Culture / Feature

うつわショップに聞いた、心躍るうつわ　vol.4 蔵前「SyuRo」

2020.12.31up

自宅で過ごすホリデーシーズン。特別な日の食卓を華やかに彩り、毎日使えるうつわを今こそ手に入れたい。東京の気になるギャラリーやショップに、おすすめのうつわを伺った。最終回は、古くからのクラフツマンシップを受け継ぎ、新しいクリエイティビティを生み出している蔵前エリア「SyuRo(シュロ）」へ。

蔵前らしい、町工場や住宅が並ぶ東京・台東区鳥越。ビルの1階にひっそり佇むSyuRoは、高く吹き抜けた天井に打ちっぱなしのコンクリートの無機質な空間に、うつわから衣類、スキンケア用品までさまざまな日用品が並ぶ。

SyuRoは、オーナーの宇南山加子（うなやまますこ）さんが空間ディスプレイや生活雑貨などを企画・ディレクションする会社として1999年に立ち上げたブランド。2008年に、オリジナル商品やセレクト商品を販売するショップをオープンした。

「シンプルだけど素材感がしっかりしていて、使っているうちに味が出てくるような、“五感に響く”商品を扱っています。また、日用品を扱うお店というと、一般的に女性のお客様がお買い物されるイメージもありますが、SyuRoではジェンダーレスな商品展開を目指しています。だから女性はもちろん、男性のお客様や、男性へのギフト目的で来店される方も多いんですよ」と店長の石洞（いしほら）さん。

オリジナル商品は海外の小売店にも卸しており、人気を博している。「和洋問わずに使える商品が多く、とりわけ北欧やヨーロッパの方に共感していただいています」

炻器ディーププレート（上段）Sサイズ　黒、ブルー、グレー各¥3,800　（中段左）Lサイズ　白　¥7,800　（中段中央）Mサイズグレー ¥6,500　（中段右）Lサイズ　ブルー¥7,800　（下段左）Lサイズ　黒¥7,800　（下段右）Sサイズ　白¥3,800／すべてSyuRo

経年変化を楽しめる炻器シリーズ

SyuRoオリジナルの炻器（せっき）のシリーズは定番の人気アイテム。急須などに使用される鉄分が多く含まれた土を焼き締めた、吸水性のない堅いうつわを中心に色展開する。“石や鉄にそのまま料理を盛り付ける”というイメージで作られた。

「鉄分が多く含まれているので、使い込むうちに料理の油分が馴染んで色合いがトーンダウンしていくんです。育てていくようで楽しいと気に入ってくださる方が多いですね」

「奥が新品、手前が3ヶ月使用後です。グレーは一番色の変化がわかりやすいです」炻器プレート Sサイズ　グレー¥2,600／SyuRo

電子レンジのほか、オーブンも260℃まで使用可能、食洗機にも対応。プレート、深みのあるディーププレート、ボウルの3タイプあり、それぞれ3〜４サイズ展開なので、シリーズで使いやすく、重ねて収納しやすい。日々の暮らしで使うための細かな工夫や配慮が凝らされたシリーズだ。「寒いこの時期には暖かい煮込み料理も載せられる深さのあるディーププレートが特に人気です」

敷板（グレー、白）¥3,800／ハタノワタル　竹箸¥1,500／SyuRo

正方形の敷板はハタノワタルさんの「敷板」という作品。「アルミ板に和紙を貼ったもの。アートピースとして飾るのはもちろん、和菓子など、油分の少ない乾いたお料理やお菓子を載せて。耐水加工もしてあるので、水洗いも可能です」

上に添えたのは、SyuRoオリジナルの竹箸。すっと長く細身で、とても軽い。「ワンサイズ展開なので、手の大きい方でも使いやすいよう長めに作りました。また箸さばきがしやすいよう、細めの作りに。SyuRoはホテルやレストランなどのテーブルウェアのディレクションも手掛けていて、このお箸はレストランにも使用して頂いています」