釜山グルメ、金箔アート、稲庭うどん……遊び尽くして大満足! 豪華客船クイーン・エリザベス乗船リポート vol.2 寄港地ツアー編
豪華客船クイーン・エリザベスで行く「釜山~金沢~秋田~横浜6泊7日の船旅」。乗船リポートの2回目は、各寄港地での観光ツアーやひとり街歩きの模様をお伝えします。日本の港のおもてなしの心にはただただ感動。釜山の名物鍋のおすすめ店もぜひチェックを!(vol.1はこちら)
旅の始まりは、韓国第2の都市「釜山(プサン)」。クルーズ船の旅では、船の中で過ごす時間と、寄港地での観光と2通りの過ごし方があります。船内で過ごす場合は、毎日配られる船内新聞でその日のイベントをチェックします。スパでゆっくり過ごすのも最高です。
寄港地では、クイーン・エリザベス(以下QEと表記)が停船する港から街の中心までフリーシャトルバスが出ていて、個人でも自由に街歩きが楽しめました。また各寄港地では観光ツアーも用意されています。午前中のみの短いツアーから1日ツアーまで、さまざまなものがあり約85米ドル~155米ドル。人気ツアーはすぐに埋まるので、QE乗船が決まったら早めの予約をおすすめします。
初日は釜山鍋ナッコプセに舌鼓、ホテル朝食も地元グルメを満喫
ツアー初日の釜山。「釜山は食い倒れの街。ソウルから海鮮料理を食べにくる人も多い」と空港バス内のガイドに聞いて、到着日の夕食は釜山名物鍋ナッコプセを目指しました。
おすすめ専門店をソウル在住の韓国人と友人に聞いたら、「元祖(ウォンジョ)ハルメナッチ(意味:元祖お婆さんのタコ)」と、「ケミジプ」の2軒上がりました。宿泊ホテルがソミョン(西面)だったので、ホテルから歩いてすぐのケミジプへ。ちなみにソミョンは、買い物・グルメ・遊びスポットが集中するエリアです。
ケミジプには日本語メニューがあります。迷わずナッコプセを注文。店員が生の具材(タコ、エビ、牛ホルモン、牛骨スープ、ニラ、タレ)が入った鍋をコンロにかけてしばらくそのまま強火で焼く→ 店員が具材を焼き付けながらまわして焼く→ さらにそのまま2分強火で焼いて完成。
まずはナッコプセだけをビールでいただいてみたら、激うま~っ! QEの旅が決まり、初釜山でいちばん食べたかった鍋をいただく幸せをかみしめました。
隣席の地元客がナッコプセをご飯にかけていたのを見て、白ご飯を注文。割とグツグツ煮込んで汁が少なくなってからそれをご飯にのせてみました。店員から勧められたとおり、モヤシとニラ、海苔などをかけて混ぜて食べると海鮮ビビンバ風に! 感動のお味でハマりそう。次の釜山では「元祖・お婆さんのタコ」へ行く予定です。
「ロッテホテル」に初めて泊まってみましたが、なんとも高級。ロッテデパートも隣接していて便利です。
朝食の充実ぶりも素晴らしく、実は専門店で食べてみたかった大きな天然シジミが入ったスープ「ジェチョッ」、朝食でいただけて大満足でした。
クルーズ船出発までチャガルチ市場~ナンポドン散策~再びソミョンでテジクッパ!
2日目。クルーズ船へのバス出発時間は14時半。それまで、時間の限り、釜山散策を楽しみました。まず地下鉄で、釜山を代表する人気観光地、海沿いのチャガルチ市場へ。
チャガルチ市場は韓ドラでも時々登場する海鮮市場ですね。チャガルチ駅から市場へ行く途中も映えスポットがいっぱい!
さすが食い倒れの街。各お店の生け簀の中の魚介類が新鮮なのに驚きました。
海を背に、街の方へ歩いて進むと釜山国際映画祭広場に出ました。
韓国ツウの姪が勧めてくれた釜山スイーツ「シアホットク」の屋台が2軒あったので、行列が多い方に並んで、1つ(2,000ウォン)購入。
ここのシアホットクは、黒蜜餡とシナモンを入れて揚げたパンの中に、17種類のナッツ類やレーズンが入っています。揚げたてのパンの片側をハサミで切って、素早くナッツを入れ紙コップに挟んでくれます。
それをいただきながら街歩き。アツアツで香ばしくて……シアホットクもオニ旨っ!
13時を過ぎたところでソミョンへ戻り、もうひとつの釜山名物「テジクッパ(豚スープご飯)」のお店へ。姪の釜山好き友人から勧められた「松亭三代クッパ(ソンジョンサムデクッパ)」へ行ってみるとすでに行列が。
こちらがいただいたテジクッパ。後で分かったのですが添え付けのタレは、豚肉につけて食べるものだったそう。もともと薄味なので、自分で好きに味付けするスタイル。キムチ類はセルフサービスで好きなだけお皿に盛れます。
到着日の夜と、クルーズ乗船日14時半までの短い滞在でしたが、街歩きと釜山グルメをめいっぱい堪能しました。
金沢では観光ツアーに参加、箸に金箔を貼るアート体験が新鮮!
