時代を超えて愛される、伝説のアイコンシューズ|vol.4 MAISON MARGIELA
たった一足の靴がロングセラーとなり、そのブランドの象徴になることがある。そして小さなアイテムでありながら、いつしかブランドのスタイルになくてはならない存在に。ここではファッショニスタなら誰もが知るブランドのアイコンシューズの歴史をひもとき、最新作とともにその魅力にフォーカスする。vol.4はメゾン マルジェラの「タビ」。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年9月号掲載)
メゾン マルジェラの「タビ」
1989年春夏シーズンに初めて発表され、斬新なデザインでモード界にセンセーションを巻き起こしたのがメゾン マルジェラの「タビ」ブーツ。世界初の旗艦店を日本にオープンしたことでもわかるように親日家だった創始者、マルタン・マルジェラが、日本の足袋にインスパイアされて生み出したブーツだ。
従来の靴にはない二股のトゥ、ぴったりと足首に沿う従来にはない革命的なデザインは、瞬く間にモード好きの心を捉えた。一目でそれとわかるディテールを持ち、履くだけで独創的でアーティスティックなスタイルが完成する。
当初はブーツだけで展開されていたが、2017年春夏からクリエイティブ・ディレクターに就任したジョン・ガリアーノが「タビ」をブーツのみならず多彩なシューズに再解釈。既存のルールに捉われない実験的なメゾンのDNAを表現したジェンダーレスなシューズは、進化しながら未来へと継承されていく。
2021年
(左から)ローファー ヒール1.5cm ¥130,900、ジムナストシューズ ヒール0.5cm ¥107,800
(左から)サイドゴアブーツ ヒール2.5cm ¥147,400、白のレースアップシューズ ヒール5cm ¥152,900
(左から)ベーシックな「タビ」ブーツ。ライナーはオーガニックコットン。 ヒール8cm ¥154,000、キャンバススニーカー ¥78,100/すべてMaison Margiela(マルジェラ ジャパン クライアントサービス 0800-000-0261)
Photos : Kouki Hayashi (some photos) Edit &Text : Hiroko Koizumi