見て感じるボディ【8】アンリ・マティス | Numero TOKYO
Art / Feature

見て感じるボディ【8】アンリ・マティス

アーティストたちの目に体はどのように映るのだろう。 それは大きさを変え、形を変え、体の新しい一面を、新しい可能性を教えてくれる。 体には、まだまだ私たちの知らない自由な世界が広がっているのだ。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年6月号掲載)

『IX フォルム(『ジャズ』より)』 1947年 石橋財団アーティゾン美術館蔵
『IX フォルム(『ジャズ』より)』 1947年 石橋財団アーティゾン美術館蔵

アンリ・マティス

『IX フォルム(『ジャズ』より)』

大胆に、かつ生き生きと。シンプルな線だが、女性のボディを彷彿とさせるアンリ・マティスの『IXフォルム』(シリーズ作品『ジャズ』より)。「フォーヴィズム(野獣派)」作家の一人として絵画を描き続けてきたマティスだが、晩年病に冒されたことをきっかけに、74歳にしてこのコラージュシリーズを作り始めたという。「色彩の魔術師」と呼ばれたマティスが、まさにジャズを奏でるように生き生きと作品に向き合う様子が浮かんでくる。

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Text : Akane Naniwa Edit : Keita Fukasawa, Chiho Inoue, Sayaka Ito, Mariko Kimbara

Profile

アンリ・マティス Henri Matisse 1869年、フランス帝国ル・カトー=カンブレシ生まれ。「色彩の魔術師」として名高い、20世紀を代表する画家の一人。豊かな色彩で人間の感情や感覚を表現する「フォーヴィズム」のリーダー的作家としても知られた。1954年没。なお、アーティゾン美術館で9月5日(日)まで開催中の「STEPS AHEAD:Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」にて、素描を中心とした作品を展示中(本作は展示なし)。

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