時代を超えて愛される、伝説のアイコンシューズ|vol.1 CHANEL
たった一足の靴がロングセラーとなり、そのブランドの象徴になることがある。そして小さなアイテムでありながら、いつしかブランドのスタイルになくてはならない存在に。ここではファッショニスタなら誰もが知るブランドのアイコンシューズの歴史をひもとき、最新作とともにその魅力にフォーカスする。vol.1はシャネルの「バイカラーシューズ」。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年9月号掲載)
シャネルの「バイカラーシューズ」
1957年、ガブリエル シャネルがエレガンスの仕上げとして生み出したのが、ベージュとブラックのバイカラーのスリングバックシューズ。どんなルックにも合うこの靴の登場は、靴は服の色に合わせた単色が主流という当時の古いエレガンスのルールに革命を起こした。肌になじむベージュで脚を長く、トゥの黒で足を小さく見せる視覚効果を狙い、実用性を重んじたガブリエルらしく天候や着用によるダメージから守ることまで考慮。安定感のある5cmのブロックヒールは、社会進出を始めた活動的な女性たちにもマッチした。
この靴をガブリエルの依頼で製作したのは、現在もなおメゾンとクリエーションをともにする1847年創業の靴のアトリエ、マサロ。継承するヴィルジニー・ヴィアールによる2021-22年秋冬コレクションの表情豊かに表現された「バイカラーシューズ」の数々が、この靴が元来持つデザインの力を物語っている。
2021年
(左から)ブルーのフラッフィー素材とのコンビ。(参考色)ヒール4cm ¥257,400、フューシャのツイード使い。(参考色)ヒール1cm ¥159,200
(左から)ショートブーツにカバリングした二重構造。ヒール5cm ¥291,500、シルバーのシークインと。ヒール1cm ¥159,200
キルティング×パテントカーフ。ヒール1cm ¥159,200/すべてChanel(シャネル カスタマーケア 0120-525-519)
Photos : Kouki Hayashi (some photos) Edit &Text : Hiroko Koizumi