無書店地域の増加という社会問題に挑む、
移動式書店「BOOK BUS by VALUE BOOKS」
長野県上田市を拠点に古本の買取販売を行っている「バリューブックス」が、社会問題となっている無書店地域の増加に待った!をかけるべく、2017年夏、移動式書店「BOOK BUS」をスタートした。その活動内容とは?(「ヌメロ・トウキョウ」2018年6月号掲載)
BOOK BUSの母体であるバリューブックスは長野県上田市を拠点に、古本の買取販売を行っている。買い取った本を新たな持ち主に届ける本の循環を目指し、実店舗での販売のほか、施設に本を贈り届ける活動、震災で被害を受けた陸前高田市の図書館の再建プロジェクトなどを展開している。
移動式書店BOOKBUSをスタートしたのは2017年の夏。「『日本および世界中の人々が本を自由に読み、学び、楽しむ環境を整える』をミッションに、創業からネットを中心に多くの本の販売をしてきました。しかしそれだけでは子どもやお年寄りなどインターネットを使うことができない人たちのもとへは本を届けることができていませんでした。また、社会問題となっている無書店地域の増加もありバスを走らせることにしました」と創業メンバーの1人、市川健吾さん。
1台には約1000冊もの本が揃う。「絵本、小説、趣味、衣食住にまつわる実用書などバランスよく構成しています。イベントのコンセプトに合わせて構成比を変えたり専門的な本を揃えることも」。スタート当初からこれまで長野県内のイベントや無書店地域を中心に出店してきたが、今後はついに県外へも出店。
5月は愛知県蒲郡市の「森道市場」や東京の「Lotusmusic&bookcafe’18」、6月には秋田県「ゆざわグリーンマルシェ」への出店するなど、さらにその活動を拡大させている。「移動販売をすることで書店の無い地域に住む人やあまり本屋に行かない人が本に触れる体験をしてもらえれば」。地道な活動ながら、移動式書店がもたらす意味は大きい。
長野県内のフェスやマルシェといったイベントに出店中。幅広い年齢層が利用するが、特に子連れ客が多く、絵本は安定して反応がよいという。車内にはベンチが設置されていて自由に本を味わえるのも魅力だ。
BOOK BUS by VALUE BOOKS
facebook/@BOOKBUS.ValueBooks
Edit&Text:Etsuko Soeda