乗船した翌日(ツアー3日目)は日本・金沢までの終日航海日で、ツアー4日目の早朝6時半頃、金沢港に到着。金沢では、「金箔アート&金沢ハイライト」ツアーに参加してみました。
まずは、金箔工芸ギャラリー&工房「箔一(はくいち)」で金箔貼り体験。金沢は日本の金箔生産の98%以上を占めるそうです。
加賀藩の初代・大名、前田利家の鎧を置いた「金箔の間」を見学し、金箔の作り方の説明を受けた後、4階へ上がって箸の金箔貼り体験がスタート。詳細はこちら。
金箔の薄さは1万分の1ミリ。薄い金箔の張り方のレクチャーを受け、好きにデザインしていきます。ほかの人の作品を見ると素敵に見えるんですね、これが。
こちらが筆者の作品です。
2階のギャラリーや1階のショップでも趣味の良い作品がたくさん展示されていました。
正月のお節料理用に箔一オリジナルの「古代箔(こだいはく)」のお重を購入。
次は、金沢観光といえば、の超有名な「兼六園」。老松の枝ぶりがすばらしい!
最後は「ひがし茶屋町」へ。ここでは90分の自由行動がありました。
東山みずほ、という店で金沢おばんざい的な料理をいただきました。
写真はランチでいただいた「のどぐろ定食」。
小京都的な落ち着いた街並みが続きます。三味線の稽古に急ぐ芸子さんたちを見かけたりもしました。
金沢港でのお見送り和太鼓演奏に、クルーズ客が感動の涙
15時前にはツアーから戻り、船室でひと眠りしていると、17時半頃から何やら外で太鼓の音が。バルコニーに出てみると、18時の出航に合わせて大勢の金沢市民による和太鼓でのお見送り演奏が延々と続いているのでした。出航しても、なお鳴りやまない太鼓の音に、感極まり涙があふれてきました。
4年ぶりのQE寄港。コロナ禍で世界の観光地に閑古鳥が鳴いていたこの3年。ようやく普通に戻りつつある日本でこのクルーズの旅が叶ったことを、しみじみと振り返りました。他国では経験できない日本ならではの「おもてなしの気持ち」が込められた演奏は、クルーズ客全員の胸に響いたはずです。写真は兼六園内の夕顔亭。
雨の秋田、金子邸~無限堂~駅で人気スイーツ「金萬」を買う
翌日(ツアー5日目)は朝9時に秋田港へ到着。この日はあいにくの雨模様。街までのシャトルバスに乗り合わせたゲストの一人は、秋田市内の街中の温泉へ行くのだ、と言っていましたが、こんな雨の日はその選択もアリかもしれません。
ひとまずは、秋田の伝統文化を知るために秋田市民俗芸能伝承館(ねぶり流し館)へ。
江戸中期から続くという睡魔を払い五穀豊穣を祈る夏の秋田竿灯(かんとう)祭り。そこで使われる竹竿と提灯を用いた道具が竿灯。この竿灯を担ぐ体験もできました。体幹とバランス感覚が鍛えられそうです。
素晴らしかったのが、この博物館の隣に建てられていた「旧金子家邸宅」の屋敷。
江戸後期から質屋や古着商、明治から呉服・織物の卸商を商い、昭和50年まで続いたという商家の屋敷跡は、朝ドラのセットのようでもありました。
とくに蔵の中の造りがすばらしく、風土に合ったクールな日本家屋の伝統を見ることができました。
秋田グルメ、といえば、「稲庭うどん」か「きりたんぽ」。季節的に稲庭うどんを選び、人気店「無限堂の大町本店」でランチ。お店の造りも和風で洒落ています。
秋田で買ったお土産は、人気スイーツ「金萬」と、いぶりがっこのビール漬け。
秋田港クルーズターミナルではミス秋田と秋田犬がお出迎え。秋田犬はすでに帰ってしまった後で、写真はお土産のぬいぐるみ。
秋田クルーズターミナルでの出航前も思わぬサプライズが!「なまはげ」による和太鼓演奏です!「泣く子はいねが~」の声で、QEクルーズの航海安全祈願をしてもらえました。これにもQEゲストから盛大な拍手が。
翌日6日目は、横浜への終日航海日。7日目の朝8時に無事に横浜・大黒ふ頭へ到着。下船は9時半だったので、最後のイングリッシュ・ブレックファストをブリタニア・レストランでゆっくりといただきながら、ベイブリッジを通り過ぎていく大型クルーズ船をたくさん見学できました。
韓国と日本を巡るQEの旅、日本ならではの貴重な体験も良い思い出です。来年春は、QE東京~台湾~沖縄のクルーズに乗ろうかと思案中です!
Photos & Text: Sachiko Suzuki(Raki Company)