2021年、あの人の偏愛ベスト・ミュージック vol.2 ermhoi
2021年いちばん聞いたのはどの音楽? 音楽をこよなく愛するヌメロ注目のアーティストに、その人だけの“超偏愛”ベスト・ミュージックを大調査! 新たな音楽の入り口にして。
第2回目は、ソロとしてはもちろん、エレクトロユニットのBlack Boboi(ブラックボボイ)や常田大希が主催する音楽プロジェクトのmillennium parade(ミレニアムパレード)のメンバーとしても活躍中のermhoi(エルムホイ)。
1『Orca』NTsKi
ermhoiが今年いちばん聴いたアルバムとして、真っ先に名前を挙げたのはNTsKi(エヌ・ティー・エス・ケー・アイ)のファーストアルバム『Orca(オルカ)』。
NTsKiは京都を拠点に活動するアーティスト、ミュージシャン。優しくもどこか不気味さの漂うボーカルと、多様な音楽性が混在するトラックで国内外から注目を集め、『Orca』はアメリカ・オハイオの「Orange Milk」と日本の「EM Records」のダブルネームでリリースされた。
「2019年にTHE M/ALLというフェスで一緒になってからSNSをみていたら、非常におもしろい取り組みをたくさんやっているなということで好きになりました」とermhoi。「このアルバムは。90’sの記憶がカオスにかっこよく溶けて美しく最高なBling Blingになって自分の胸元で輝いてるって感じが好き。特にお気に入りの曲は『On Divination in Sleep feat. Dove』と『Lán sè』。田舎道を走って、海辺に行って、泳いで疲れて帰ってくるときに聴きたいです」
2『Ookii Gekkou』Vanishing Twin
Vanishing Twin(ヴァニシング・ツイン)は2015年に結成されたイギリス・ロンドンのサイケデリック・ポップ・バンド。『Ookii Gekkou』はアフロファンク、アウタージャズ、アバンギャルドなどさまざまな要素を取り入れた、バンドの新たな境地となる約2年振りのサード・アルバムだ。
「WONK、millennium paradeの江崎文武が教えてくれてから聞き始めました。声がとにかく好き。ペンタングルを彷彿とさせるフォークさとサイケデリックさがグッときました。曇りの日の午前中、コーヒーを淹れながら聴きたいです」
3『Shout Out! To Freedom…』Nightmares On Wax
イギリス・リーズ出身、スペインのイビザを拠点に活動するNightmares On Wax(ナイトメアズ・オン・ワックス)。イギリスの先鋭的なレーベル、ワープから30年以上に渡り作品をリリースし、シーンを牽引し続けているチル〜ダウンテンポの巨匠だ。
ermhoiが彼の曲に出会ったきっかけはApple Musicのプレイリスト。「特に好きな曲は『3D Warrior』と『Wonder』。Blood Orangeや、KAYTRANADA、Frank Oceanなどのサウンドが元々好きなので、自由でグルービーなトラックに心惹かれました。『Wonder』のMVもとっても素敵です。聴きたいシチュエーションは、ナイトドライブ!」
【番外編】『DREAM LAND』ermhoi
ermhoiは最新アルバム『DREAM LAND』を21年12月15日にリリース。エレクトロ、アンビエント、オルタナティブなどさまざまなジャンルの要素を取り入れたサウンド、ermhoiの美しくもどこか陰のある歌声が神秘的な一枚だ。彼女が今回紹介してくれた偏愛ミュージックたちとあわせて楽しんで。
2021年、あの人の偏愛ベスト・ミュージック
Edit & Text:Mariko Kimbara