2022年春夏のトレンド「Y2Kスタイル」攻略ガイド | Numero TOKYO
Fashion / Feature

2022年春夏のトレンド「Y2Kスタイル」攻略ガイド

数年前からじわじわ来ていたY2Kスタイルが、満を持してモード界に降臨。2022年春夏コレクションには当時を思わせるスタイルがたくさん登場している。主要なルックをキーアイテムごとにカテゴライズ。スタイリングのコツもランウェイから学ぼう。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年5月号掲載)

1. Crop Top | クロップトトップ

ハイウエストとも相性◎

おなかを見せるとY2K度が高まるが、下っ腹は断じて封印! という人は、ハイウエストのボトムにクロップトトップを選んでもいい。肌をちら見せするだけで大胆さは出るし、惜しげもなく露出するよりも大人っぽくなる。ベアトップといった当時のギャルたちの愛用品を再現したようなアイテムもあるが、今季ならではなのがミュウミュウ。ベーシックなセーターやシャツなどの丈を極端に短くするだけで斬新な見え方になることを証明した。

2. Low-rise Bottoms | ローライズ

ウエスト位置はおへそ下マスト

ウエストの位置がおへその下になるミニスカート、ジーンズ、ベルボトム、カーゴパンツ、ショーツなどが登場。ドルチェ&ガッバーナやミュウミュウのようにウエストからアンダーウェアをのぞかせる懐かしいスタイリングも。アフターコロナに向けての解放感を表現するためにスポーティなボトムを採用し、落としてはく提案も多かった。丈が短いトップを合わせるのが理想だが、トップをインしたとしてもボトムを腰ではくとムードが出る。

3. Bra Top | ブラトップ

Y2K人気モチーフ型も

リゾートやスポーツをイメージして水着を発表するブランドも多く、その流れでブラトップも豊富に見られる。中でもど真ん中なのは2000年代のポップシーンから着想を得たというブルマリン。Y2Kスタイルの必須モチーフ、バタフライをかたどったブラトップ+ローライズジーンズは最強のスタイリングといえそう。同じく00年代ファッションを再解釈したというドルチェ&ガッバーナのようにアウターを羽織ると取り入れやすい。

4. Micro Mini skirt | マイクロミニ

生脚も思い切り出す

おなかだけではなく、生脚も堂々と披露するのがY2K流。今季ミニスカートはトレンドの筆頭だが、ここではより一層短くありたい。そしてこちらもローライズ、さらにタイトやボックス型がおすすめ。フェンダーチェのようにデニム素材やY2Kのテーマカラー、ピンクだとムードが高まる。アクセサリーとして、大きめのバックルのベルトをしても。

5. Voluminous Leg-wear | ボリューミーな足元

平成ギャルのルーズソックス風!?

日本では昨年頃から若い世代の間でルーズソックスが再流行しているようだが、まるで1990年代後半の女子高生のようなバランスが今季ランウェイに。当時のエネルギーあふれる「コギャル」を目の当たりにしていたデザイナー、井野将之が手がけるダブレットにボリューミーなレッグウォーマーが登場したほか、ドルチェ&ガッバーナにもフリンジ付きの膝丈ブーツが。

6. Hot Pants | ホットパンツ

超ショート丈が復活

1970年代に生まれたといわれる「ホットパンツ」というワード。丈が短くタイトなシルエットが主流で、ここのところ鳴りを潜めていた。それが時を経てそう呼びたくなるパンツが急浮上。本命のデニム素材はともすれば下品になってしまう恐れもあるが、シックに着る方法も。レトロなフォルムや抑えた色みにして、アウターでカバーすれば大人でもトライできそう。

7. Sparkly Dress | キラキラドレス

カラフルな輝きも必須

Y2Kのギャルたちは携帯電話や手帳に至るまで、ラインストーンやスパンコールといったキラキラ光る装飾でこれでもかと「デコる」のが常だった。今季はパーティやナイトアウトを夢見てか多くのブランドから華やかな光り物アイテムが発表されているが、Y2K気分で着るならカラフルなミニドレス。タイトなシルエットやピンクを選んで、生脚+ヌーディなサンダルで。

Y2Kスタイルは一歩引いて楽しむ


大胆に肌を見せ、盛るのには気合いがいる。Y2Kギャルたちは着飾ることに大いに情熱を傾けていた。新型コロナウイルス終息への出口が見えかけている今、そんなやる気にみなぎる華やかなY2Kスタイルが魅力的に見えるのは当然のことなのかもしれない。なかでも、当時の人気ブランド、ジューシークチュールのベロアのジャージといったラウンジウェアの類よりも、おしゃれをして遊びに出かけるときに着たいアイテムのほうが気分だ。露出が多く派手なY2Kスタイルは下品になってしまう恐れがある。当時をそのままコピーするのではなく、素材や色柄がアレンジされているアイテムを選び、「あえて」やっている、という一歩引いた態度を表現するのが成功の秘訣なのでは。ともあれパワフルで楽観的なY2Kスタイルは見ているだけで思わず笑顔になってしまう。世界情勢に不穏な空気が流れている昨今だが、心おきなくファッションを楽しめる日が来ることを切に願う。



llustration & Text:Itoi Kuriyama

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