Art / Feature
世界はかつて、未知の魔法に満ちていた。身近な場面のあちこちに、美しく時に恐ろしい、心躍る夢想への扉が開いている。いつしかそのことを忘れるうちに、私たちは大人になった。
安珠の写真作品には、あの不思議な感覚をよみがえらせる力がある。学生時代、来日したユベール・ド・ジバンシィにスカウトされ、パリを拠点にモデルとして活躍。帰国後の1990年に『サーカスの少年』で写真家としてデビューを飾った。以来『少女の行方』や『星をめぐる少年』 など、写真と文章を織り交ぜた作品を展開。その彼女がライフワークとして取り組んできたのが「少年少女の内なる世界」をめぐるシリーズ作品。『不思議の国のアリス』や『青い鳥』などの児童文学をモチーフに、真理を求めて旅する少女の心象風景を描き出す。本展は、その新作と映像作品を中心に構成。シャネル・ネクサス・ホールの空間を、夢幻の物語で埋め尽くすという。
安珠が映し出す夢幻の世界。写真展 「A girl philosophy — ある少女の哲学」@シャネル・ネクサス・ホール
『内省のはじまり 01』 ©Anju
一枚の写真から始まる、めくるめく幻想譚──。子どもの夢見る世界を探求し、写真や文筆、映像など、深遠なるヴィジョンを紡ぎ出してきた写真家の安珠(あんじゅ)。いざ行かん、シャネル・ネクサス・ホールの物語空間へ。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年3月号掲載)
『オフィーリアをミレイはバスタブで描いた』 ©Anju
世界はかつて、未知の魔法に満ちていた。身近な場面のあちこちに、美しく時に恐ろしい、心躍る夢想への扉が開いている。いつしかそのことを忘れるうちに、私たちは大人になった。
『Ribbon Dress』 ©Anju
安珠の写真作品には、あの不思議な感覚をよみがえらせる力がある。学生時代、来日したユベール・ド・ジバンシィにスカウトされ、パリを拠点にモデルとして活躍。帰国後の1990年に『サーカスの少年』で写真家としてデビューを飾った。以来『少女の行方』や『星をめぐる少年』 など、写真と文章を織り交ぜた作品を展開。その彼女がライフワークとして取り組んできたのが「少年少女の内なる世界」をめぐるシリーズ作品。『不思議の国のアリス』や『青い鳥』などの児童文学をモチーフに、真理を求めて旅する少女の心象風景を描き出す。本展は、その新作と映像作品を中心に構成。シャネル・ネクサス・ホールの空間を、夢幻の物語で埋め尽くすという。
『「青い鳥」心眼』 ©Anju
安珠は語る。「目に見えないものを写し撮りたい」。そこに広がるのは魔法のような時空への入り口。扉を開くのは、あなた自身だ。
安珠 写真展「A girl philosophy — ある少女の哲学」
「少年少女の内なる世界」を表現したシリーズの最新作約50点と、細野晴臣が音楽を手がけた映像作品、過去の作品群を交えて織りなす展覧会。
期間/2023年1月18日(水)〜2月12日(日)
会場/シャネル・ネクサス・ホール
住所/東京都中央区銀座3-5-3 シャネル 銀座ビルディング 4F
TEL/03-6386-3071
https://nexushall.chanel.com/
※最新情報は上記サイトを参照のこと。
Edit & Text : Keita Fukasawa