ブレイク間違いなしのいち押しアーティストたち【7】MIRANDA YOKOTA | Numero TOKYO
Culture / Feature

ブレイク間違いなしのいち押しアーティストたち【7】MIRANDA YOKOTA

米原康正が太鼓判を押す7人のアーティストにインタビュー。 いま最も勢いのある彼女たちの作品とともにそこに込めた想いや、これからの展望について聞いた。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』3月号掲載)

「横尾(忠則)さんとかに通ずるすごい絵。一つ一つでも完成している絵をつなげて一つの作品にしていて、生命は全てつながっているというか、そういう宗教的な部分も感じる。NFTでも作品を描いてもらったらすぐに売れて。海外で活躍できる人」by 米原康正

緻密な中に込められた壮大な物語

いま思う感情を絵で描く

──ストーリー性のある作風は、どのようにして生まれるのですか?

「私はハッピーなときのほうが描けなくて、嫌なことがあったほうが描ける。多くの人は絵を描くときにタイトルやテーマを決めてから描いていくと思うんですが、私はその逆で、インスタなどでモデルの面白いポージングをピックアップして、まずポーズを決めてから、空間に付け足したり各々のパーツを埋めていく。最初にテーマを決めるのではなく、完成したときに物語が生まれるのです」

──紹介いただいた作品のコンセプトを教えてください。

「戦争をしたくないのに兵士として戦わなければいけない『駆り出された自分』と、自分の中に宿っている正義や気力、パワーとしての守護神のような『神』という対峙する二人の主人公がいて、足裏を合わせることで、より真っ向から対抗している様子を表しています。この絵は上下を回転しても展示できて、どちらからでも足裏を合わせられるようになっています。それと例えば左上に描かれた人間たちは、気分が沈んでいる人が見ると落ちているように見えて、ハッピーな人が見ると上に浮かんでいるように見える。見る人によって感じ方が違う部分がいくつかこの絵の中にはあります」

──これからどのようなアーティストを目指していますか。

「現代美術家といわれるようになりたい。あとはこれまでデスポップな絵ばかり描いていたので、振り切った絵を描きたい。今、デヴィッド・ベイリーというイギリス写真界の巨匠のために絵を描いているんですが、それはめちゃハッピーです」

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Interview & Text:Kana Yoshioka

Profile

ミランダヨコタMIRANDA YOKOTA 中央大学出身。完全独学ながらペイント、NFTほか独自の活動を展開。コレクターにはユエ・ミンジュン、デヴィッド・ベイリーがいる。2020年「HYPEBEAST」「Lucien Smith STP」の企画に選出され、21年は中国のSNS微博賞にて米原康正に注目アーティストとして紹介された。22年はアパレルブランドseveskigとコラボしたアイテムを2022AWの東京コレクションで発表予定。
Twitter:@mirandayokota
Instagram:@mirandayokota

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