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Culture Post

少女の毒を味わうための映画4選

“少女”たちが持っている特有の毒を描いた、読むものの心にこびりつく、“少女”をモチーフにした映画を厳選ピックアップ。(「ヌメロ・トウキョウ」2018年6月号より)


©ExNihilo/Bluelightl’EcoleLtd/UKFilmCouncil/LesAteliersdeBaere/GimagesFilms/LoveStreamsProductions

『エコール』

表裏一体をなす少女の「美」と「醜」

外界と遮断された森の中の寄宿学校。男性のいない世界で暮らす少女たちの元に、棺桶に入れられた“新入生”がやって来るところから物語は始まる。楽園のような世界の中で、互いを静かに牽制しあいながら謎めいた規律を守り、生物学とバレエのレッスンに励む少女たち。妖精のごとき清純な美と、集団で規律を盲信してしまうグロテスクさ。少女たちの美醜が織りなす退廃的な世界は、目を逸らせなくなる妖しい魅力に満ちている。

監督・脚本/ルシール・アザリロヴィック
出演/マリオン・コティヤール、エレーヌ・ドゥ・フジュロール

『エコール』
DVD ¥2,500 発売中
販売元/ハピネット


©LesProductionsBagheera,France2Cinéma,LoveStreamsagnesb.productions

『ヴィオレッタ』

芸術を追い求めた母子の悲しき末路

多忙な写真家の母に代わり、祖母に育てられたヴィオレッタ。自分をモデルとした母の写真が話題になると、母をつなぎとめるため撮影へ積極的に協力しはじめる。撮影ごとにコケティッシュさが増すヴィオレッタだが、日常でも艶かしい姿で過ごすようになる。過激な要求を止めない母に耐えきれず「普通の少女に戻りたい」と娼婦のような姿で泣き叫ぶヴィオレッタ。成長よりも速く堕落する彼女の様子は、切なさ以上の感情を呼び起こす。

監督/エヴァ・イオネスコ
出演/イザベル・ユペール、アナマリア・ヴァルトロメイ

『ヴィオレッタ』
BD ¥4,800
販売元/インターフィルム


©2014「渇き。」製作委員会

『渇き。』

純度の高い少女性は善悪をも超越する

別れた元妻から優等生の娘・加奈子が失踪したと聞き、行方を追う元刑事の藤島。交友関係から知られざる娘の素顔が暴かれるごとに、藤島は愛憎入り交じる狂気に取りつかれる。魅惑的な笑顔で老若男女を虜にし、自分の手は汚さずに人々を血の池に沈める、悪魔のような加奈子。だが暴力の動機に潜む想いを知ると、彼女を憎みきれなくもなる。肝の座った少女だけは敵に回してはいけないと痛感する、過激かつ極限の愛を描いた作品。

監督/中島哲也
出演/役所広司、小松菜奈

『渇き。』
DVD ¥4,800
発売・販売元/ギャガ


©2016「少女」製作委員会

『少女』

悪意渦巻く日々を綱渡りする女子高生

人が死ぬ瞬間を見たいという願望に取りつかれた女子高生の由紀と敦子は、願いを叶えるべく夏休みにそれぞれボランティア活動を始める。そして小説を盗作された由紀の復讐を機とした、不幸の連鎖も静かに始まりつつあった。登場する少女全員が闇を抱え、誰もが気軽に人を傷つける、悪意の見本市のような本作。悪意が招く不幸の連鎖が明かされるラストで、連鎖が止まる描写がないことが、この作品のいちばんの恐ろしさともいえる。

監督/三島有紀子
出演/本田翼、山本美月

『少女』
DVD ¥3,800
発売・販売元/ポニーキャニオン

Text:Miki Hayashi, Tomoko Ogawa Edit:Sayaka Ito

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