見て感じるボディ【2】ロン・ミュエク | Numero TOKYO
Art / Feature

見て感じるボディ【2】ロン・ミュエク

アーティストたちの目に体はどのように映るのだろう。 それは大きさを変え、形を変え、体の新しい一面を、新しい可能性を教えてくれる。 体には、まだまだ私たちの知らない自由な世界が広がっているのだ。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年6月号掲載)

『スタンディング・ウーマン』 撮影 : 小山田邦哉 十和田市現代美術館蔵
『スタンディング・ウーマン』 撮影 : 小山田邦哉 十和田市現代美術館蔵

ロン・ミュエク

『スタンディング・ウーマン』

一目で圧倒される、その迫力と存在感。肌やしわ、透き通る血管、髪の毛の一本一本までをも精密に再現しながら、大胆なスケールで人物像を作り上げるロン・ミュエク。高さ4m近いこの女性像『スタンディング・ウーマン』は、鑑賞者と目を合わせることなく、視線を外に向けている。移ろいゆく光とともに表情を変える巨大な女性の姿を見ていると、彼女が過ごしてきた人生や人間の生死について、思わず想像をめぐらせずにはいられない。

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Text : Akane Naniwa Edit : Keita Fukasawa, Chiho Inoue, Sayaka Ito, Mariko Kimbara

Profile

ロン・ミュエクRon Mueck 1958年、オーストラリア・メルボルン生まれ。子ども向けテレビ番組の制作、映画の特殊効果や広告業に長年携わった後、アーティストへ転身。父の死を克服するために制作した彫刻『Dead Dad』で注目を集める。サンフランシスコ近代美術館、フォートワース現代美術館(ともにアメリカ)など、世界各地の美術館やギャラリーに収蔵。本作品は十和田市現代美術館(青森県)にて常設展示されている。

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