森で暮らす人たち 【4】Sumally Founder & CEO 山本憲資の場合
子どもの成長のため、仲間との時間のため、趣味のため、そしてもちろん自分自身のため。都会での居場所を持ち続けながら森に自分の住まいを見つけた人たちに、森での暮らしの喜びを教えてもらった。【4】Sumally Founder & CEO 山本憲資の場合(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年3月号掲載)
「好き」を堪能する、深緑の中の理想宮
山本憲資 Sumally Founder & CEO
軽井沢駅から車で15分。サマリー代表の山本憲資は、半年かけて平屋をフルリノベーションしたせせらぎ沿いの小屋を「游獅(ゆうし)山荘」と呼ぶ。獅子座の自分が心の赴くままあそぶ姿をイメージしたネーミングだ。 「落ち着いた環境が気に入り、昨夏に拠点を移しました。うっそうとした木々に囲まれた森の中で静寂に包まれ、四方のガラス窓からは自然光が透過する。特に朝日を浴びるときには幸せを感じますね。夜はかなり暗くなりますが、空気が澄んでいるので星がよく見えます。毎日がグランピングのような感覚に近いと思いますね」。アートを味わう趣味についても、森に囲まれて豊かな自然を身近に感じながら生活することでプリミティブな感覚が研ぎ澄まされ、アートと接する愉しみも増幅しているそう。大きな窓の上にはジェニー・ホルツァーの電飾も鎮座する。「作品を所有することよりも、アーティストの視点について思いを巡らせるのが好きなんです。アーティストの知人がここに来てくれて、あれやこれや話したり」。
この空間では、大好きなクラシック音楽も存分に堪能する。「軽井沢という立地もあり友人も近くに住んでいますし、東京からも頻繁に遊びに来てくれます。最新のプレーヤーと大型スピーカーを設置していて音響には満足していますが、 いつかこの環境下で、小さなクラシック音楽のコンサートを開催できたらいいなと思いますね。生の演奏をこの環境で聴けたら、どれだけ気持ちいいか。想像するだけでもわくわくします」
Photos:Anna Miyoshi Interview & Text:Aika Kawada Edit:Sayaka Ito, Mariko Kimbara, Chiho Inoue