舘鼻則孝ディレクション『江戸東京リシンク展』オンラインにて開催 | Numero TOKYO
Art / Feature

舘鼻則孝ディレクション『江戸東京リシンク展』オンラインにて開催

舘鼻則孝と東京の伝統産業のコラボレーション作品より。和敬塾 旧細川侯爵邸での展示風景。 背景は舘鼻の絵画作品、右はうぶけやの花ばさみをアクリルに浮遊させた作品。
舘鼻則孝と東京の伝統産業のコラボレーション作品より。和敬塾 旧細川侯爵邸での展示風景。 背景は舘鼻の絵画作品、右はうぶけやの花ばさみをアクリルに浮遊させた作品。

『ヒールレスシューズ』をはじめ、日本文化の「RETHINK」に取り組むアーティストの舘鼻則孝(たてはな・のりたか)。東京の伝統産業の担い手とコラボレートした展示が歴史的建築のオンライン空間にて公開される。いざ“東京の至宝”再発見へ!(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年4月号掲載)

舘鼻則孝と東京の伝統産業のコラボレーション作品より。伊勢半本店の小町紅で玉虫色に染めた『ヒールレスシューズ』。
舘鼻則孝と東京の伝統産業のコラボレーション作品より。伊勢半本店の小町紅で玉虫色に染めた『ヒールレスシューズ』。

あらゆる常識が問われる時代のなかで、東京という都市の魅力を見つめ直す気運が高まっている。ではずばり、“東京らしさ”とはなんだろう?「この現代の街に、洗練された工芸文化が時代を超えて受け継がれていることに驚かされた」。そう語るのは、花魁(おいらん)の高下駄に想を得た『ヒールレスシューズ』で知られるアーティストの舘鼻則孝。

舘鼻則孝と東京の伝統産業のコラボレーション作品より。伊勢半本店の小町紅で雷と雲を描いた作品。
舘鼻則孝と東京の伝統産業のコラボレーション作品より。伊勢半本店の小町紅で雷と雲を描いた作品。

日本文化の過去を見直し現代に表現する「RETHINK」を掲げる彼の新たなプロジェクト。それは、東京の伝統産業の価値や魅力を現代アートへ昇華する試みだった。染物や江戸切子など匠の技から、食文化、ファッションまで。これら技術や産品を東京の“宝物”として世界へ発信する「江戸東京きらりプロジェクト」の一環で作品を制作、ディレクションを手がけた展覧会が幕を開ける。

舘鼻則孝と東京の伝統産業のコラボレーション作品より。龍工房の組紐を用いた『ヒールレスシューズ』。
舘鼻則孝と東京の伝統産業のコラボレーション作品より。龍工房の組紐を用いた『ヒールレスシューズ』。

展示空間は1936年竣工、和洋折衷の意匠に輝く華族邸宅「和敬塾 旧細川侯爵邸」(東京都指定有形文化財)。昨年の開催予定を変更し、オンライン上で実空間さながらの展示体験を届けるという。絶えざる“今”を積み重ねてきた東京カルチャーの歴史的地層、日々注(つ)ぎ足されてきた秘伝の感性から、まだ見ぬシンボルを導く試み。流行と伝統が無意識に共存する街・東京――まずはその再発見から始めよう。

本展に参加した東京都の伝統産業事業者の制作風景より。東京くみひも 龍工房。糸作り〜組みまでを手がける都内唯一の組紐工房。
本展に参加した東京都の伝統産業事業者の制作風景より。東京くみひも 龍工房。糸作り〜組みまでを手がける都内唯一の組紐工房。

本展に参加した東京都の伝統産業事業者の制作風景より。小町紅 伊勢半本店。江戸時代の製法を受け継ぐ唯一の紅屋。
本展に参加した東京都の伝統産業事業者の制作風景より。小町紅 伊勢半本店。江戸時代の製法を受け継ぐ唯一の紅屋。

本展に参加した東京都の伝統産業事業者の制作風景より。 刃物 うぶけや。江戸時代以来、打刃物の製造販売を手がける。
本展に参加した東京都の伝統産業事業者の制作風景より。 刃物 うぶけや。江戸時代以来、打刃物の製造販売を手がける。

「江戸東京リシンク展」

会期/2021年3月1日(月)〜終了日未定
オンライン開催(詳細は下記サイト参照)
https://edotokyorethink.metro.tokyo.lg.jp/

Edit & Text : Keita Fukasawa

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