usagi bon ごはん vol.109 ジンギスカン | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.109 ジンギスカン

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第109回は、ジンギスカン。

ジンギスカン

肉なら鶏でも牛でも、もちろん羊でも可能ですし、焼き魚でも、野菜炒めでもよく合います。これからの季節のキャンプやバーベキューなどにも幅広く活用できる万能調味料です。

【材料】 2人分
豚肩ローススライス 400g
玉ねぎ 1個
チャイブ 少々
クレソン(なくてもよい) 少々

※タレ(作りやすい分量)
りんご  1個
玉ねぎ  1ヶ
醤油   180ml
水    350ml
メープルシロップ 100g
にんにく 2片
生姜   10g
豆板醤  30g
レモン  1個

【作り方】
1. タレを作る。りんご、玉ねぎ、にんにく、生姜はすりおろして、レモンは搾り、皮も全て、調味料と混ぜ合わせておく。(※余ったら、ペットボトルに入れて保管しておくと、便利です)
2. 玉ねぎはくし切り、チャイブは小口切りにしておく。
3. 豚肉全体にタレをたっぷりかけて15秒ほど揉んでおく。
4. フライパンに2の豚肉をのせて焼く。
5. お皿に3を盛り、チャイブをふりかけ、クレソンを添える。

モンゴルは無関係

学生の頃めちゃくちゃ流行った「ジンギスカン」は、そのドイツのグループ名と曲も同じ。前年79年にボニーMが「ラスプーチン」をリリースして大ヒットしたのに追随した、英雄が題材のディスコミュージックシリーズ。当時、個人的には全く興味がなく「ダサいなあ」なんて思っていたのだけれど、流行る曲のパワーは否が応でも始終耳に入ってくる。いつのまにか、口ずさんだりしてしまう自分がいる。「ジ、ジ、ジンギスカン……」「あーいかん。嫌いだ〜」でも今度は鼻歌が出てしまう……。恐ろしい影響力。

ジンギスカン料理は羊肉の焼肉。元になったとされる中国の「烤羊肉串」。かつてモンゴル帝国を率いた英雄ジンギスカン(チンギス・ハーン)の名前を取ってはいるが、実際にはモンゴルの料理とはかけ離れているようだ。また羊肉を用いる中国料理から、日本陸軍の旧満州時代に日本人向けにアレンジされ、現在のような日本人好みのメニューが出来上がっていったとも言われている。

結局、モンゴルの英雄の名前だけを頂いているけれど、全く本国とは関係ないのである。和製英語(外国語)は色々あって、時に本国の人達を驚かす。バイキングっていうのも、セルフサービスの食事の日本オリジナルの言い方だ。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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