usagi bon ごはん vol.178 車麩のフレンチドーナツ擬き | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.178 車麩のフレンチドーナツ擬き

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載「usagi bon ごはん」。第178回となる今回は最終回、車麩のフレンチドーナツ擬き。

車麩のフレンチドーナツ擬き

作り方1にココアパウダーを入れてチョコレート味にしたり、上からシナモンシュガーをかけたりとお子様にもぴったりな栄養豊富なおやつになります。

【材料】2人分
車麩 4枚
卵 1個
牛乳 180ml
アガベシロップ 10g
バニラエッセンス 数滴
強力粉 少量
バター 20g
メープルシロップ 適量

【作り方】
1. 卵、牛乳、アガベシロップ、バニラエッセンスを混ぜ合わせ、車麩を入れて一晩かけてゆっくり戻しておく。
2. フライパンにバターを入れ、両面に強力粉をつけた1の車麩を中火できつね色になるまで焼く。
3. お皿に2を盛り、メープルシロップをかける。

カタチはドーナツ

僕自身は、基本グルテンフリー。でもアレルギーでは無いのを良いことに、たまにはグルテンも喜んで食べる。たまに食べるから、その美味しさは格別だ。お麩はグルテンの塊の様なもので、全く僕の普段の思考と真逆な食べ物。だけど京都の麩餅も大好物で、実は気をつけつつ楽しむことにしている。

今回のお麩は焼き麩。生麩とちがって保存性がたかい。棒に巻きつけて焼いた車麩は、その様相がまるでバームクーヘン。昔ベルリンのバームクーヘン発祥のお菓子屋に尋ねた時も、先日神戸で見たユーハイムのもそっくりな作り方。ただお麩はせいぜい2回から4回巻きくらいで焼き上がるけれど、バームクーヘンは何層も繰り返し焼かれる。

生麩、焼麩ともに消化吸収のよい植物性タンパク源。強力粉を水で炭水化物をまず洗い流す。折角洗ったのに、その後また小麦粉を加え焼くという不可思議さ。歯応えがサクッと美味しくなる為らしいが、それをまた煮物にしたり、このレシピの様にシロップをかけて柔らかくして食べる。人の食べ物への探究心には全くあっぱれとしか言いようがない。

この連載も遂に今回が最終回。いつも美味しいものを作ってくれる今平シェフと編集者の井上さんに大感謝。読んでくださった皆さん、ぜひ一つでも実践してみてください。これまでありがとうございました。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケ Shinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎 Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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