秋を味わう珠玉のパフェ Vol.6 ストリングスホテル東京インターコンチネンタル
食の誘惑が満載の秋。おいしいものは数あれど、スイーツ好きなら外せないのがパフェ。ずっと眺めていたくなる麗しい造形に、グラスに広がるめくるめく味覚のハーモニーはさながら小宇宙。見ても食べても幸せになれる秋の新作を、三度の飯よりパフェを愛するエディターが徹底解剖します。第6回は、ストリングスホテル東京インターコンチネンタルの「ストリングス・パフェ」。
品川駅港南口からすぐ。アクセスしやすい都会の真ん中にありながら、抜群の眺望を誇るシックな雰囲気のストリングスホテル東京インターコンチネンタルは、ファンの間ではよく知られたパフェの名所。この連載ではホテルを中心に紹介してきましたが、それは最高のサービスを受けられてかつ落ち着いたムードのなかパフェに集中できるから。ホテルという環境はパフェにぴったりだと思っています。実は初めていただくストリングスホテル東京インターコンチネンタルのパフェ。11月末までぶどうとマロンキャラメルの2種を提供中です。
まずは「ぶどう」をいただきます。シャインマスカットと巨峰が美しく整列した姿に萌えます。断面もとても美しく、何が入っているのか期待が高まるばかり。
一番上にあるのは、なんとざくろのソルベ。珍しいですよね! 鈴木シェフ曰く、甘さだけじゃなく渋みも感じていただきたいとのこと。シェフがパフェを作るときに大事にしているのが、「季節感、素材の相性、甘さや軽さのバランス」。その三拍子揃った理想的なパフェがこちらというわけです。ぶどうはその時々で旬なものを仕入れているそう。
その下には定番のバニラアイス。そして、軽くて滑らかでやみつきになったのが生クリーム。北海道・根釧地区のものを使用し、脂肪分が高いものと低いものを合わせて作っているそうです。「コクがあってキレがあって乳味も豊か」なのが特徴と鈴木シェフ。この生クリームだけ別添えにして大盛りでくださ〜い!
生クリームの下には、渋みを活かしたざくろのゼリー。そして白ぶどうのコンポートが続きます。コンポートは白ワインで煮ていてお酒がきいているオトナの味。ここからちょっと雰囲気が変わります。そしてまた先ほどの生クリームを重ねて、その下のカットしたマスカットで食感をプラス。グラスをぐるっと囲んだ可愛いパールクラッカン(ここに少し隙間ができているのが美しい!)を挟み、ほんのりぶどう色のパンナコッタはつるっとした質感とミルク感でまた味わいに変化が。さまざまな趣向を凝らした層が一体となって、味のハーモニーを奏でます。一番底は、赤ぶどうのゼリー。白ぶどうも赤ぶどうも、それぞれの味を飽きずに楽しめる計算し尽くされたパフェ。そして見た目の盛り盛りさに反してとても軽いのでペロリと食べられちゃうはずです。
マロンキャラメルのパフェに行く前に、しょっぱいものを食べて小休止。こちらのトリュフ風味フライドポテトは、アフタヌーンティーのお客様が追加で注文するほど大人気だとか。確かにこれ、塩気と甘さの永遠ループができちゃいます。手が止まらなくなる…これは危険…!! フライドポテトも一緒にオーダーしちゃいましょう!
さて、もう一方のマロンキャラメルをいただきます。なんて斬新なデザイン! 塩キャラメルのアイスクリームとカシスのソルベの上に、もったり濃厚なフランス産マロンクリームを絞ったものが髷のように置かれ、メレンゲスティックがオブジェのように飾られています。
最初の段階ではアイスクリームは一つだけだったそう。それがダブルにグレードアップ! コクのある塩キャラメルのアイスに、果肉の入った甘酸っぱいカシスのコントラストある組み合わせが最高です。一面に敷き詰められたザクザク食感のクランブルを掘ると、ミルクチョコレートのクリームの間から、刻んだ栗の渋皮煮が現れます。その下には生クリーム、ほうじ茶のゼリーが連なります。鈴木シェフ曰く、ほうじ茶とミルクチョコレートの組み合わせは鉄板だそう!香ばしさのあるほうじ茶だけれどプルプルしたゼリー食感なのがまたユニークです。
食べ進めると、キャラメルのパンナコッタとご対面。チョコレートのクリームを挟み、最後はカシスのゼリーの爽やかな酸味で締めくくります。濃厚なマロンにほろ苦いキャラメル、香ばしいほうじ茶、酸味のカシスなど、気の利いた合わせ方がさすがです。こちらも重くならず最後までコンビネーションの妙を美味しく楽しめます。
ぶどうと栗、どちらも食べたいという人には、デュオ・パフェ(パフェ2種とドリンクのセット)¥5,500(税・サービス料別)という素敵なセットも! 今の時期だけの秋の味覚が詰まったパフェをぜひご堪能ください♡