Culture / Feature

本&映画で価値観をアップデートしよう【Book編】

見過ごせない時代の移り変わりを敏感に察知しているのは表現者たち。彼らの作品に触れることで、いま私たちが知るべきこと、考えるべきことが見えてくる。さあ、今までの思い込みを捨てて、新しい価値観を手に入れよう。まずは、Book編。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2019年10月号掲載)


『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ/著 くぼたのぞみ/訳(河出書房新社)

フェミニストを再定義する

ナイジェリアの小説家チママンダ・ンゴズィ・アディーチェが、2012年にTED TALKで行ったスピーチをまとめたもの。ビヨンセが歌詞に取り入れたり、ディオールがロゴTシャツを作るなど、世界中に響き渡った彼女の言葉が綴られる。フェミニストとは、男でも女でも、ジェンダーにまつわる問題点を問い、もっと良くしようと思考する人たちである。そう、彼女は明瞭に呼びかける。


『世界の半分、 女子アクティビストになる』
ケイリン・リッチ/著 寺西のぶ子/訳(晶文社)

声を上げることは、怖くない!

フリーライターで、活動家のケイリン・リッチが、女性がアクティビストになる方法を、運動プランの立て方、資金集め、プレス対応など一からわかりやすく伝授。自身も韓国系アメリカ人として、クイアの女性として、周りとの違いに悩んできたからこその視点で、「私が言ったところで何も変わらない」と諦める前に、できることから少しずつ声を上げていくことを教えてくれる。


『よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門』
清田隆之/著(晶文社)

男というジェンダーを理解する

1200人以上の女性たちの失恋話や恋愛相談に耳を傾けてきた著者が、男である自身のダメさも棚に上げることなく、女がモヤモヤする部分についての傾向や問題点を分析。読み込んでいくと、男だから、女だからとはくくれない関係性においてよかれと思ってやってしまったことが蘇って、耳が痛かったりもして。目をふさぐのではなく、耳を傾け、すり合わせをすることの大事さを学べる良著。


『女に生まれてモヤってる!』
ジェーン・スー、中野信子/著(小学館)

設定された女を生きる必要はない

社会模範を「システム」に、女性であるがゆえに抱える課題を「バグ」に例えて語るのは、コラムニストのジェーン・スーと脳科学者の中野信子。「女らしさ」という呪縛や、無自覚のジェンダーバイアスなど、自身の在り方を振り返らずにはいられない一冊。男だったらモヤモヤしないことは「バグ」と思えば、自分のせいと悩まなくて済むというアドバイスに、胸が軽くなる女性は多いはず。


『禁断の果実 3 ―女性の身体と性のタブー』
リーヴ・ストロームクヴィスト/著 相川千尋/訳(花伝社)

女性器の真実、知ってましたか?

スウェーデンの漫画家による風刺ギャグコミックで、女性器に興味を持ちすぎている男たちによって女性の身体が歴史上どれだけ支配されてきたのかをランキング形式で見せながら、性のタブーに正面から挑む。多くの学術書や歴史資料を通して軽妙に語られるのは、ジョークみたいな本当の話。女性器やオーガズムに対する、男女の誤った一般常識を笑いとともに一刀両断してくれる。


『悲しくてかっこいい人』
イ・ラン/著(リトルモア)

疑問を持つことから始めてみよう

シンガーソングライター、映像作家、コミック作家、エッセイストとさまざまな顔を持つ韓国のアーティスト、イ・ランの日々の言葉を綴った一冊。世の中に対する「なぜ?」という純粋な問い、自意識との闘い、人間関係の楽しさ、煩わしさ。目の前でおしゃべりしているかのように、だらだらと赤裸々に語る。最低でも、悲しくても、いつだってユーモラス。それが、彼女のかっこよさである。

Text:Tomoko Ogawa

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