「Mame Kurogouchi」がブランド初の旗艦店を表参道にオープン
エントランスをくぐるとまず目に入るのが箱庭。「⾮⽇常への招待」として柳原が設計したこの小宇宙に、⽣まれ育った⻑野で⿊河内を包みこんでいた⾵景を想起させる⾵景が広がる。奥はストックルームで、手前の階段を上ると商品が並ぶフロアにたどり着く。
2階に上がると貝殻の中を進むように回遊するようなつくりになっているので、全貌は見渡すことができない。次々と現れる洋服やアクセサリーを発見して、最後に辿り着くのがフロアの真ん中にある広々としたフィッティングルーム。カーテンを閉めれば、まるで空間を独り占めするようにリラックスしたフィッティングの時間を楽しむことができる。
壁や床などはすべて珊瑚などが蓄積した沖縄県産の石灰石をベースに、テクスチャーにこだわってオリジナルで作られた素材を用いた。大分県で採取した竹を粉砕して混ぜ込むことで、よりクリーンなイメージに仕上がっている。また、棚や従業員が使用する引き出しには少しグレーがかったような深みのある色が特徴の神代欅を使用。つい触りたくなる質感に惹かれるこの木材は、海や地中に埋まっていた貴重な欅で縁起がいいのだという。
張り詰めた緊張感ではなく、雪景色を前にしたときのような静けさとワクワク感が共存し、都市にありながら自然で、クラフトだけどモダンで、新しくも懐かしい。ブランドの世界観を凝縮したMame Kurogouchi Aoyamaの空間をぜひ体験して。
Mame Kurogouchi Aoyama
107-0061 東京都港区北青山3-8-3
営業時間/毎週木曜~日曜日 13:00-20:00
休店日/毎週月曜~水曜日
https://www.mamekurogouchi.com/
Text:Chiho Inoue