2020年、あの人の偏愛ベスト・ミュージック vol.2 Maika Loubté
サブスクリプションサービスが勢いを増し、ますます音楽のトレンドが細分化された2020年。パーソナライズされたプレイリストは心地よく楽しいけれど、そろそろ飽きてきたのでは? そこで、音楽をこよなく愛するヌメロ注目のアーティストに、2020年の超・偏愛ベスト・ミュージックを大調査! 新たなお気に入りの一枚を見つけて。
第2回目は、エモーショナルなエレクトロミュージックを奏でるシンガーソングライター、トラックメイカーのマイカ ルブテ。
休日に口ずさみたい、ベッドルームミュージック
『Mixed Feelings』Limbo
Limboはアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ出身のシンガーソングライター。落ち着いたR&Bビートに乗せた浮遊感のあるドリームポップサウンド、そして猫の仮面をかぶったファンシーなヴィジュアルが特徴。作曲からプロデュース、ミキシングからマスタリングまで、すべてのアウトプットを自身で行うスタイルはマイカ ルブテにも共通する。
「2020年のはじめに知人に教えてもらいました」とマイカ ルブテ。「聴いてみたら最高だったので、何か一緒にやれないかな?とLAにいる彼女にメッセージを送りました。するとすぐに返事をくれて、一緒にインスタグラムでライブ配信をすることに。日本が大好きみたいです。コロナ禍だったからこそオンラインで出会えた、大切なミュージシャン」
『Mixed Feelings』はLimboが2月にリリースしたアルバム。「すごくキャッチーで誰もが口ずさめそうなメロディの曲を、ベッドルームミュージック的なサウンドと控えめなボーカルでめちゃめちゃソフトに伝えてくれるところが好きです。不思議な安心感をくれます」
「家で掃除とかしているときに、アルバムをリピートで流していました。特に”I Like You, You Like Me”と”The First Time”という曲が好き。特に家でゆっくりできる日に、聴きたくなります」
やる気がでないときに聴く、“心のランニングマシン”
『Mind Your Head』Sha Sha Kimbo
Sha Sha Kimboはアメリカ・ロサンゼルスをベースに活動するDJ、プロデューサー。ファーストアルバム『Mind Your Head』は90年代のレイヴシーンにオマージュを捧げたアルバム。
「イギリスのウェブメディア『Fact Magazine』のインスタグラムで彼女のMVが紹介されていて知りました。90sっぽいビートミュージックなんですが、わけがわからないまとまり方しているところが好き。ビートに変なズレをあえて施してるところや、ふとしたチープさがたまらないです」
「やることがあるのになんだかだるくてやる気が出ないときに聴きたい。“心のランニングマシン”と呼ばせていただいてます。いつか野外フェスの真夜中のステージとかでも聴きたいですが、VRで再現した不思議クラブや仮想空間で爆音で聴くのも合いそうですね」
透明感と疾走感。晴れた日の公園で聴かせたい一曲
『No Place (feat. Lali Puna) [Jacques Greene Remix]』Amtrac & Jacques Greene
アメリカ・ケンタッキー州出身のプロデューサー、DJのAmtracが、ドイツのエレクトロポップ・バンド、Lali Puna(ラリ・プナ)をフィーチャリングして制作した楽曲「No Place (feat. Lali Puna)」。その曲を新世代のハウス・プロデューサーとして活躍するJacques Greene(ジャック・グリーン)がリミックス。
「もともとLali Punaが大好きで、その関連作品としてリリースされているのを見て知りました。包み込まれるような透明感と、ビートの疾走感。5分以上ある曲なのに、まったく長く感じられませんでした」
「2020年の夏に自宅からDJ配信をしたとき、かけました。空が晴れている日に、公園にスピーカーを持ち込んで聴きたい。というか聴かせたいです(笑)」
Edit & Text: Mariko Kimbara