sheraton-kagoshima/overview/

大島紬や焼酎蔵を見学するホテル発ツアーもアレンジできる

地域の魅力を発信する「シェラトン鹿児島」では、鹿児島ならではの体験ツアーも予定している。例えば鹿児島県本土、奄美大島群島を生産地としている国指定伝統的工芸品の「大島紬」の着物を着用して「旧島津氏玉里邸庭園」の茶室でお茶会をしたり、ホテルのレストランで食事を楽しんだりできるプランだ。


ホテルからも近い「大島紬」の工房兼文化体験施設の「大瀬商店」では、工房の見学や大島紬の着物のレンタル着用、機織り体験、小物類の購入ができる。丈夫でありながら涼しく着心地が良い「大島紬」の着物はレンタルのラインナップも多く、選ぶ楽しみもあり、着ることで「大島紬」の良さを実感できるはずだ。

大瀬商店
住所/鹿児島県鹿児島市荒田1丁目27-16 AceLife
TEL/099-254-3275
URL/www.oose1930.co.jp/

また、鹿児島を語る上で欠かせない焼酎蔵の見学ツアーもおすすめ。

「シェラトン鹿児島」内のダイニングでも焼酎やジン、ウイスキーを取り扱う「小正醸造」の焼酎蔵や、ウィスキー蒸留所の「嘉之助蒸溜所」の見学が可能だ。各ツアーの詳細については、ホテルに問い合わせを。

小正醸造
住所/鹿児島県日置市日吉町日置3309
TEL/099-292-3535
URL/www.komasa.co.jp/

嘉之助蒸溜所
住所/鹿児島県日置市日吉町神之川845-3
TEL/099-201-7700
URL/kanosuke.com/

鹿児島や九州に根付く文化をデザインや食、滞在を通じて五感で味わえる「シェラトン鹿児島」。寒くなるこれからの季節、南九州で暖かで文化的な旅を楽しむのも良さそうだ。

Photos & Text: Riho Nakamori

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